リオ五輪が開幕して、眠れない日が続いていますね〜


先週末は、女子サッカーも各地で熱戦が繰り広げられましたよ。
土・日の二本立てです鳥の羽根





【なでしこリーグカップ予選グループA最終節 日テレ・ベレーザ vs INAC神戸レオネッサ】



キックオフは16時。
夕方の夢の島競技場には、強い西日が照りつけていました。

気温は体感温度は35度以上はありそうな感じでした。試合前、机の上に置いた時計の数値は…なんと48度。客席には西日が直撃して、卵を割ったら目玉焼きができそうな暑さでした。

ピッチはさぞかし熱かったことでしょう光たん?


【ベレーザ】

    籾木結華 田中美南

長谷川唯         隅田凜

   中里優 阪口夢穂

有吉佐織 村松智子 岩清水梓 清水梨紗

     山下杏也加


8試合で29得点1失点。圧倒的な強さでグループステージ1位通過を決めているベレーザですが、ベストメンバーでINACを迎え撃ちます。



【INAC】

      増矢理花
京川舞         中島依美
   杉田妃和 チョ ソヒョン

      田中明日菜

鮫島彩 三宅志織 甲斐潤子  守屋都弥

       武仲麗依



ボランチの位置には田中明日菜選手。

この試合前時点で、グループAでINACは2位で、3位ジェフLとの勝ち点差は「1」。
翌日行われるジェフLとコノミヤ戦の結果にもよりますが、この試合になんとしても勝って、自力で勝ち抜けを決めたいINAC。

…ですが、このカードは2013年5月の試合以降、8敗2分と長く勝てていません。

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何も見えないですね…
でも、西日の強さは伝わるかと



暑さに負けず、球際の激しさを見せた両チーム。

阪口選手と中里選手が攻守の舵取りをするベレーザに対し、INACは杉田選手とソヒョン選手が並ぶ2列目のマッチアップに見応えがありました。田中(明)選手がボランチに入ったことで、INACはベレーザのぶ厚い攻撃を封じる狙いも。

ベレーザは奪われた後のプレッシャーは相変わらず速かったのですが、いつもに比べると攻撃のスイッチを入れる回数は少なく、守備の枚数を増やしたINACに対してリスク管理に重点をおいた慎重な試合運び。
セットプレー以外では阪口選手の攻め上がりがさほど見られず、ゲームを落ち着かせることに集中している印象でした。

それでも、ボールを持つ時間が長かったのはベレーザ。INACはマイボールにすると、ピッチを広く使って長めのパスを中心にゲームを組み立てます。しかし、守備でも良い距離感を見せるベレーザのブロックを崩すまでには至らず。ゴール前や最終局面で、リズムの変化がほしいところでした。

試合は両チームともに決定機を作るものの、ネットを揺らすまでには至らず。消耗戦となり、足を攣る選手も出た中、終盤に試合は大きく動きます。アディショナルタイムにINACが2つの決定機を迎えますが、ネットを揺らすには至らず。ともに勝ち点1を積み上げ、INACは今日のコノミヤ-ジェフL戦の結果を待つこととなりました。


試合後の監督・選手コメント

MF隅田凜選手(ベレーザ)
「勝ちに行きましたが、攻め急がずに、しっかり守ろうというイメージでした。縦に激しい試合にはなりましたが、守備でゼロに抑えられたところは良かったです。(サイドでのマッチアップについて)対面した鮫島選手は縦へのスピードが速いので、うまくスピードに乗らせないように対応しようと考えていました。裏を取られたところもあったので、修正したいです。リーグカップは、2012年にベレーザが優勝した時の印象が強いです。決勝でINACと対戦しました(3−2でベレーザが勝利)」


