今日は西が丘で行われた開幕戦、ベレーザ vs 浦和レッズレディース戦を取材に。

※スポナビライブでも「見逃し」配信をやっていますTV

以下試合レポートです。
かなり長いので、流し読みしてくださいね~にゃはーん

image



両ゴール裏には、選手たちの闘争心をかき立てるような横断幕が掲げられ、ぎっしり埋まったサポーター席からはほとばしる熱気が、スタジアムを一周してメインスタンドまで伝わってきました。




昨年の順位はベレーザがレギュラーシリーズ(RS)とエキサイティングシリーズ(ES)を制して優勝。レッズの最終順位はレギュラーシリーズ、エキサイティングシリーズともに6位と、常に優勝争いに加わり総合優勝した2014年の結果を考えると不満の残る結果でしたが、今年はどんなサッカーを見せてくれるのでしょうか。


両チームのスタメンから…

【ベレーザ】

   籾木結花   田中美南

長谷川唯         上辻佑実

    中里優 阪口夢穂

有吉佐織 村松智子 岩清水梓 清水梨紗
      山下杏也加

ベレーザは昨年までボランチを務めた原菜摘子選手(引退)の穴をどう埋めるのか、という点に注目しました。このポジションを務めたのは、中里優選手。高い技術と豊富な運動量を武器にFWからボランチまでこなせるユーティリティプレイヤーですが、本職はボランチ。ラマンガ国際大会では第一戦のノルウェー戦で、守備面であらゆるスペースを埋め、海外勢との体格差を補ってあまりある活躍を見せた一人でした。府ロクSC出身で、澤穂希選手の後輩でもありますね。

【レッズL】

   吉良千夏   後藤三知
筏井りさ          柴田華絵
    栗島朱里  猶本光

北川ひかる 高畑志帆 長船加奈 乗松瑠華
       池田咲紀子

昨年までボランチの一角を務めていた岸川奈津希選手が仙台Lに移籍し、新たに猶本光選手とダブルボランチを組むのは、栗島朱里選手。
また、SBに入った新加入(昨年は強化指定選手)の北川選手とともに、左SHでスタメンに名を連ねたのは新加入の筏井選手。今年ジェフLから加入した筏井選手は元筑波大学・大学院卒で、今年同大学大学院に進学した猶本選手にとっては先輩。安藤梢選手や熊谷紗希選手と同じ研究室で学び、2011年のユニバーシアードではキャプテンで10番を務めた実力者でもあります。


コンパクトな陣形で、ショートパスを多用し、運動量も武器とする2チーム。

ベレーザは原選手の穴を埋めた中里選手と阪口選手のコンビネーションも問題なく、ポジションを流動的に変えながら攻撃のスイッチを入れるタイミングを窺いますが、今日の試合は、レッズLの守備面が昨年に比べより組織的になっていると感じました。前線から絶え間なくプレッシャーをかけながら、ボールホルダーに対して2人、3人が囲い込んで奪います。
攻撃面ではじっくり守って少ないチャンスを生かそうという意図が見えました。
しかし、何度跳ね返されても淡々と攻撃を重ねるベレーザ。ゲームコントロールに長けた王者の貫禄を感じます。

そして、その意図を最初に実らせたのはレッズL。

7分、右サイドをオーバーラップした乗松選手のクロスに、吉良千夏選手が合わせきれなかったこぼれ球を、後藤三知選手がワントラップし、身体をひねりながらシュート。
これがゴール左に決まり、レッズが先制!
サッカーボール0-1

左サイドの北川ひかる選手の高いポジション取りも、レッズのカウンターに厚みを持たせていました。

思わぬ形で失点したベレーザでしたが、この後もあらゆる角度から虎視眈々とゴールを狙い続けます。

36分 ベレーザ 阪口選手が前がかりになった裏のスペースを狙い、田中選手が抜けてフリーで受けますが、シュートまでいけず。
43分 ベレーザ 右サイドの清水選手がゴール前にクロス。こぼれ球を上辻選手がダイレクトで打ちますが、右ポストに弾かれてゴールならず。

