なでしこリーグエキサイティングシリーズ第3節！

なでしこリーグ　エキサイティングシリーズ上位リーグ第3節

INAC神戸レオネッサ

　vs　ベガルタ仙台レディース

＠水前寺競技場（熊本）

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晴天の水前寺競技場。

熊本の大人気ゆるキャラ、くまモンも駆けつけてくれました

レギュラーシリーズ（RS）を2位と3位の上位で終えた両チームですが、エキサイティングシリーズ（ES）に入ってからはともに1分1敗。INACが3位、ベガルタが5位に順位を下げ、これ以上絶対に負けられない両チームの一戦でした。

RSから計算すると、INACは4試合、ベガルタは3試合勝ちなし。勝って勢いを取り戻すきっかけとしてもポイントの一戦に。
RS中の対戦はINACの2戦2勝ですが、1戦目が1-0、2戦目は3-4と、どちらも1点差の拮抗した好ゲームでした

INACのスタメンは…

　　　　増矢理花　道上彩花
大野忍　　　　　　　　　　　　　杉田妃和
　　　　　伊藤美紀　澤穂希
伊藤香菜子　三宅史織　田中明日菜　中島依美
　　　　　　
　　　　　　　　海堀あゆみ

2トップの一角に道上選手、右SHに杉田選手が今季初スタメンを飾り、大野選手が左サイドに入る形に（試合中はポジションは流動的に）。

仙台Lのスタメンは…

　　有町紗央里　井上綾香
中野真奈美　　　　　　　　嘉数飛鳥
　　　　佐々木繭　川村優理
高良亮子　千葉梢恵　山本りさ　坂井優紀
　
　　　　　　武仲麗依

2トップは有町選手と井上選手。
GK武仲選手、SB高良選手と坂井選手は古巣対決。

「根本に戦う気持ちがあって初めてプレーが生きるもの」と話していた松田監督。
パフォーマンスの良い11人を起用する、という方針は変えずに、「引いてブロックを作ってくる相手を崩すこと」「状況によってはブロックを作られる前に攻めきること」を課題に上げていたINACは、序盤から裏を狙います。

5分澤選手のパスを受けた大野選手が左から切れ込んでシュート。
道上選手は丁寧なポストプレーや裏を狙う献身的な動きで、攻撃の起点に。
しかし、組織的な守備でブロックを作る仙台Lに対し、効果的なパスワークと連動は見られず…

一方、仙台L　奪ってから、持ち味の縦に速い攻撃を狙います。特に、前線は今季熟成させてきたコンビネーションからチャンスを量産。

8分　仙台L　井上選手が左サイドを突破し、自らシュート！
海堀選手がクリアしたこぼれ球を中野選手が右足でシュートしますが枠の外へ。

11分　仙台L　裏に出たボールに井上選手がいち早く反応。俊足でDFを置き去りにし、GKとの1対1の決定的な場面を迎えますが、シュートはゴールの上へ。

14分　仙台L　高良選手のパスを受けた井上選手がクロス。ファーサイドの川村選手が飛び込む綺麗な形でしたが、海堀選手が飛び出してパンチングで逃れます。

21分　再び左サイドの裏に抜けた井上選手がドリブルで突破し、今度はセンタリングを選択。
中に飛び込んできた嘉数選手がダイレクトで合わせてゴール！

0-1

INACも長めのパスを使い、ブロックを崩しきれない状況でもなんとかシュートまで持ち込みますが、武仲選手のファインセーブもあり、ゴールを割れず、仙台ペースのまま、迎えた43分。

嘉数選手が井上選手に当て、井上選手が落としたボールを嘉数選手がダイレクトでスルーパス。
受けた有町選手が見事な身のこなしで一気に2人を交わし、迷わずシュート。
鋭い弾道が逆サイドネットに突き刺さり、追加点！
阿吽の呼吸から生まれた見事な連携と、有町選手らしい、高い技術とストライカーらしい嗅覚を見せつけるゴールでした

