昨日は、グループB首位のベガルタ仙台レディース vs 3位の浦和レッズレディースの一戦を取材してきました⚽️



仙台は引き分けでも進出が決まる状況。
一方の浦和Lは来週の予選グループ最終戦で2位長野Lと対戦するため、直接対決に向けて勝ち点1でも積み重ねておきたい一戦。


これまでの対戦成績は、仙台Lが5勝5分と勝ち越していて、浦和にとっては相性の悪い相手。
今季はカップ戦、リーグ戦で対戦し、いずれもベガルタが2-0と勝利しています。



【浦和L】

   後藤三知 白木星
加藤千佳        柴田華絵
   長野風花 筏井りさ

塩越柚歩 高畑志帆 乗松瑠華 栗島朱里

     平尾知佳



左サイドバックの北川ひかる選手は、大学の関係で行事が合って試合に参加できなかったそうです。そのため、右サイドバックでプレーしていた塩越選手が左に入り、右サイドバックには、今季はボランチで出場している栗島選手が先発。

「栗島は元々サイドバックをやったことがあって守備は安定しているので起用しました」(吉田監督)




【仙台L】

  小野瞳     井上綾香
中野真奈美       嘉数飛鳥
   岸川奈津希 川村優理

高良亮子 市瀬菜々 北原佳奈 坂井優紀

    ブリトニーキャメロン



仙台の岸川選手は昨年まで浦和Lに所属していたため、古巣対決。
「代表組3人のコンディションは正直悪かったです」という千葉監督(仙台L)。
スウェーデン遠征から帰ってきた代表組では川村選手が先発。有町選手と佐々木選手は控えに。



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強い風が吹く中、コイントスに勝った仙台Lが前半の風上をとります。

高さとロングボールを生かして攻める仙台に対し、レッズは球際の強さ、守備から入る戦い方で、序盤は膠着。



2分 仙台L 左サイドバックから、高良選手のクロスにゴール前で川村選手がヘディングで合わせて枠を捉えますが、平尾選手が鋭い反応でパンチング。
平尾選手はこの場面を

「前回、(川村)優理さんにヘディングでやられたので気をつけようと思っていて。クロスが上がる前に優理さんのことが見えていたので、準備していました」(平尾選手)
と振り返ります。

24分 仙台L 北原選手のロングボールを受けた小野選手が振り向きざまにフリーでミドルシュート。GK平尾選手が正面で、難なくキャッチ。

36分 仙台L 左サイド中程からのFK。中野選手のキックにゴール前で173cmの北原選手が合わせるもミートせず、枠外へ。

HT 浦和L 塩越柚歩→臼井理恵
   仙台L 小野瞳→有町紗央里

有町選手が入ったことで、仙台の攻撃が活性化しましたが、浦和の守備陣にもカバーの意識が高く、仕事をさせません。

54分 浦和L 左サイドの筏井選手のクロスはファーで後藤選手が頭で落とし、ダイレクトで長野選手が打ちますが、ミートできず。

57分 浦和L 臼井選手のクロスに中で柴田が合わせますが、高良選手がブロック。こぼれ球を加藤選手が左足で合わせますが、ミートできず。

58分 仙台L 左サイドで横パスのズレを見逃さなかった井上選手がパスカットからドリブルで持ち込み、シュート。枠を捉えたシュートでしたが、ここでもGK平尾選手がピンチを救い、CKへ。

64分 浦和L 右サイドで柴田選手のスルーパスを受けた白木のグラウンダーの折り返し。加藤選手がディフェンスを引き連れて、フリーになった後藤選手が右足で合わせますが、ミートできず。

70分 浦和L 後藤三知→山守杏奈

76分 中盤で長野選手が右に展開し、山守選手がすかさずクロス。前線で白木選手がつぶれ、ファーサイドに加藤選手がフリーで詰めますが、GKブリトニー選手が勢いよく飛び出して加藤選手をブロック。さらにファーから詰めた臼井選手もブロックしてゴールを死守。

77分 仙台L 川村選手のスルーパスに嘉数選手が抜け出しますが、平尾選手が飛び出してキャッチ。

77分 仙台L 井上綾香→浜田遥

78分  仙台 川村選手が裏へのロングフィード。右サイドの嘉数選手がクロスを上げ、浜田選手がダイビングヘッドで合わせますが、ポストに弾かれます。跳ね返りに詰めた中野選手のシュートは、高畑選手が身体を投げ出してブロック。

79分 仙台L 左CK。ファーで岸川選手がボレーシュート。栗島選手が背中でブロック。

80分 仙台L 右サイドから嘉数選手のクロスにファーで中野選手が左足ボレーで合わせますが、ミートできず。

82分 浦和L 白木星→高橋はな
       栗島朱里→遠藤優

88分 浦和L 長野風花→木崎あおい 

90分(+1) 仙台L 中野真奈美→安本紗和子

90分(+4) 仙台L 嘉数飛鳥→田原のぞみ

ここで試合終了。


  


「次に進むためには、勝たなければいけない。最悪でも引き分け以上で上に上がれるのは良かったと思います」(吉田監督)

「負けて苦しい状況で最終節を迎えると、メンタル的に、最終節の戦い方が変わってきます。リスクを冒して攻めて裏返されるよりも、しっかり勝ち点1が取れるように持っていきました」(千葉監督)