松田岳夫監督(INAC)
「惜しい、で終わる。そういう試合でした。(田中選手のボランチなど、システムを変えた意図)システムありきではなく、選手の特徴ありきのシステムになればと考えていました。前半は連動できていなかったですね。距離が遠く、サポートも切り換えも遅かったのですが、後半は改善できて、個々が同時に動き出しながら連続してプレーできました。前半からそういう動きができれば違った展開になったと思います。後半は奪う位置が高くなったので、ボールを奪われてからの切り換えも早くなりました。(リーグカップを通じてチームの変化)若い選手を使うという意図も当初はありましたが、ゲームとなるとベストメンバーで、と思うんです。相手のことも分かりつつ、テーマを持って試したいことは積極的にできたので、意義のある大会でした。変化したと思えば立ち止まり、後戻りする、その繰り返しだったと思います。自分たちの力を常に出せるようになることが課題です」

FW高瀬愛実(INAC・キャプテン)
「身体を張って失点ゼロを目指す中で、流れが来ると思っていました。ただ、実際に流れが来た時に決められなかったことがすごく悔しいです。今チームが勝てないのは、良いゲームができていても決めきれないところだと思います。(リーグカップを通してチームの変化)選手も課題をそれぞれに持ちながらやっていましたし、システムを変えたり、いろいろな変化の中で取り組んでいました。予選の最後の試合で、全員で戦えて、あと一歩というところまで来て、見ている人が心が動くようなゲームはできたんじゃないかな?と思います。見てくれている人の心が動かないような試合は、自分たちの気持ちが足りていないということだと思います」

DF田中明日菜選手(INAC)
「アンカーで、守備に重点を置いていました。お掃除役というイメージで、危ないところは要所要所でつぶせたとは思います。妃和とソヒョンの穴を埋めるイメージでした。攻撃ではあまり前に行くなとは言われていて、センターバックも含めて3人でリスク管理するイメージでした。(日テレからの2列目の動きとFWの田中選手への対応)田中選手と籾木選手で縦関係を作ってくるので、自分がそのスペースをカバーしていたんですが、続けていけばもっと良くなる手応えは感じました。(この2週間のチームの雰囲気について)みんな、新しいことにチャレンジしようという気持ちは見えました。変則的なシステムで、攻撃も3枚で回したり、難しかったと思いますが、短い時間で理解してチャレンジしようとしました。後半は相手のコートでプレーする時間が長かったので、点を取りきりたかったです」

MF杉田妃和選手(INAC)
「前半は受け身になってしまって、積極的なプレーができませんでした。後半からはちょっとずつ前を向いた自分らしいプレーも出来ました。最近、最初から自分で積極的にいくというプレーが出来なくて、チームもゴール前で積極性を見せられないのが悩みです。相手に対して、受け身から入ってしまうのが原因だと思います。プレスの中でどう打開するか前向きに考えていきたい。チームの連携は、合う時は合うようになってきました。やろうとする人がいないと、ついていく人がいないので。自分も、そのやろうとする側になりたいです」




【なでしこリーグカップ予選グループB最終節 浦和レッズレディース vs AC長野パルセイロレディース】


勝ち点12で並ぶ両チーム。得失点差は浦和が(+2)リード。勝ったチームが準決勝進出を決める大一番。
浦和L出身の齊藤選手、泊選手、坂本選、大宮選手(レッズユース出身)が出場する見所の多い一戦となり、酷暑の鴻巣市立陸上競技場には多くのサポーターが詰めかけていました。

【浦和L】

  白木星    後藤三知

加藤千佳          柴田華絵
    長野風花 筏井りさ

北川ひかる 長船加奈 乗松瑠華 栗島朱里

      平尾知佳

【長野L】

  横山久美  泊志穂

     齊藤あかね
大宮玲央奈     児玉桂子
      國澤志乃

五嶋京香 木下栞 坂本理保 野口美也

     池ヶ谷夏美



先日のなでしこジャパンスウェーデン遠征に選ばれていたGK平尾選手(浦和L)、横山選手と國澤選手(長野L)が先発出場。

コイントスに勝った浦和Lが前半は風上を選択しました。

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点の取り合いになることが多いこのカード。
コンパクトな形で最終ラインを高くする浦和Lに対し、長野は守備時でも泊選手と横山選手が前線に残り、カウンターの機会を窺っていました。

