なでしこリーグ エキサイティングシリーズ第2節⚽️
抜けるような青空が眩しいサッカー観戦日和でしたね
なでしこリーグは、先週から年間順位を決めるエキサイティングシリーズ(以下:ES)に突入しています。
初戦は首位ベレーザが勝ち(勝ち点9)、2位のINAC神戸レオネッサ(以下:INAC)が引き分け(同6)で勝ち点差は3に広がりました。
勝ち点2の5位でスタートしたアルビレックス新潟レディース(以下:新潟L)は勝利(同5)で3位に。
今日の中継は、2位のINAC vs 3位新潟L@ノエビアスタジアム⚽️
両者の勝ち点差は1。
ESは5試合しかない短期決戦で、1試合の重みはレギュラーシリーズ(以下:RS)よりも増しています
そのRS終盤から3試合連続ドローを演じているINACは何としても勝って首位ベレーザに食い下がりたいところ。
新潟LはINACと最後に対戦したRS14節以降負けなし(4勝1分)で、勝てば2位浮上のチャンスがあり…
どちらにとっても重要な一戦でした
しかし、新潟は対INAC戦は2010年のリーグ開幕戦以降勝てていなく、今季RSもINACの2戦2勝。
皇后杯では2011年と2013年に決勝で対戦しているという、なかなか因縁深い対戦です。
INACはESに入ってから、「個々の選手の良さがより生きるスタイル」に切り替え、今日も前節と変わらない4-4-2。左MFの鮫島彩選手は「筋肉系の負傷(重症ではないため、回復次第復帰)」(松田監督)のためベンチ入りせず、左MFには増矢選手が入りました。
【INAC】
大野忍 高瀬愛実
増矢理花 川澄奈穂美
澤穂希 伊藤美紀
中島依美 田中明日菜 甲斐潤子 近賀ゆかり
海堀あゆみ
新潟Lは、4-2-3-1の形で、スタメンは前節と同じ顔ぶれに。
【新潟L】
大石沙弥香
上尾野辺めぐみ
山崎円美 佐伯彩
阪口萌乃 山田頌子
渡辺彩香 北原佳奈 中村楓 小島美玖
福村香奈絵
前半はどちらも守備の意識が高く、攻守がめまぐるしく入れ替わりました。
1分 INAC 左の約30メートルの位置からのFK。川澄選手がゴールに向かって巻くように蹴ったボールに大野選手が走り込んで足を伸ばしますが、わずかに合わず。
6分 新潟L 左サイドを山崎選手がドリブルで中に切れ込みながら、グラウンダーのクロス。佐伯選手を狙ったボールはわずかに合わず。
16分 新潟L 小島選手から、右サイドの高い位置をとった山田選手へ。山田選手のクロスに山崎選手が飛び込みますが、これもわずか数十センチ合いません。
このあたりから、INACは中盤の組み立て時のパスミスが目立ち始めます。
一方、新潟Lはそのミスを見逃さず、ショートカウンターがチャンスになりますが、シュートまではいけません。INACは新潟のパスの出所である司令塔・上尾野辺選手に仕事をさせません。
29分 INAC 中盤でショートパスを細かくつなぎ、相手を引きつけたところで澤選手から裏へのダイレクトパス。
これが裏をとっていた川澄選手にピタリと合いますが、オフサイドの判定。
32分 INAC 左サイドで増矢選手がドリブルで2人を引きつけてキープ。落としたボールをフリーの伊藤(美)選手が受け、ダイレクトのクロス。ゴール前の田中選手がスルーし、背後の近賀選手がヘディングで合わせますが、GK正面。
35分 新潟L 右の佐伯選手がドリブルで仕掛けて上げたクロスは中島選手が身体で止め、INACのカウンターになりかけますが、新潟L守備陣の戻りがとにかく速く
ピンチの芽をことごとく潰していました。
41分 新潟L 上尾野辺選手のロングパスを裏で受けたのは山崎選手。ワントラップからシュートを放とうとしますが、飛び出してきた海堀選手に阻まれて打てず…しかし、この空振りがフェイントになり、こぼれたボールに素早く反応した山崎選手が今度はきっちりと決めて新潟Lが先制⚽️0-1
前半アディショナルタイム INAC 大野選手が狭いスペースを突破して折り返しますが、GK福村選手が鋭い読みて飛び出しカット。
INACはシュートらしいシュートを打たせてもらえないまま、後半へ…
とにかく点を取らなければならないINACは前がかりで攻めますが、ミスが重なって決定的な流れを作れません。
47分 新潟L 佐伯選手が右でボールをカットした中に切れ込みパス。山崎選手がダイレクトで合わせますが、GK海堀選手の正面。
48分 新潟L INACのパスミスを見逃さず、山崎選手がDFの背後をつきますが、海堀選手が飛び出してクリア。
50分 新潟L 前がかりになったINACの裏のスペースを突いた山田選手の絶妙なロングパスを受けたのは、またまた山崎選手!