試合後の両監督のコメントからも読み取れるように、両チームとも最低でも引き分けて勝ち点1を積み上げておきたいという意図が、シュート数の少ない前半戦に表れていました。
後半は両チームの積極的な交代策で、試合も動きを見せましたね。

決定機を多く作ったのは仙台Lでしたが、浦和はGK平尾選手のビッグセーブも含め、守備陣の強さが光りました。

ただ、空中戦に強い仙台Lに対し、その球際の強さが裏目に出て、自陣で多くのFKを与えてしまった点は気になります。また、ゴール前ではボールをミートできれば1点、という場面が3回ほどあったのはもったいなかった印象です。


一方、仙台はセットプレーやサイドからのクロスから、持ち味とする高さを生かした攻撃で決定的な場面を何度か作りましたが、浦和の鉄壁を崩すには至らず。

終盤は足が止まってしまいましたが、千葉監督は

「バスで5時間かけてやってきて、仙台にはないほどの暑さで、代表組のコンディションが悪い。前半は相当苦しかったと思いますが、最後まで粘り強く走ってくれました」

と、アウェイで最低限の結果を得たことを評価していました。その中でもフル出場した川村選手の調整力はさすがでしたね。風下にも関わらず相手陣内まで確実に飛ぶGKブリトニー選手のキックにも、毎回驚かされます。




   
※以下、試合後のコメントはすべて浦和Lの選手のものです。

今季、途中出場でスーパーサブとしての活躍が光るFW山守杏奈選手。

「0-0の状態で入りました。プレーしている選手達は守備も頑張っていたので、自分が入って崩さないようにすることと、裏を狙ってどんどん仕掛けていくことを考えて入りました。前向きのボールを2本もらえたんですが、そこで詰まってしまってうまく入れなかったのが、自分のリズムが作れなかった原因です。途中出場でもリズムに乗っていけるようにしたいです」(山守選手)

今季初のサイドバックをつとめた栗島選手。

「サイドバックは本当に久々です。1対1のところでは負けないようにすること。トラップした瞬間に寄せて、やらせない、後ろを向いている時はやらせないことを意識しました。
(サイドの守備)華さんは運動量がありますし、自分がいったらサンドしにきてくれるので、自分は前を向かせないように対応しました。やることははっきりしていました。
攻撃ではボールが来る前に相手のプレッシャーを見て、判断し、いろいろな選択肢を持っておくことです。最後は運動量が落ちてしまったことが反省点です。足も攣ってしまいました」(栗島選手)

いくつかの決定機に絡んだ左MFの加藤選手。

「いつも仙台戦は苦戦して、なかなか良い流れができないんですが、前回と比べると良い内容の試合が出来たと思います。いいところにボールが来て、自分が決めきれれば勝てた試合でした。(暑さの中で)最後の方は体力も消耗してきて、ダッシュの回数も落ちてきました。もっとダッシュできるように、運動量も増やしたいです」(加藤選手)

そして、浦和Lの勝ち点1に大きく貢献したのがGK平尾選手。

「前回負けた相手なので、引き分けに終わってしまったのは反省すべき点です。でも、今シーズン自分の長所であるシュートストップでチームに貢献できていなかったので、ビッグセーブをできたのは嬉しかったです。味方と連携して守れたことは自信にもなりました。仙台戦は(川村)優理さんと(岸川)奈津希さんのところでセカンドボールを拾われて、取りに行っても身体で負けてしまう場面がありましたが、今日はボランチの2人が身体を張って自由にさせていなかったのが大きかったと思います。(栗島)朱里さんは右サイドバックをやる機会が少ないですが、守備が上手いので安心して後ろから見ていました。センターバックの2人は3年目で、守備のコースの切り方も分かっているのでよく連携が取れています。そのおかげで守れたと思います」(平尾選手)

浦和LのGKは、U-20代表候補の平尾選手となでしこジャパン候補の池田咲紀子選手が先発の座を競っていますが、第3GKの松本真未子選手もU-20代表候補(2014年U-17女子W杯時の正GK)。
練習取材をしていると、それぞれに違った持ち味を見せる3人のGKのハイレベルな競争も見応えがあります。

この結果を受けて、グループBは仙台Lが決勝トーナメント進出を決めました。
次節、グループリーグ最終戦の注目カードは、浦和Lvs長野L

同勝ち点(12)で、得失点差はわずか(+2)に浦和Lが勝っていますが、ゴールが多く決まる傾向のあるカードなので、勝ったチームが準決勝に進出することになるでしょう

長野Lには、元浦和Lの選手も多く、古巣対決も見どころです。

対戦成績は、今季3試合(リーグ2試合、カップ戦1試合)対戦していて、長野Lが2勝、浦和Lが1勝。
すべて1点差のゲームでしたが、なんと、長野が3試合で決めた6得点はすべて横山久美選手のゴール⚽️


「一番警戒するのは横山選手です。いつも警戒しているのに決めてくるので。どこからでもシュートを打ってくるし、厳重注意して、前を向かせないように対応したいと思います」(栗島選手)

「(横山)久美さんは代表でやってきてどういうプレーをするか分かっているので、要注意です。リーグの中で一番、キーパーの動きを見てどこに蹴るかを判断して、確実に決めてくる。上手く駆け引きして止めたいです」(平尾選手)



グループAもグループBも、最後まで見逃せない試合が続きますね。

来週8/6(土)、8/7(日)の大一番をお見逃しなく〜デレデレ