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1巡目の対戦(第2節)は、籾木選手の2ゴールなどでベレーザが3-1と勝利しています。
陽射しが強く、暑くなりそうな一日でしたが、スタジアムのスタンドは海風が強く吹き付けてくるため、かなりの寒さに。水分を含んだ冷たい潮風で、ベンチコートが欲しいぐらいでした。
【ベレーザ】
田中美南 籾木結花
長谷川唯 隅田凛
阪口夢穂 中里優
有吉佐織 村松智子 岩清水梓 清水梨紗
山下杏也加
GK山下選手、SB有吉選手。CB村松選手、ボランチの阪口選手と中里選手の5人が代表に選出されています。
【ジェフL】
小澤寛 菅澤優衣香
深澤里沙 安齋結花
西川彩華 瀬戸口梢
上野紗希 磯金みどり 櫻本尚子 千野昌子
山根恵里奈
こちらは、GK山根選手とFW菅澤選手が代表入り。
序盤から、風上のベレーザがパスワークでジェフLを自陣に押し込みます。
ジェフはカウンターを狙いたいところですが、通常ハーフウェーラインを超えて相手陣内の半分ぐらいまで届く山根選手の強烈なキックも、自陣まで戻されてしまうほどでした。
6分 ジェフL プレッシャーをかけてベレーザのパスコースを消し、こぼれたボールを西川選手が前線へ。裏で受けた菅澤選手がバイタルエリア手前で受け手ドリブルを開始。PA手前から逆サイドを狙ったグラウンダーのシュートは山下選手が片手で弾きます。
10分 ベレーザ 清水梨紗選手からのクロスを囮になった有吉選手の後ろから走り込んだ選手が落とし、走り込んだ中里選手がボレーシュートを放ちますが、右へ。
13分 ジェフL FKの流れから、深澤選手が前方に蹴り出したボールを千野選手が左足ミドル。左へ。
19分 ジェフL 櫻本選手からのロングボール。前線で菅澤選手が反応していましたが、読んでいた村松選手がしっかりと体を入れて仕事をさせず。岩清水選手とのコンビネーション、ラインの上げ下げも息ぴったりです。
21分 ベレーザ 有吉選手からのパスを受けた田中美南選手の落としを籾木選手が絶妙のコントロールで左の足元に置き、ミドルシュート。山根選手の重心の逆をとった強烈なシュートでしたが、山根選手が長い左手で間一髪、弾き出します。
36分 ジェフL 千野選手からのくさびのパスを菅澤選手が落とし、走り込んだ西川選手の強烈なミドルシュートは枠の上へ。
37分 ベレーザ CK。ゴール前のクリアが中途半端になったところで、こぼれ球にすかさず田中(美)選手が足を振りますが、山根選手がキャッチ。
40分 ベレーザ 中里選手が左サイドを細かいタッチのドリブルで突破してクロス。山根選手が立ちはだかり、難なくキャッチ。
44分 ベレーザ 田中美南選手のスルーパスを受けた有吉選手のクロスに籾木選手が走りこんで打ちますが、山根選手のプレッシャーを受けたシュートは弱くなり、櫻本選手がゴールライン手前でクリア。こぼれ球に長谷川選手が詰めますが、これも山根選手がキャッチ。
スコアレスドローで後半へ。
ベレーザはポジションを入れ替えながら、縦・横・斜めと多彩な崩しを試みますが、ジェフは球際で体を張る守備を徹底。1人が抜かれても次から次にDFが出てくるため、パスを回されても完璧に崩し切られるという場面は見られませんでした。
そこで森監督(ベレーザ)は後半、より緩急のメリハリをつけるように修正。
「ジェフさんがしっかりと体を張ってゴール前を固く守っていた。そこはリスペクトしなければいけません。それと、この間の新潟戦(●0-1)もそうでしたが、芝が詰まっているとボールが走らないんです。緩急をつけたサッカーをする中で、「急」のところもゆっくりになってしまった。いつもなら裏が取れるところでも取れずに、ただ回しているだけになってしまった部分がありました」(森監督)
一方、ジェフの三上尚子監督は守備面に一定の評価を与えた上で、
「セカンドボールに対してはっきりプレーすること」
「サイドの裏のスペースを使った攻撃をしよう」
と指示。
54分 ジェフL 右サイドで安齋選手がドリブルで仕掛け、中央で受けた小澤選手のミドルシュートは枠の右へ。
60分 隅田選手のパスを中央で受けた阪口選手のヒールパスを受けた長谷川唯選手のミドルシュートは山根選手の正面。
後半開始から、ジェフはプレッシャーを強め、前線からプレスをかけて奪いにいきます。ジェフの押せ押せムードに。
73分 左サイドの中里選手からくさびのパスを受けた田中(美)選手の反転シュートは山根選手の正面。
75分 ジェフL 小澤寛→鴨川実歩
79分 ジェフL 左右からのCKが続きますが、ベレーザ守備陣も体を投げ出してブロック。
80分 ベレーザ 清水梨紗→上辻佑実
中里選手が右サイドバックに入り、上辻選手がボランチへ。阪口選手の位置が高くなり、ベレーザが前線に厚みを持たせます。
82分 ベレーザ ゴール前のセカンドボールを隅田選手がシュート。山根選手が正面でキャッチ。