前半早々の15分。
柴田選手のドリブルを中央で坂本選手がカット。カウンターを仕掛ける形になり、児玉選手が右サイドからクロスをあげると、ファーサイドで泊選手が頭で合わせ、長野Lが先制。サッカーボール1-0

しかし、浦和Lは28分に柴田選手のパスを受けた後藤選手が右サイドから決めて同点に。サッカーボール1-1

34分には浦和Lがゴール手前でFKを獲得。筏井選手のキックはバーに当たってゴールライン上にはね返りますが、白木星選手が押し込みサッカーボール2-1と、前半のうちに逆転に成功。

両サイドバックの攻撃参加が時間とともに増えたことが、浦和Lが試合の流れを引き寄せたポイントでした。守備では、今季3試合で6得点を取られている横山選手へのマークを徹底。
一方、長野はセットプレーでも、何かが起こりそうな空気を醸し出します。


2点を取らなければ準決勝進出できない長野Lは62分、坂本選手からの裏へのパスに走り込んだ横山選手が、DFとGKと競り合いながらループシュートを決め、あと1点というところまで迫ります。サッカーボール2-2

暑さの中で徐々に運動量も落ちてくる中、浦和Lは77分に高畑志帆選手を投入し、5バックに移行。守備を固め、引き分けを視野に入れた戦いに。

5分間のアディショナルタイムも猛攻を仕掛けた長野Lでしたが、勝ち越しはならず。

粘り強く守り、得失点差で上回った浦和Lが準決勝進出を決めました。

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試合自体は見応えのある90分間でしたが、一方で、笛の多さは気になりました(取らなくて良いと思える場面も)し、判定が逆だと感じる場面も多かったです。

また、後半の給水タイムが浦和L側にしか伝わっていないなど、運営上の不手際も目につきました。

同時に多くのことに目を配るのは大変なことですが、こういった試合では、些細にも思える一つ一つが勝敗を分けるので、そのあたりはリーグ運営上の課題ですね。


試合後監督・選手コメント

吉田靖監督(浦和L)
「引き分けでも(決勝T進出は)大丈夫だろうと考えていたので、守備から入りました。(2-1から)本当はもう1点追加して試合を終える形にしなければいけなかったんですが、逆に取られてしまいました。ただ、2-2にされてもバタバタせずに落ち着いた戦いが出来たのは良かった。以前よりは粘り強くなったと思いますし、全体的によくなってきていることは確かです。準決勝の相手は日テレで、今間違いなく一番強いチームですし、胸を借りるつもりで臨みます」

FW白木星選手(浦和L)
「(ゴールは)ほぼ(筏井)りささんの点だと思います。前日の練習で同じような形があったので、狙っていました。(後半の戦い方)粘り強く戦えたと思います。(カップ戦の収穫)チームが勝つことで全体的に自信を持てるようになったし、個人的にも試合に出られるようになって自信を持てるようになりました。決勝トーナメントに上がれるのはすごく嬉しいです」

MF筏井りさ選手(浦和L)
「マッチアップした齊藤(あかね)さんは、身体の強さや上手さは分かっていてもチャンスを作られてしまったので、もう少し駆け引きできたら良かったです。(2点目)得意な距離で、芝の感触もボールを落とせそうな感じだったので、落ち着いて蹴れば決められると思っていました。私のゴールじゃなかったんですけど(笑)(チームの成長)リーグで負け続けていて、精神的にも良くない状態が続いていたんですが、カップ戦では勝てて、そこで得た自信が自分たちの技術を発揮するための落ち着きを生んでいます。(ベレーザとの準決勝に向けた過ごし方)相性的には良さそうで、全然(勝つ)チャンスがないとは思いません。上手いチームと対戦するのが楽しみです」

FW後藤三知選手(浦和L)
「(1点目)柴田選手から背後にいいボールが出て、シュートの局面はほぼフリーに近い形だったので、落ち着いてゴールに入れることができました。リーグ戦では失点の多さ得点の少なさに課題がはっきり出ていたので、真摯に向き合った結果、カップ戦は10得点以上決めることができました。ただ、順位を決めるような戦いで引き分けや勝ちきれない試合が多いことは自覚していますし、今後は窮状の中で勝てるチームになっていきたいです」

