第37回皇后杯決勝戦。
INACと新潟の3度目の決勝戦となったこの試合は、澤穂希選手の現役最後の試合でもありました。



INAC神戸レオネッサレオネッさ vs アルビレックス新潟レディース新潟


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澤選手の背番号「8」が掲げられた陸上競技場のスタンドはいっぱいになっていました。
晴天の下、20379人ものお客さんが入ったスタンド。
紛れもなく皇后杯最多。
感極まる光景です…。




両チームの行きの合った応援は非常に!!迫力がありましたにひひ

報道陣の数も凄かった!

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2011年、2013年に続いて3度目の決勝での対戦炎

2011年はINACが3-0で勝利し、2013年は2-2の末にPK戦でINACが4-3と勝利をおさめました。

今季のリーグ戦ではINACの2勝1敗。
レギュラーシリーズ第1戦はINACが1-0、第2戦は2-1。直近のエキサイティングシリーズでは新潟が2-0で勝利しています。


レポートの前に、前回準決勝の後の各選手のコメントです。



レオネッさ【INAC】

花澤穂希選手
「沢山の方々が会場に来てくれて、選手としては沢山の観客の中でプレーできるのは光栄ですし、来てくださった皆さんに感謝しています。私は器用な選手ではないので、泥臭いプレーとか、そういうところが自分の持ち味だと思っています。そういうプレーを出せました。なでしこに憧れて頑張っている選手達に、残り少ないですけれど全力のプレーを見せたいと思います」

花中島依美選手
「絶対に勝って笑顔で終わりたいです。最後は澤選手が点を決めて勝てれば最高です」

花大野忍選手
「(ゴールについて)他の選手もこの試合が最後になってしまうかもしれないという意味では、いろんな選手に対しての思いもあったので嬉しかったです。すべての選手がやりきったと言えるように、チーム一丸となってあと1試合戦いたいですし、優勝という形で終わりたい。澤選手が決めてくれれば一番良いですけれど、澤選手を輝かせるために周りの選手がどう頑張るかということだと思います」



新潟【新潟】

花上尾野辺めぐみ選手
「(代表で長くやってきた澤選手の存在について)ポジションも近いですし、すごくお手本になる存在でした。プレー以外のところも見習わなければいけないなと思っていました。でも、新潟は空気を読まないのが得意で、そういう試合も多いので。今回の決勝戦でもそういうところを見せたいと思います。今大会はゴールに近いところでプレーして、ゴールに絡みたいということをすごく感じています。チームとしてボールの奪いどころが徹底できているので、スムーズに攻撃に移れている。観客の皆さんに見て楽しんでもらえたらすごく嬉しいですし、力になります。決勝戦では一層観客を楽しませるプレーを見せたいと思います。今年こそは手が届きそうなところにあると思いますし、三度目の正直。なんとしても優勝を目指したいと思います。(今大会で退任が決まっている)能仲監督のためにも勝利して、胴上げをしたいです」

花渡辺彩香選手(昨年までINACに所属)
新潟に来てからは仕事もしていますし、仕事の方達や、サッカー以外での支えもすごく力になっています。(同じ舞台を違うチームで)2年前にやった時は、アルビのサポーターの応援がすごかった印象で、それが今度は味方になるのが心強いですし、相手がINACということでや気持ちも入ります。能仲監督は良い時も悪いときも使ってくれたことに感謝しています。恩返ししたいです。(澤選手のラストマッチでもあります)寂しい思いもありますけれど、こういう舞台に決勝戦で行けるというのは選手としては一回しかないので。澤さんは持っているでしょうけど、しっかり負けないように。今シーズン、新潟に入ってからはアシストしかしていないので。試合を決めるような仕事がしたいです」


スタンドにはドイツ・女子ブンデスリーガのSGSエッセンで活躍するの安藤梢選手と、フランス・モンペリエで活躍する宇津木瑠美選手の姿もありましたにひひハート



両チームのスタメンは以下。


【INAC】
    高瀬愛実  大野忍
中島依美         川澄奈穂美
    澤穂希 伊藤美紀
鮫島彩 田中明日菜 甲斐潤子 近賀ゆかり
       海堀あゆみ



【新潟】
    大石沙弥香 山崎円美 
上尾野辺めぐみ        佐伯彩     
   阪口萌乃   山田頌子
小島美玖 中村楓 北原佳奈 左山桃子
      福村香奈絵



試合はキックオフから両チームの激しい闘志がぶつかり合う展開に。
先に主導権を握ったのは新潟。
ピッチを広く使い、特にサイドのスペースを積極的に使ってクロスをどんどん入れます。
しかし、INACも集中した守備でペナルティエリア内ではボールを触らせません。


2分 新潟 中盤で山田選手が縦パスを入れますが、これは澤選手がカット。
5分 INAC 澤選手からのパスに抜け出した中島選手のシュートは新潟DFが身体を張ってクリア。

球際にはしっかりと寄せつつ、全体のバランスを崩さないような守備で様子をうかがいつつ攻撃を仕掛ける、一進一退の攻防、駆け引きが続きます。

INACは澤選手と伊藤(美)選手が絶妙のバランスで上下のポジションを取ってパスの潤滑油となり、新潟は左の上尾野辺選手と中盤の山田選手が攻撃をつかさどります。


20分 INAC 澤選手の縦パスを受けた大野選手が左サイドで粘り、澤選手がゴール前まで上がって川澄選手へ。川澄選手がキープして落としますが、新潟が身体を張ったクリア!


