花「松原渓のスポーツ百景」

第30回は
書道で集中力と上半身の筋肉を鍛える


花花花花花




なでしこジャパン日本vsニュージーランドニュージーランド@香川県立丸亀競技場花




ニュージーランド(FIFAランキング18位:以下NZ)との対戦戦績は、2008年以降5勝2分0敗、17得点7失点。
2011年以降の対戦成績は、なでしこジャパンの2勝1分け。

・2011/6/27 ドイツW杯GL第1戦@ボーフム ◯ 2-1 永里(現:大儀見)選手⇒失点⇒宮間選手の勝ち越しゴールで勝利
・2013/6/20 キリンチャレンジカップ2013@佐賀 △1-1 大儀見選手⇒1点返されてドロー 
・2014/5/8 なでしこジャパンWORLD MATCH(W杯アジア予選を兼ねたアジアカップ前の最後の親善試合)@キンチョウスタジアム ◯2-1 高瀬選手⇒失点⇒菅澤選手の勝ち越しゴールで勝利

結果だけを見ると愛称の良い相手ではありますが、近年は海外でプレーする選手も増え、W杯初戦のスイスを想定した侮れない相手ニュージーランド

スタジアムは2時間前から多くのお客さんで埋まり、バックスタンドは上までいっぱいに。
夕方の強い西日がスタジアムに差し込みます夕方



{8E3B5FB2-D514-4F28-9391-FBD3AB89F574:01}



日が落ちるとスタジアムは気温が下がり、試合には最適と思えるコンディションの中キックオフサッカーボール


なでしこジャパンの新しいユニフォーム、背番号のピンクが鮮やかにピッチに映えます。
なでしこ
歴代のユニフォームの中でも個人的には好きなデザインです天使の羽(左)



スタメンが発表され、スタジアムが拍手に包まれます。
佐々木監督が「ベストの布陣」と話した11人は以下

【なでしこジャパン:スタメン】

     大儀見優季

川澄奈穂美 宮間あや 安藤梢 

   澤穂希 川村優理

鮫島彩 熊谷紗希 岩清水梓 近賀ゆかり
    
     山根恵理奈



澤選手の名前が呼ばれた際は、待ってました!と言わんばかりの大きな拍手が天使の羽(左)

これまで不動のボランチを努めて来た阪口夢穂選手が足首の負傷のため欠場し、澤選手の相棒を務めることになったのは川村優理選手。これまではセンターバックでの起用が多かった川村選手ですが、代表ではボランチで初出場。
所属の仙台では長くボランチを務め、今シーズンは得点、アシストと大活躍を見せています花
GKは三者三様でハイレベルな戦いが繰り広げられていますが、この試合では山根選手が先発を勝ち取りましたね。


NZはドイツやアメリカ、スイスなど欧米のリーグでプレーする選手もいますが、背番号10番のサラ・グレゴリアス選手はASエルフェン埼玉でプレーするFW。

小柄ながらパワフルなシュートを持っていて、先日INAC戦で途中出場で決めたセンセーショナルなゴールは記憶に新しいところですしゃきーん

試合開始とともに、NZが縦に早い攻撃を仕掛けてきます。
サイドを起点に、右サイドバックからの長いクロスや、縦へのロングパスを入れてきますが、ここは無理をせずに、シンプルに前に蹴って我慢の時間帯。

しばらくしてボールが落ち着くと日本ペースに。しかし、NZの前からのプレスは厳しく、なかなか良い形を作らせてはもらえません。

10分、右サイドから切れ込まれてシュートを放たれます。
が、危険な場面では奪いきれなくてもしっかりコースを消していました。

11分、宮間選手からのスルーパスを受けようとした大儀見選手が倒されて良い位置でFKを獲得。その後もCKやFKなど、日本のセットプレーが続き、ゆるやかにペースは日本に。

前半、日本が流れを引き寄せた一つのポイントは守備だったように思います。

危ないところで相手に厳しく寄せる澤選手の守備はこの試合でも多く見られましたが、最前線の大儀見選手、ボランチの川村選手や最終ラインの近賀選手も、ゾーンディフェンスで守りながら、取れそうなところでは厳しくスライディングでも取りきろうとする場面が多く見られました。
これまで以上に球際に戦う姿勢が表れていたように思います。

