天候に恵まれ、陽射しも暖かい観戦日和でした♫
仙台ではまだ桜が見られましたよチュー

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ともにに3勝1敗同士、ベガルタ仙台レディース(2位)とINAC神戸レオネッサ(3位)の上位対決を取材してきました。

昨年のリーグ戦、10月に熊本県水前寺競技場で行われた試合は4-2でベガルタが勝っていますが、昨年の皇后杯(等々力)ではINACが2-0と勝っています。

常盤木学園出身の選手がピッチ上に多かったですね。仙台Lから、佐々木美和選手。INACから鮫島彩選手、田中明日菜選手(本日お誕生日!)、京川舞選手、道上彩花選手が出場しました。


試合前には、熊本地震の犠牲者の方々を偲んで、黙祷が行われました。ともに震災を経験した土地を拠点とした両チームは、義援金を集める活動を街中やスタジアム周辺でも行っています。


両チームのスタメンは…


【ベガルタ仙台】

   小野瞳 井上綾香  
中野真奈美      嘉数飛鳥

   岸川奈津希 川村優理
佐々木繭 千葉梢恵 北原佳奈 坂井優紀 
   
    ブリトニーキャメロン



昨年から、大型補強を行ったベガルタ仙台。ボランチに新加入の岸川選手が入り、センターバックに北原佳奈選手。佐々木繭選手はサイドバックにコンバート(U-23ラマンガ国際大会ではサイドバックでもプレーしています)。
スタメン11人の平均身長は165.4cm。高さではリーグナンバー1ですね。フィジカルに長けてスピードがあり、縦に速い攻撃と、中盤の川村選手を中心としたシュート技術の高さが印象的なチームです。
坂井選手は元INACの選手で、古巣対決となりました。


【INAC】

     大野忍 高瀬愛実
増矢理花           川澄奈穂美   

    中島依美  チョ・ソヒョン
鮫島彩 田中明日菜 甲斐潤子 近賀ゆかり
      
       武仲麗依


甲斐潤子選手は今季初出場。
そしてこちらも、鮫島選手と武仲選手は古巣対決ですね。



主導権を先に得たのはINAC。
ベガルタはラインが低く、そこからのカウンター、縦への速い展開に持ち込みたいところですが、なかなか良い形で奪えない時間が続きます。


1分 INAC 大野忍選手が前線で奪って持ち込みミドルシュート。GKブリトニー選手の正面。

10分  INAC 前線で受けた大野選手がキープ。中島選手とのワンツーを挟んで近賀選手に落とし、川澄選手から前線に入った縦パスを大野選手がスルー。そこに、タイミング良く動き出していた増矢選手が合わせてオウンゴールを誘います。狭いスペースの中で技術とアイデアが融合した見事なゴールでした!0-1

13分 仙台L 中盤で奪うと、素早く前線の井上選手へ。オーバーラップした坂井選手のクロスを中野選手が折り返し、走り込んだ井上選手のシュートのこぼれ球を川村選手が再び詰めますが、シュートはGK武仲選手がキャッチ。

押し込まれていた仙台Lですが、ここは「らしさ」が出たシーンでした。

23分 仙台L 前線へのロングボールは跳ね返されますが、セカンドボールに走り込んだ小野選手がシュート!これはゴール左に逸れます。

?分 INAC 中島選手から、坂井選手の裏をとった鮫島選手へ。鮫島選手がグラウンダーでマイナス気味に折り返すと、走り込んだ増矢選手が左足でダイレクトで狙います。しかしタイミングが合わず、シュートは右へ。

INACはサイドを広く使いながら、虎視眈々と裏のスペースも狙いますが、決定的な形は生まれず。INACが1点リードで後半へ。


HT 仙台L 嘉数飛鳥→有町紗央里

就任5年目の千葉泰伸監督は、ハーフタイムに、「かなりの剣幕で」喝を入れたそうです。
「弱気になっている選手がいる。球際も消極的になっていて、戦うことはどういうことかをピッチで示せと言いました。ボールをもっと怖がらずにボールをつないで、サイドから崩していくという狙いを徹底しようと話しました」

そして、後半。仙台Lが息を吹き返します。


48分 仙台L 後半から出場した有町選手が右サイドを一人で崩して角度のない位置からシュート。GK武仲選手が弾きます。

50分 INAC 左サイドから増矢選手が中に切れ込みながらゴールに向かう軌道の絶妙クロスを入れ、ファーサイドで高瀬選手が飛び込みますが、わずかにタイミングが合いません。

54分 仙台L 左サイドから中野選手が入れたクロスは跳ね返されますが、セカンドボールを小野選手が左足ボレー!中で有町選手が頭で合わせますが、ミートせずボールは上へ。

56分 仙台L 中盤で奪い、有町選手がすかさずミドルシュート。これは力なく、GK正面。

63分 INAC 川澄奈穂美→杉田妃和

70分 仙台L 左サイドで中野選手がキープし、落としたボールを佐々木選手がダイレクトでクロス!跳ね返されたセカンドボールを岸川選手がミドルで狙いますが、枠の右へ。

72分 INAC 高瀬愛実→京川舞

76分 仙台L 小野瞳→浜田遥

79分 INAC 大野選手のスルーパスに抜け出した京川選手が角度のない位置から左足で打ちますが、左サイドネットに。その流れで得たCK。中島選手のアーリークロスに田中選手がヘディングで合わせますが、ゴール右。

