日テレ・ベレーザ vs INAC神戸レオネッサ@Shonan BMWスタジアム平塚(神奈川県)

毎年熱戦が繰り広げられる「L・クラシコ」。
冷たい雨がしとしとと降り続く中での試合となりましたが、水はけの良いグラウンドで水たまりができることもなく、最終節にふさわしいハイレベルなゲームが見られました。


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前節、5年ぶりのリーグ優勝を決めたベレーザの森栄次監督は、「優勝して気持ちに余裕はできたけれど、負けても良い試合は一つもない」と、有終の美を飾るべく気を引き締めて臨む一戦。
得点女王争いではFWの田中美南選手がジェフの菅澤優衣香選手に次ぐ2位につけており、「ここまで穫らせてくれたチームメートのためにも、得点女王という形でチームの良さを証明したい」とゴールに貪欲な姿勢。GKは曽山選手が今季初出場。最後の最後までポジション争いの激しさを感じさせます。


【ベレーザ】
        田中美南
        上辻佑実
長谷川唯             中里優
    原菜摘子 阪口夢穂
 有吉佐織 村松智子 岩清水梓 清水梨紗
       曽山加奈子


一方INACの松田監督も、今季まだ一度も勝てていないベレーザに対し、なんとしても勝ちにいくと明言。前節は6試合ぶりの勝利を上げて、負のスパイラルを抜け出したようにも見えましたが、松田監督は「1試合では分からない」と気を引き締めていました。
先発メンバーは前節と変わらず、2トップは増矢選手と高瀬選手のコンビ。

【INAC】


     増矢理花 高瀬愛実
中島依美            川澄奈穂美
      伊藤美紀 澤穂希
 鮫島彩 田中明日菜 甲斐潤子 近賀ゆかり
        海堀あゆみ



前半は、ベレーザが前から積極的な守備からの攻撃でペースを掴みます。守備から攻撃への切り替えは早く、細かいショートパスを繋ぎながらも、ゴールに向かうスピードが早く、奪った5秒後にはゴール前に迫るほど。ボランチの阪口選手と原選手がセカンドボールをことごとく拾って捌き、両サイドバックも高い位置を取って攻撃参加。完成度の高いサッカーを見せます。

しかし、INACも連携面の人の流れやボールの流れといった流動性こそベレーザに上回られるものの、球際では一歩も引かず、ゴール前でも身体を張って弾き返します。
ボールが外に出ることが少なく、見応えのある攻守が続いて目が離せませんでした。

その結果、試合はベレーザが一方的に押し込み、シュートまでいく展開が続くものの、スコアは動かず。

セットプレーでは、「去年と違うところ」と森監督も自信を見せる、上辻選手の存在が光ります。正確なキックに阪口選手が飛び込む形で何度も惜しいシーンを作りますが、ここもINACは全員で身体を張って凌ぎます。

雨が強くなってきたこともあり、ベレーザは村松選手や長谷川選手がミドルシュートを放つなど、攻め方を工夫してゴールに迫りますが、枠を捉えるシュートは海堀選手が鋭い反応で弾き出します。

43分、INAC 川澄選手のCKに澤選手がヘディングで合わせますが、ボールはバーに当たってゴールならず。

44分 ベレーザ 後方からの(岩清水選手の?)強めのパスを受けた田中(美)選手が鋭いターンから強烈なシュートを放ちますが、シュートは枠の右へ。ゴールを決める際は「ほぼ感覚で打つので、自分でもびっくりするようなシュートを打つこともある(し、逆に簡単に決められるシュートを外してびっくりすることもあります…)」と謙虚に話していた田中選手ですが、試合を通じて、シュートまでの一連の流れは得意な「形」をいくつも持っているストライカーという印象でした。

HT ベレーザ 上辻佑実→隅田凛

後半もベレーザが押し気味に勧め、INACもカウンターからチャンスを見出しますが、ベレーザは奪われたらすぐに人数をかけて奪うことを徹底していました。

55分 INAC 増矢理花→大野忍

57分 INAC 中央で奪い、カウンター。大野選手→川澄選手→高瀬選手とつなぎますが、ベレーザは村松選手が一足先にボールの落ちる場所を読んで対応。「1試合ごとに成長して、どんどん良くなって行った」(解説・矢野喬子さん)という村松選手の落ち着いた対応は試合を通じて光っていました。

63分 ベレーザ CKの場面で、海堀選手が弾いたボールがINACの選手の背中に当たって跳ね返り、阪口選手が飛び込んで1点という場面でしたが、海堀選手が咄嗟にパンチング。コーチングの声も頼もしい海堀選手ですが、1試合のうちに驚くような反応やセーブが必ずあります。

71分 INAC 自陣ゴール前で澤選手が奪って伊藤(美)選手が前方へのロングフィード。右サイドのタッチライン際で受けた高瀬選手が前へ蹴り出すと、トップスピードで走り込んだ川澄選手がダイレクトで中に送ります。そこに走り込んでいたのは、大野忍選手。完璧な形でカウンターが決まったようにも見えましたが
、これはオフサイドの判定。

72分 ベレーザ 田中(美)選手がゴール前で受けるとDFを背負いながら右サイドの角度のない一からシュート。ボールはゴールを横切りますが、中の選手には合わず。
直後には、阪口選手が右サイドの清水選手に展開し、清水選手の低くて速いクロスに田中(美)選手が頭で合わせますが、ゴールの左へ。

77分 ベレーザ 清水選手のクロスがファーサイドに流れ、走り込んできた長谷川選手がミートしたミドルシュートがバーを叩きます。

77分 INAC 伊藤美紀→伊藤香菜子
79分 ベレーザ 中里優→荒川恵理子

攻めるベレーザは何度もINACゴールに迫りますが、危険な場面は中盤の澤選手がカット。「DFが指示しなくても、いいところに必ずいてくれる」(矢野さん)というコメントは印象的でした。

84分 ベレーザ 田中(美)選手がゴール前で受けると強引に左回りにドリブルで持ち込み、DFに身体を当てながらシュート!強烈な弾道が逆サイドのポストを掠めますが、ネットを揺らすことはできず。
84分 INAC 高瀬愛実→チャンスルギ

89分 ベレーザ 清水選手のミドルシュートはバーの上へ。


ここで試合終了。最後まで攻め抜いたベレーザでしたが、ネットを揺らすことは出来ず。それでも、試合を通じたシュート数は20(ベレーザ)対3(INAC)と圧倒。その攻撃の多彩さや駆け引きの上手さは女王に相応しいものでした。

INACもは攻め込まれた中でボールを奪う位置が低かったこともあり、なかなか攻撃のチャンスは見出せませんでしたが、ミスからピンチを招くことは少なく、特に球際の粘りはチームの安定感を示していたと思います。

他会場では、ベガルタLが浦和Lに2-1で競り勝ち、ジェフLが新潟Lに1-0で勝利したため…


エキサイティングシリーズ上位リーグの最終順位はこちらおねがい



下位リーグでは、伊賀が高槻に2-0で勝ち、湯郷ベルが埼玉に1-0で勝ったため…

最終順位はこちらニコニコ

埼玉の2部降格と長野パルセイロの昇格が決まり、高槻がノジマ(2部2位)との入れ替え戦に望むことが決定しましたビックリマーク


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このスタジアムは久々でしたが、見やすくて良いなぁお願い
次は晴れますように…


みなさんも風邪を引かないようにしてくださいねチュー


リーグは終わりましたがこれから皇后杯ですよ~照れ