本田美登里監督(長野L)
「今日のスタメンの中でもだいぶ傷んでいる選手が多くて、ぶっつけ本番でプレーさせた選手が何人かいました。齊藤や野口(美也)も傷んでいたので、決勝トーナメントで起用しようと思っていたんです。ただ、今日が山場になってしまったのは予定外で、可哀相ですが起用しました。結果は残念ですが、ぶっつけ本番のメンバーで、今年の目標としていたレッズに引き分けたのはチームの成長だと思います。今日の試合というよりは、先週の湯郷戦で無失点で勝てば、得失点差でも負けることはなかったので、そこが甘さだなと。リオ五輪で盛り上がっている中、新参者(昇格1年目)のチームが決勝トーナメントにいくことで、ちょっとした女子サッカーの話題作りにはなれたかなと思うのですが…『惜しい』で終わってしまったのが残念ですね。選手も自分たちのサッカーは理解しながら1年間やってきていますし、ベンチから言わなくてもピッチの中の選手が理解してくれています。(リーグを2位で折り返して後半戦に臨みますね)リーグを2位で中断したから、この3ヶ月間ずっと2位なんですよ。ふふふ(笑)対戦相手を見ると、最後の方にINAC、日テレ、仙台と強豪との対戦が続くんです。それまで何とか上位をキープしたいですし、しっかり準備をしたいと思っています」

MF國澤志乃選手(長野L)
「前半は、中盤でゲームを作っていた長野選手と筏井選手を自由にさせすぎました。齊藤(あかね)が筏井選手についていたので、私が長野選手につくようにと監督からも言われていて、そこを前半のうちに修正できていたら、ショートカウンターもいけたかなと思います。マンマークでいこうとしていたんですが、相手のFWを気にしすぎてしまって、出足が遅れてしまった部分がありました。サイドからの攻撃はレッズさんの持ち味だと思うので、もっとケアできたら良かったです。(スウェーデン遠征から帰ってきて変化したこと)代表は刺激しかなかったです。サッカー自体もパルセイロとは違うので、短期間で順応しきれなかったと思いますが、練習の中でも学ぶことが多かったです。チームでも練習の中でコントロールやパスの精度など、基本を一つ一つ見つめながらやるようにしています」

MF大宮玲央奈選手(長野L)
「前半の入り方が悪くて、柴田選手をチームとして捕まえきれなかったうちに失点を重ねてしまったのがもったいなかったです。浦和には前回の対戦で負けました(3-4)し、カップ戦に入ってからは違うチームになったと感じていました。(カップ戦を通してチームとして積み上げたもの)戦い方は開幕から変わらないので、共通理解は試合ごとに積み重ねられています。ガンガン縦にいく感じですね。横山もたくさん点を決めてくれていますし、チームのキーマンで相手も抑えに来るので、いかに周りの攻撃的な選手が連動して動いて、横山をフリーにして預けられるか。周りのハードワークやフリーランが本当に重要です。(2位で迎えるリーグ後半戦に向けて)2位は自分たちでも信じられない順位です。チャレンジャーという気持ちは忘れずに、後半戦はまた一番下からのスタートという気持ちで、最低でも残留を目標に、上位4チームを目指したいです。個人的にはカップ戦で点を決められなかったのが心残りなので、出ている以上結果を出すこと。難しいプレーでも一段上を目指してこだわっていきたいです」


花花花花花



もう1試合は仙台Lが2-0で新潟Lに勝利したため、仙台のグループB首位が決定。
グループAは、千葉Lがコノミヤを4-1と下し、準決勝進出を決めました。


準決勝は、8月27日。
19時〜柏の葉公園総合競技場でベレーザ(A1位)vs 浦和L(B2位)、同時刻に三木陸上にて仙台L(B1位)vs 千葉L(B2位)のカードで行われます