79分 仙台 カウンターに浜田選手が抜け出し、左サイドをドリブルで独走。中に切れ込んでシュートまで持ち込みますが、INACが人数をかけてしっかりブロック。

82分 仙台 佐々木選手のクロスに浜田選手が飛び込みます。一度は武仲選手がキャッチしますが、落としたところを浜田選手が見逃さずに押し込んで同点に!INACは守備陣が浜田選手との接触をアピールしますが、判定はゴール。 1-1

85分 INAC 大野選手のスルーパスに抜け出した増矢選手のシュートはブリトニー選手がパンチングで弾きます。

86分 INAC 大野忍→道上彩花

87分 INAC 左サイドで受けた杉田選手が切り返してシュートを放ちますが、これもブリトニー選手がしっかりキャッチ。

89分 INAC 鮫島選手の折り返しを道上選手がダイレクトで合わせますが、ブリトニー選手が足で弾き出します。

90分 仙台 中野真奈美→佐々木美和

ここで試合終了。
1-1のドローで勝ち点1を分け合う結果に。



花花花花花


INACは前半、攻めている時間帯に早い段階でリードするまではプラン通りだったと思います。が…その後は裏への狙いを効かせながらも、ラストパスがオフサイドに引っかかってしまうシーンが目立ちました。

思わぬ形からの失点で勝ち点1にとどまってしまいましたが、守備ではボランチのソヒョン選手が危ない場所をいち早く読んでカットし、裏へのボールは甲斐選手が体を張って対応していました。

その甲斐選手は試合後、自分のプレーと役割、今季にかける思いについて、こんな話をしていました。

「自分にとっては開幕戦なので緊張しましたが、チームにとっては5戦目。チームの雰囲気を壊さないように意識しつつ、最終ラインで体を張ることは意識しました。私の特徴はそれしかないんです。ただ、強いチームではないミスで失点してしまったのは反省点です。(私は)ベンチにいるメンバーや、メンバー外の選手への想いも強いですし、出ている選手は勝利への責任があると思います。たとえ試合に出られない時も、チームのために、目に見えないところでもできることがあるので。試合に出ることが一番ですが、ベテランとしてそういった役割も全うしたいです」

また、これまでは交代で流れを変えることの多かった増矢選手が、今日は序盤から持ち味の攻撃センスを発揮していましたね。1点目のような、オフザボールの動きは以前よりも研ぎすまされていた印象があります。


川澄選手は、前節、ベレーザに2-1と今季発黒星を喫した試合の中で感じた「差」もふまえて、こう話していました。

「ベレーザは一人一人が上手いのもありますし、技術だけでなく判断も伴っているので、良い部分は真似したいなと思いました。でも、90分間やられたわけではなくて、ハイプレッシャーをかけて保持できた時間もありました。ただ、攻撃に切り替わった時に、ベレーザのように自分たちが行くところと、やめるところの共通意識が足りないと感じます。いくか、やめるかは個人の判断ですが、その判断を良くするためにより多くの選択肢を作るのが周りの仕事です。それぞれの選手の特徴があって、前に行く(攻撃的にいく)割合を増やしたい選手もいれば、焦らずボールを大事にしたいという選手もいるので。そのバランスを経験のある選手がとりながらやれればいいなと思います」


INACも仙台Lも、共に昨年から中盤のメンバーが変わった中で、新しい連携を作る難しさは共通していますね。ただ、INACは川澄選手の言葉にもあるように、ベテラン選手が持つ経験と判断の「幅」は、連携が合ってきた時には強力なパワーを発揮しそうです。1点目の流れるような連携には、その武器がよく表れていましたね。




一方、仙台Lは前半こそ狙いを持った守備がはまらず、ボールを追う時間帯が続きましたが、後半は見違えるように変わりましたね。

千葉監督は試合を振り返り、


「選手の中にも対INACということでの特別な気持ちがあるんだと思います。前半はみんな後ろ向きで、堂々と戦えているのは正直、川村(優理)だけでした。でも、後半は全員が勇気を持っていけていたので、やればできることを示せたと思います。交代で出た選手が結果を残してくれるのも今のチームの強みです。優勝を目指している以上、INACとベレーザの壁は破らなければいけない。うちは追い掛ける立場なので、もっとメンタル面で強くならないといけないと思っています」


仙台Lは代表経験のある選手が今季加入して、特に前線の競争は激しくなっています。そんな中、途中交代で結果を出した浜田選手は、独特の優しい眼差しで、出場機会が限られていることに対する心境を語っていました。

「去年も試合に出られなくなって、今年はさらに厳しい状況になっていますが、目標は優勝すること。少ない時間の中でも出してもらえたら結果を出すだけです。試合に出られない悔しさは、経験したからこそ分かることなので、試合に出られない人たちの分も背負ってやりたいです。(マリーゼ入団1年目に、自身も震災の影響を受けた経験について)いつ、何が起こるか分からない状況の中で、私たちはサッカーができているだけで幸せです。自分にできることは募金活動もそうですが、やはり、プレーをして一生懸命に走る姿を見せることが選手としては一番だと思っています」


個人的な印象としては、キープもできて積極的にシュートも打つ姿勢を見せた有町選手の存在感が光っていました。また、攻撃では左サイドの佐々木選手と中野選手の精度の高いクロスから度々チャンスが生まれていました。

佐々木繭選手は、身長は159cmで細身ですが、空中戦の跳躍力や競り方が特徴的で、昨年までのボランチのポジションでもそうでしたが、どこでもはまるユーティリティ性は今後が楽しみです。

また、GKブリトニー選手のキック力はすごいですね!アメリカ代表招集経験もあり、仙台では3年目。オンでもオフでもコミュニケーション能力が高い選手だと感じます。



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