スライディング技術の高さはなでしこジャパンの一つの武器でもあるんですよね。小柄な日本が高さや強さ、スピードで劣る相手に対する一つの対策として、代表でもスライディングを集中的に取り組んだ時期があると聞いたことがあります。


攻撃では、川澄選手と近賀選手の右サイド、鮫島選手と宮間選手の左サイドなど、サイドからの攻撃でチャンスが増加。
22分、中盤の澤選手から安藤選手へのスルーパスが綺麗に通り、安藤選手のクロスは相手に当たってCKを獲得。

ここで、宮間選手の蹴ったボールに、大儀見選手と安藤選手がニアに飛び込むと、相手DFが釣られ、中でフリーになった澤選手が合わせて先制!サッカーボール
その前に何度かCKで澤選手がニアに飛び込こんでいましたが、その動きも伏線になりましたね。

その後、左サイドの宮間選手からの大儀見選手から左サイドの宮間へ。
宮間選手がダイレクトで送ったボールは大儀見選手には合わず、さらに裏に走り込んだ川澄選手にも僅かに合わず。

33分、澤選手からのパスを受けた宮間選手が左サイドで立てに仕掛けます。
この試合で、宮間選手はトリッキーなプレーを何度か繰り出して相手を驚かせていました。元々、北澤豪さんが現役時代に「技の研究所」と表現したほど、テクニックの引き出しが多い宮間選手。
その宮間選手に触発されたように、縦パスのタイミングやドリブルで仕掛ける判断など、何人かの選手は自分のアイデアを出す余裕を持ち、駆け引きを楽しんでいるように見えました

その分ミスも多かったと思いますが、積極的なミスも多かったですね


40分、川澄選手と大儀見選手の連携から、左サイドでオーバーラップした鮫島選手へ。
鮫島選手と宮間選手の縦の連携から、最後は宮間選手のクロスに安藤が飛び込んで潰れ、大儀見選手も飛び込んだものの、僅かに合わず。
42分、宮間選手が相手のラインが上がった裏をついて大儀見選手へのピンポイントクロス。しかし、トラップが大きくなってしまい、ゴールならず。

ここで前半終了。
HT 川澄奈穂美⇒大野忍 

後半2分、相手をPA内で倒してしまいPKを献上。これはハナ・ウィルキンソン選手がゴール上に外してくれて助かりましたが、コースは山根選手が完全に見切っていました。
58分、相手のFKで山根選手が飛び出したところで取りきれず、相手のヘディングが日本ゴールを襲います。完全に枠を捉えていましたが、岩清水選手が戻ってクリア!
頼もしい最終ラインの砦が魅せてくれます。
ただ、こういった場面でラインを挙げた瞬間にミスが生まれるなど危険な場面もあり、シュートを打たれるまでの一連の流れは今後の課題になりそうです。


60分、安藤梢⇒菅澤優衣香
66分、川村優理⇒宇津木瑠美

ここからはNZの猛攻が続きますが、日本はゴール前で人数をかけて阻止。

80分を過ぎるとNZにも疲れが見え始め、試合は緩やかな展開に。
リードしている日本がしっかりと試合を締め、このまま試合終了。
澤選手の決勝ゴールで日本が勝利を収めましたぽっ


90分間の印象として…
アルガルベカップで思うような結果を残せなかったなでしこジャパンですが、この試合では見違えるほど、チームとしての信頼、一体感が感じられました。
特に守備では、人数をかけて、じわじわと相手を追いつめる守備が効いていました。

ゴールを決めた澤選手はフル出場で、代表最年長ゴールを更新10

2011年W杯メンバーが11人中9人を占めたスタメンの中で、遜色なく連携を魅せていた川村選手、途中出場の菅澤選手の試合への入り方、無失点の山根選手のプレーも収穫と言えると思います


一方、佐々木監督も試合後に
「質の部分をもっと上げていきたい」
と話していたように、
パスの強さが弱かったり、ビルドアップ時の人数を前にかけた状態でのミスは課題の一つだと思います。
相手が格上になると、一つのミスが致命的になりますからね目


それでは今日の収穫、今後の課題など、ミックスゾーンでしっかり取材してきます花