今度はしっかりコントロールして、海堀選手の飛び出しを交わすループシュートが決まり、貴重な追加点⚽️0-2
51分 新潟L 山崎選手のミドルシュートは海堀選手の正面。
3点を取らなけれればならなくなったINACですが、焦りもあってか、どうしても縦への攻撃が急ぎがちで変化がなくなってしまい…自らのミスが新潟Lの鋭いカウンターにつながる悪循環をなかなか断ちきれません。
54分 INAC 高瀬選手のスルーパスを受けた中島選手のシュート!しかし、これはオフサイドの判定。
55分 INAC 高瀬愛実→左SB南山千明(増矢選手がトップへ、中島選手がサイドに入り、南山選手が左SBへ)
60分 INAC 川澄選手から中の大野選手へ。大野選手はドリブルで一気にスピードアップしてスルーパス。増矢選手か抜け出してGKと1対1の場面を作り出しますが、これもオフサイド。
この時間帯からは、新潟Lは無理に攻めることなく、守備のラインを前半よりは少しずつ下げて運動量を抑えながらも、攻撃ではINACのプレッシャーを確実に交わしてつなぐ冷静な試合運び。
69分 INAC 伊藤美紀→杉田妃和
70分 佐伯選手が右サイドをパワフルなドリブルで抉りますが、INACは2枚で対応。
77分 新潟L 佐伯彩→八坂芽依
80分 新潟L 阪口萌乃→高橋悠
84分 INAC 近賀ゆかり→道上彩香
87分 新潟L 大石沙弥香→久保田麻友
相当な消耗戦の中、INACは最後まで攻めましたが、新潟Lの組織的な堅守の前に、ゴールネットを揺らせず…
⚽️0-2で新潟が勝利‼︎
全体の印象として、INACの個の技術と経験は攻撃の中で光る場面もありましたが、それ以上に新潟Lの組織力が上回った印象でした。戦い方と局面ごとの意思統一がハッキリしていて、特に、山崎選手の裏に抜ける鋭い動き出しを見逃さないパスの出し手が複数人いるのは武器ですね。
上尾野辺選手が抑えられた時には、山田選手も精度の高いパスが出せるのは強いですね!
元なでしこジャパンのチームスタッフとしてスカウティングを担当していた能仲監督。
試合中は静かにピッチを見守ることが多い印象ですが、今日は終始ピッチ脇で選手を鼓舞していました。
また、ベンチに帰ってくる選手とタッチを交わし、何かを選手に言うと(聞き取れなかったのですが)、疲れていた選手が笑顔に。その能仲監督は選手のハードワークを褒めちぎっていました。
一方、敗れて順位は3位に下がったINAC。
試合後の松田監督の言葉は印象的でした。
「ボールを動かそうとする意識は高かったけれど、人が流れず、たた繋ぐだけのサッカーになってしまいました。個人を生かそうとするサッカーの中で、それぞれの迷いや、やり切れなさも見えました。それでは、ただの型にはめたサッカーになってしまいます。ただ、判断や技術的な面以前に、負けたくないという気持ちをもっとプレーに表すことが大事だと思います。それを出させられなかった自分の責任を感じています。順位以前に、この勝てていない現状を踏まえて、残り3試合全部勝つつもりで臨みます」(松田監督)
他会場では、首位日テレ・ベレーザ(勝ち点9)と浦和レッズレディース(勝ち点1)が対戦し、レッズレディースが後半の2得点で逆転勝ち。
4位のベガルタと5位のジェフ(ともに勝ち点4)は1-1のドローで勝ち点1を分け合う形に。
ここから波乱が起きる可能性もありますし、3試合を残して、まだどのチームにもチャンスはありそうですね!
残り3試合、優勝争いの行方から目が離せません
ES下位リーグでは、埼玉が高槻を下し、首位の伊賀と2位の湯郷ベルが分けて順位は変わらず。
4位の埼玉と3位の高槻の対戦は、埼玉が後半アディショナルタイムの2ゴールで逆転勝ちを収め、埼玉が3位に浮上(4位はなでしこリーグ2部の1位と自動入れ/降格となり、3位のチームはなでしこリーグ2部の2位との入れ替え戦へ)。
こちらはホームアンドアウエーのため、残り4試合です
スポーツの秋、女子サッカーの秋を一緒に楽しもうではないですか
昨夜は実家で母の手作り晩ご飯