23分 新潟 分厚い攻撃を仕掛けます。
サイドチェンジを繰り返しながらINACを揺さぶり、最後は左山選手のクロスに小島選手が空中戦に競り勝ってヘディングで飛び込みますが、海堀選手が正面でがっちりキャッチ。

24分 INAC 右サイドから仕掛け、最後はオーバーラップした近賀選手が抜け出しますが、クロスは阪口選手が身体を張ってクリア。

29分 INAC 鮫島選手が左からスピーディーなドリブルで仕掛け、中に切れ込んで自らシュート!
しかしこれはGK福村選手の正面。

30分 新潟 山崎選手と大石選手がゴール前でワンツー。最後は山崎選手がシュートを打ちますが、浮いてしまい枠の上へ。


35分 新潟 上尾野辺選手が右からのボールをダイレクトで前に送ると、トップスピードで走り込んだ山崎選手へ。絶妙なトラップでおさめますが、一足先に近賀選手が足を出してクリア。

39分 INAC 左サイドで川澄選手から鮫島選手へと縦につなぎ、走り込んだ中島選手がペナルティエリア内で抜け出しますが、新潟がクリア。

42分 INAC 澤選手から裏に抜けた鮫島選手へ。GK福村選手がタイミングの良い飛び出しでキャッチ。

44分 INAC 右からのクロスに中島選手が飛び込みインサイドで合わせますが、福村選手が弾きます。再び中島選手が詰め、ゴールラインを割りそうにも見えましたが、新潟DF陣が身体を張ってクリア!


ここで前半終了。

どちらも同じぐらいのチャンスを作りながら、守備でも気を抜かず、スコアレスで後半へ。1点が勝負の行方を左右しそうな緊張感溢れる展開でしたが、ミスも積極的にチャレンジした結果のものが多く見られました。


45分 新潟 中盤でボールを上尾野辺選手が奪うと、山崎選手が裏に抜け、中へグラウンダーのクロス!左山選手がフリーで走りこんでいましたが、タイミングが合わず。
 
49分 新潟 左サイドのスローインから山崎選手の落としを大石選手がダイレクトでシュート!ボールは浮いてしまい枠を捉えず。


52分 INAC 右サイドを攻め、近賀選手のクロスに大野選手が飛び込みますが、高さが合わず。

61分 INAC 伊藤(美)選手が裏へのスルーパス。受けた川澄選手のグラウンダーのクロスに大野選手が飛び込みますが、タイミングが合わず。

64分 新潟 阪口選手のミドルシュートはゴールの左へ。


69分 INAC 高瀬愛実→増矢理花
71分 新潟 山崎円美→渡辺彩香

76分 澤選手からの縦パスに増矢選手が抜け出し、スルーパス。走り込んだ大野選手のシュートはクリアされますが、ここでCKを獲得。


そして…

78分 INAC CKで川澄選手のクロスに澤選手がヘディングで合わせてゴーーーーーール!!!サッカーボール1-0


今日、INACのCKは澤選手に合わせる狙いを再三見せていましたが、この舞台で決める勝負強さには思わず誰もが「(澤選手)持ってる…」と口走ったことでしょうにひひ



79分 新潟 佐伯彩→川崎咲耶


89分 新潟 裏に抜けた渡辺選手にロングパスが通り、渡辺選手のクロスを2人がスルー。最後は上尾野辺選手がシュートしますが、ボールは浮いてしまい、枠の上へ。


最後の新潟のPKが外れると、間もなく試合終了の笛。


両チームとも一歩も譲らない、緊張感溢れる90分間でした。
一つのミスが明暗を分けそうなほど、何かが起こりそうな雰囲気がずっと漂っていましたが、その「何か」は、78分の澤選手のゴールだったのかもしれません。


INACは2年ぶりの優勝で女王の座に返り咲きました王冠王冠王冠


クイーンのゴールという美しい結末と共にフィナーレを迎え、試合後のピッチでは澤選手がチームメートの胴上げで宙に舞いました花


試合後、松田監督は「最後に決めるところは本当に持っているなと。常に全力でやってきた結果だと思います。本当にご苦労様でした」
と。


ヒロインインタビューは澤選手が、
「現役最後の試合でこういうかたちで得点を取れたことを本当に嬉しく思います。来年もまたグラウンドで走っている感じもしますけれど、最後を最高のチームとメンバーとスタッフで迎えられたことを嬉しく思います。これからも女子サッカーが輝かしい場所であるように、ひとりでも多くの方に応援してもらえたらと思います。これからも日本女子サッカーをよろしくお願いします!」
と、最高の笑顔を見せていましたあっ

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また一つ、歴史に残る大会になったのではないでしょうかなでしこ