前半はレッズLの1点リードで後半へ。

HT ベレーザ 上辻佑実→隅田凛

ベレーザは攻撃を重ねるうちにリズムが整ってきて、後半はさらにテンポアップを図ります。
レッズLも前線からのプレッシャーに勢いがつき、高い位置でボールを奪えるように。

52分 ベレーザ 阪口選手がくさびのパスを受けて右に落とし、走り込んだ隅田選手が一人交わしてクロス。
これはGK池田選手がキャッチしますが、隅田選手の投入がベレーザの攻撃に前半とは違ったアクセントを与えていました。

55分、北川選手が筏井選手とのワンツーからドリブルで抜け出し、左足で自ら力強いシュート。シュートはGK山下選手がキャッチ。
北川選手はドリブルのスピード、DFを背負いながらも自らシュートに行く強気な姿勢が光りました。球際の強さも魅力ですね。U-20世代で共にサイドバックを担う清水梨紗選手とのマッチアップも見応えがありました。

68分 レッズL 筏井りさ→白木星
レッズのプレッシャーがまはり、レッズが押し込む時間帯もありましたが、ベレーザの守備も堅く。崩しきるところまではいきません。

74分 ベレーザ 有吉選手と長谷川選手の連携から左サイドを崩し、籾木選手がシュートフェイントを入れながら左に流れ、左を並走する有吉選手へ。有吉選手のシュート性のクロスをGK池田選手が足で弾きますが、そのこぼれ球を隅田選手が押し込んでベレーザが同点に追いつきます。
サッカーボール1-1

あの場面では、左足の強烈なシュートを持つ籾木選手のボールの持ち方に対し、レッズL守備陣がシュートを警戒した一瞬の隙が勝負を分けた気がします。有吉選手が走り込むスペースを空けた長谷川選手の動きも含め、連動した動きから奪った美しいゴールでした。

76分 レッズL 栗島朱里→長野風花

ベレーザ 清水選手からのスルーパスを受けた中里選手が長谷川選手とワンツーを交わして切れ込み、倒されたようにも見えましたが…ノーファウルの判定に。

84分 レッズL 後藤三知→塩越柚歩
レッズレディースユースから新加入の塩腰選手はなでしこリーグデビュー戦。

84分 レッズL 中盤で跳ね返し、前線で塩越選手が積極的に仕掛けてラストパス。白木選手が左足を振りますが、ボールに合わず。

88分 ベレーザ ベレーザが終盤に猛攻をしかけます。田中選手のスルーパスに抜け出した籾木選手の左足シュート!枠を捉えた素晴らしいシュートでしたが、池田選手が見事な読みでパンチング。

90分+アディショナルタイム ベレーザ 左サイドで仕掛けた田中選手が倒され、ゴールに近いペナルティエリア外でベレーザがFKを獲得。隅田選手がファーサイドを狙ったボールは少し長くなり、合いません。
90+アディショナルタイム レッズL ベレーザの猛攻を跳ね返したレッズLのカウンター。吉良選手が繋いだボールを白木選手がキープ。オーバーラップした塩越選手が受けて縦に仕掛け、折り返したところに走り込んだのは柴田華絵選手!
しかし、ミートできず…。

ここで試合終了の笛。

1-1のドローという結果になりましたが、見る側にとっては満足度の高い90分間だったと思います。
支配率を高めてゴールを狙い続けたベレーザ。レッズも回されているのではなく、回させながら様子をうかがうしたたかさもあり、清水選手 vs 白木選手、清水選手 vs 北川選手、中里選手 vs 猶本選手など、1対1の駆け引きも楽しめました。