0-2

良いところなく、2-0で折り返したINACはハーフタイム、一気に2人を交代。

杉田妃和→川澄奈穂美
伊藤美紀→近賀ゆかり

右サイドで川澄選手と近賀選手が縦の関係になって右サイドを活性化し、INACに良い流れをもたらしますが、仙台も一歩も引きません。

49分　仙台L　井上選手がドリブルで2人を抜いてチャンスを演出。しかし、シュートまでは持ち込めず。

52分　INAC　CKの場面で、中島選手が蹴ったボールをニアの道上選手が角度を変えてゴール！
1点を返します

1-2

このゴールで勢いに乗ったINAC。
しかし、一つのミスが流れを変えてしまうのもサッカー。
仙台は中盤の川村選手と佐々木選手が縦の関係で攻守を引き締め、流れを引き戻します。

56分　仙台L　川村選手が2人を引きつけながらドリブル。左右に2つのパスコースを見ながら、自らシュート。強烈なミドルシュートがINACのゴールを襲いますが、GK海堀選手が弾き出します。

57分　INAC　増矢選手がゴール前で受け、アウトサイドのパスで裏の大野選手へ通すアイデアが光りますが、惜しくも呼吸が合わず。

64分　仙台L　右サイドの坂井選手のクロスを、ファーサイドの中野選手が左足のダイレクトボレー。難易度の高いスーパーボレーが決まって仙台がリードを広げます。

1-3

66分　仙台L　井上選手がドリブルでゴール前まで持ち込み、角度のない位置からシュート！海堀選手が弾き出すも、あわやというシーン。

69分　仙台　井上綾香→小野瞳
　　　 INAC　大野忍→高瀬愛実

70分　INAC　CKをニアの澤選手がインサイドで合わせますが、武仲選手が弾き出します。

72分　仙台L　ゴール前30mぐらいの位置からのFK。
中野選手のキックに合わせたのはCBの千葉梢恵選手。なでしこリーグ初ゴール！

1-4

76分　INAC　右サイドで川澄選手から高瀬選手へ。高瀬選手のクロスに増矢選手が中で合わせて1点を返します。

2-4

80分　仙台L　クロスのこぼれ球を中野選手が再びダイレクトボレー！枠の上に逸れますが、空間で合わせる技術の高さが光ります✨

81分　仙台L　嘉数飛鳥→安本紗和子

82分　INAC　澤選手から左に展開し、相手に当たってこぼれ球を拾った伊藤（香）選手がクロス。ファーサイドに走り込んでいた近賀選手がダイレクトで合わせますが、バーの上へ。

83分　INAC　川澄選手が中に切れ込んでシュート性のスルーパス。高瀬選手が触って角度を変えるものの、僅かに枠の右。

85分　川澄選手がドリブルで持ち上がり、中央の道上選手へ。スルーパスを受けた中島選手のシュートはGK正面。

アディショナルタイム　仙台L　高良亮子→田原のぞみ

終盤は追うINACが攻撃する時間が増えたものの、やはり仙台Lの守備の前に、効果的なアイデアを見せることは出来ず…。

そのまま試合は終了し、2-4で仙台Lが勝利⚽️

全体の印象としては、仙台Lの切り替えの速さと攻撃時の連動が輝いた反面、INACは攻守において連携面でぎこちなさが目立ってしまいました。

ボールは回っていても、松田監督が課題に上げていた「人の流れ」がうまく作れないまま崩され、個人技で突破されてしまい、嫌な流れを断ち切ることができませんでしたね…。

仙台LはFWの井上選手が俊足を生かし、ドリブルが攻撃のアクセントになっていました。中盤では川村選手のパス捌きと佐々木選手の危機察知力が絶妙なバランスで攻守を引き締めていました。

INACは今季初先発の道上選手が、悪い流れの中でも局面を打開するきっかけを作るべく奮闘している姿勢は印象的でした。

中々光明が見えないINACですが…

「変化のきっかけは、良くなった後に、振り返ってみて初めて分かるもの」

ということを、ある方が話していました。

これをやれば絶対に良くなるという治療法がある訳ではなく、信じてやり続け、良くなった時に、振り返って「あれがターニングポイントだった」と思えると。

目的地までの距離は分からなくても、チームが一丸となれていれば、その時は必ず来るのだと思います。

ちなみに、その「ある方」とは…

詳しくは、次回INAC TVにて