83分 ベレーザ 有吉選手からのパスを縦で受けた田中(美)選手がドリブルで持ち込み、逆サイドを狙ったシュートはポストに弾かれます。
ベレーザの猛攻が続きますが、ジェフも集中を切らさず。試合はラスト1プレーまで目が離せませんでした。
岩清水選手のロングフィードを、有吉選手がヘディングで折り返し、田中(美)選手が胸トラップからのシュート。山根選手が立ちはだかり、シュートはバーの上へ。
ここで試合終了の笛。
最後までお互いの牙城を崩すことはできず、スコアレスドロー
ベレーザは90分間を通して、パスはしっかりと繋げていたものの、特にゴール前ではなかなか良いリズムで崩し切れませんでした。
理由の一つは、ジェフの集中した守備が効いていたこと。
ジェフには「走るサッカー」という伝統がありますが、今季は球際の強さも光っています。最終ラインのディフェンスリーダー、櫻本選手の守備の安定感にはいつも目を奪われます。球際と言えば、象徴的だったのが、前半ジェフが中盤でパスコースを予測し、2~3人が続けてスライディングでボールを奪いにいった場面。
一方、ベレーザも「奪われた後にすぐに奪い返しにいく」粘りが持ち味。奪って奪われて、という激しい球際のせめぎ合いは見応えがありました。
もう一つの理由は、ピッチコンディション。
詰まった芝でボールが走りにくく、時折吹く突風の影響も。
「年に1回はやっているスタジアムで、芝も詰まっていますが、その中でもチャンスはあったので決めきりたかったです。相手を動かすことは出来ていたと思うんですけれど、自分たちでスペースを狭くして最後のところで(ボールを)触られてしまったり。もう少しスペースを広くとって、遠くも見ながらシンプルな展開も使い分けられたら良かったと思います」(有吉選手)
攻撃では左サイドの有吉選手と長谷川選手の縦の関係が相変わらず良好でした。
「有(吉)さんが、声かけをしてくれて、自由にやらせてくれているのですごくやりやすくて。左サイドが崩せているのは、有さんの力が大きいと思います」(長谷川選手)
そして、攻撃が手詰まりになった時、一本のパスで局面を変えられるのはやはりこの選手。
「ボールを大事にしすぎてパスが弱くなって失ってしまったり、遅攻が多く、攻撃が単調になってしまいました。こういう感じの試合の中で、簡単に決められて負けることもあるんですけれど、無失点で抑えられたのは良かったですが…。芝が詰まると、タッチが多くなってしまって前に進めなくて失うことも多いので、そう言うときはシンプルにプレーして少ないタッチを意識しています。ベレーザはドリブルが得意な選手も多いですが、ドリブルが足に絡まって前に進めないというやりづらさはあったかなと。(パスの)意図が合わなかったのは、自分が悪いシーンもたくさんあったと思います」(阪口選手)
出し手と受け手の意思疎通が完璧に合う場面はたしかに少なかったかもしれません。それにしても…阪口選手が味方のミスを指摘したり、厳しい表情を見たことがありません。常にニュートラル。そして、笑いの心を忘れない。
「特に夢穂さんが前に上がった時はなるべく前を見るようにして、関わる人数が少なくてもなるべく早いタイミングでボールを入れようと思っています」(長谷川選手)
後半はポジションを上げてパワープレー気味の布陣にしましたが、ジェフもさすがに警戒していましたね。
一方、ジェフLの前線で献身的な守備も見せた菅澤優衣選手。
「(グラウンドは)結構芝が深めで足に来る感じではありました。でも、チーム全体で最後まで集中してやれました。3ライン(FW・MF・DF)の間が空きすぎないように意識して練習に取り組んで来て、そこが上手くできたと思います。相手は中盤のボランチでボールを持てるので、最後の最後でやらせないように体を張りました」
2年連続得点王の菅澤選手ですが、今年はまだ2得点。
「去年いた選手がいなくなった分、自分がアシストや守備面などの仕事をすることも増えてきました。前の選手を生かすプレーも意識しながらやるようにしています。ただ、去年以上にゴールが取れなさ過ぎていますし、ゴールから遠いプレーが増えてきてしまっているのは課題です」
守備面の整備が進むジェフ。
攻撃面の構築が進めば、ダイナミックな菅澤選手のゴールがまた見られることでしょう!
他会場では、仙台が湯郷に勝って3位に。
長野はコノミヤに1-0で勝利。横山選手は得点ランキング単独トップの11得点
新潟が浦和に1-0で勝利。
伊賀は2-1でINACに逆転勝ち。
今節より指揮をとることとなった野田朱実新監督の初陣を、劇的な逆転勝利で飾りました。
来週の11節が終わると、リーグはしばらく中断期間に入り、カップ戦に移行します。
夏に差し掛かる前の気持ちの良い時期です
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