試合後の岩清水キャプテンの言葉は印象的でした。

「今までだったら追いつけずに負けてしまうゲームだったのかなと思うと、勝ち点1を前向きに捉えたいです」と話し、その1点を追いつけるようになった理由について

「前線に若い選手が多くて、そこが躍動してくれたらスリリングな楽しいサッカーを展開できると思います。その選手たちの自覚が、1点を追いついた形につながったと思いますし、隅田に関しては、途中から出て結果を出してくれて、途中出場の選手の役割をしっかりと果たしてくれて良かったです。若い選手たちが結果を左右すると言っても過言ではないですし、自分たちベテランというよりは、田中や村松や籾木が中心となってベレーザを引っ張っているので、その子達が結果を出してくれるように自分たち(ベテラン)がサポートして、チームを締めながらやっていきたい。(連覇に向けて)応援フラッグでも、「女子サッカーを盛り上げよう」とサポーターの方も言ってくださっているので。自分たち(なでしこジャパン)が招いた結果で、五輪に行けないというシーズンになってしまいましたけれども、こういったリーグの活気、盛り上がりが女子サッカーの発展につながると思いますし、今後のなでしこジャパンにつながっていくと思うので。リーグの1試合1試合でお客さんに感動を与えられるような試合、また来てもらいたいと思ってもらえるようなプレーをやるだけです」

その一言一言に魂がこもっていると感じさせるのは、多くの失敗・成功をくぐり抜けて来た百戦錬磨の経験に加え、人としての器の大きさもあるのでしょうね。私自身はそういう選手の言葉や考えを、少しでも伝えていきたいという思いがあります。



レッズからは、筏井選手の言葉を。

「ボールを持ったら失わない技術はみんな持っていますし、サポートも良いので。その瞬間に、相手との距離とスペースを見て顔を出せば、どんな相手も崩せる手応えはありますし、やりやすいです。北川ひかる選手はオーバーラップがいいところなので、思い切り攻撃していいクロスを上げてもらえるようにコンビネーションを高めていきたいです。(移籍の理由は)サッカー選手としてもう一つ成長したいと思っていました。その時に、環境を変えてみるのも一つの方法かなと思い、魅力的なサッカーをやっているレッズに惹かれ、移籍を決めました。(猶本)光選手は、筑波の大学院を卒業して、同じ研究室で高いレベルを求めてやっているのは知っていたので、そういう面でも、意識の高い選手たちの中で私も戦術などを勉強できるかなと思って。挑戦を楽しんでいます。私は最年長で、周りの選手にとっては強く言いづらいこともあるかもしれませんが、(試合や練習の中で)思ったことはどんどん言ってほしいと思っていました。みんな言ってくれるのでやりやすいですが、もっと言ってくれてもいいなと。それがお互いの信頼に変わっていって、お互いにプレーで認め合えれば、もっと良いプレーが生まれていくと思います。私は厳しいタイプではなく、いろんな選手の話を聞きたいですし、むしろこのチームで自分が成長していかなければいけないので。このチームはみんな若くてフレッシュな勢いがありますし、これからなでしこで中心になっていってほしい選手がいます。もっと強くなると思います。」

練習から意識して厳しく言い合うことが信頼に変わっていき、お互いにプレーで認め合う、という表現が素敵だな、と感じました。


岩清水選手も筏井選手も、選手としての自分と戦い続けながら、代表や女子サッカーの未来を真剣に考える姿勢、言葉に胸を打たれます。



他会場では、アルビレックス新潟レディース vs 岡山湯郷Belleは1-1のドロー。
ジェフ市原・千葉レディース vs 伊賀FCくノ一は0-0のスコアレスドロー。
と、今日行われた3試合6チームは勝ち点1を分け合う結果に。

来週のカードはこちらですサッカーボール

第2節(4/2、4/3)のカード

花花花花花


まだ肌寒いので、夜はちゃんこ鍋を食べに。

image

「ちゃんこ芝松」
自由が丘に本店があります。
生姜の効いたスープで身体が温まる~

おすすめメニューは、カニクリームコロッケです。

なぜちゃんこのお店なのにコロッケ?と思うでしょう?

それは私にも分からないのですが。
ちゃんこと共にお試しあれ~うしし!