yahooに寄稿しました。
 
 
 
 
 
 
2月11日から17日まで、横浜で開催されている「ヨコハマ・フットボール映画祭2017」で上映された映画「スナカリ」のレビューです。
 
(C)2015 Sunakali.
 
サッカーを通じて、ネパールの山岳地帯に住む少女たちが運命を切り拓く姿を追ったドキュメンタリー。
 
日本とは文化、宗教、習慣など、多くの「違い」が背景にありますが、ボールを蹴ったことのある人なら一度は味わったことのある新鮮な気持ちを思い出すのではないかと思います。
 
 
 
また、同じくヨコハマ・フットボール映画祭で上映されている「TRAINER!」という作品も観ました。
 
こちらは、1部、2部、3部…と、数多くのカテゴリーがあるドイツ・ブンデスリーガのコーチ(監督)たちの日常に密着し、その実態を描いたドキュメンタリー作品です。
 
 
「成功は一人の人物につながっている」
「監督1年目は、選手たちからタカのように観察された」
「ある選手にはアメが必要、ある選手にはムチが必要。ある選手は理解が早く、すぐに(反応が)返って来るが、ある選手は返ってこない」
「上手くいっている時は良いが、辞める時は公開処刑だ」
 
など、それぞれの監督の「色」が表れた言葉はとても興味深く、仕事のやりがいもリアルに伝わってきます。
 
サッカーの監督は、ドイツでは「ドリーム・ジョブ」と言われるそうです。
 
ただ、その裏側では、常に結果で判断される厳しい目があり、メディアが報じる「切り取られた」ニュースや批判との葛藤も日常茶飯事。
 
この作品に登場する監督は、そういった難局をどう乗り越えていくのか。
どの人物も個性的で魅力的で、人間観察が鋭く、言葉を持っています。
 
様々な単語や言葉や感情が行き交うグラウンドやロッカールームで、実際に何が起きているのか、まるで自分が選手になったかのような目線で見られるシーンも必見です。
 
 
個人的には、選手にプレースキックの指導をする際の
 
「初めてボールを触る時に、(ボールの)行き先を決めるんだ」
 
という、シュテファン・シュミット監督(作品内ではSCパーダーボルン)の言葉が印象に残りました。
 
ユルゲン・クロップ監督(リヴァプール)、アルミン・フェー監督(フランクフルト)など、日本人選手にゆかりのある有名監督も登場します。
 
こちらの作品も、ぜひとびだすうさぎ1
 
ヨコハマ・フットボール映画祭での「スナカリ」の上映はすでに終了してしまいましたが、「TRAINER!」は17日まで上映しています。