花「松原渓のスポーツ百景」
第20回は
初日の出は愛車とともに
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141228-00000100-spnavido-life

花花花花花


西が丘サッカー場はほぼ満員のスタンドで素晴らしい雰囲気の中、皇后杯準決勝の2試合が行われました。

★第1戦
日テレベレーザ日テレ vs ベガルタ仙台レディースベガルタ仙台エンブ


{AE4DF818-BB3F-475F-A864-44074215AB4B:01}


今季のリーグの対戦戦績は、ベレーザが2戦2勝(第3節 2-0/第11節1-0)で勝ち越しましたが、ベガルタはこれまでの試合を踏まえたしっかりと研究した跡が見えました。


「高い技術で組み立ててくるベレーザに対し、守備をコンパクトにして、特にバイタルエリアを消しながらサイドに追い込んだ」(千葉監督/ベガルタL)

と、ベレーザのパスワークを素早いチェックと粘り強い対人守備で分断し、縦に早い攻撃でゴールに迫ります。


長身選手が多いベガルタLと、小柄な選手が多いベレーザ。空中戦や球際のぶつかり合いはベガルタに分がありました。
攻撃では小野瞳選手と2トップを組む浜田遥選手がポストプレーからチャンスメイク。ゴール前の小野選手の足にあと数センチ…という惜しいクロスや、23分には上辻選手のFKが右ポストを直撃するなど、決定的なシーンが何度かありました。

しかし、ベレーザは主導権が握れない現実をすぐに受け入れる「意識の切り替え」も速かったように思います。
「うちは小さい選手が多く、ショートパスでリズムを作るチームなので、立ち上がりからベガルタの高さとスピードで圧力をかけられた中で主導権を握られましたが、リズムが作れない時間帯をよく耐えてくれました」(寺谷監督/ベレーザ)

ボールを奪うと長谷川唯選手や原菜摘子選手がすぐに攻撃に切り替え、トラップやパスの精度の高さで先手を取り、徐々にベレーザのリズムに。
すると28分、左サイドのパス回しから、最後は長谷川唯選手がこぼれ球をGKの位置を見極めてゴール⚽️1-0
長谷川唯選手はこれで3試合連続ゴール!


失点後、べガルダは前半の豊富な運動量の反動や気落ちもあってか、それまでの勢いが半減。
1点を目指し、フレッシュな選手の投入などで打開を図りますが、なかなか意図が合いません。


後半はベレーザの攻撃がより活性化し、生まれて後半29分には籾木結花選手の左足が炸裂!
わずかにゴール左でしたが、高い個人技を見せつけます。
さらに追加点を狙うベレーザは田中美南選手に代えて山口麻美選手を投入。

そして、後半34分。
阪口夢穂選手のロングフィードに、ベガルタLのGKブリトニー・キャメロン選手が飛び出したところで、バックパスしようとしたDFと意図が合わずにオウンゴールとなり、ベレーザがリードを広げます⚽️2-0
その後も試合を丁寧に終わらせたベレーザが勝利し、決勝に進出花

「苦しい中で勝ち切ったことを評価したい」と寺谷監督(ベレーザ)が話したように、前半は持ち味を封じられながらも耐え、少ないチャンスをものにして流れを引き寄せたことが先制点につながりました。攻撃を担う若い選手達が多くの苦しいゲームを経験してきた経験値も生きているのではないでしょうか。
ただ、決勝に向けた意気込みについて寺谷監督は
「昨年、今年と2年連続リーグ戦2位になりましたが、どちらも首位と競った末の2位ではありませんでした。ここ一番という大事な試合や、天王山というような試合を経験していない中で、決勝戦はどんな試合を見せてくれるのか私にも分からないのですが、勝負どころでの強さを見せていきたいです」

と。
強い時のベレーザのサッカーは十分優勝に値するものだと思います。最後のワンピースは、寺谷監督の言葉によると、メンタリティなのかもしれません。


一方、敗れたベガルタは、運動量が多く押し込んでいた前半に決めておきたいところでしたね。
「前半はプラン通りの戦いが出来た中で、ちょっとした隙を突かれてしまった」(千葉監督)
監督は敗因として、
・奪ってからボールを大事にし過ぎたこと
・効果的なクサビのパスが入らなかったこと
・後半、足が止まってミスが増えたこと
を挙げていました。
チームとしての一体感は十分なだけに、来年はリーグ戦からさらなる飛躍に期待したいところですcandy☆


★第2試合
浦和レッズレディース浦和 vs ジェフユナイテッド市原・千葉レディース?



{2866BB79-76AE-4666-B7CD-4B40350D3910:01}



今季リーグの対戦戦績は、浦和が3勝1分(第8節 1-0/第16節0-0/EL3節2-1/EL7節2-1)で勝ち越し。
リーグ女王の浦和は、リーグ戦や国際女子クラブ選手権などを通してメンタル的にも強さを増し、貫禄を感じるようになってきました。


一方、ジェフは前節で昨年の優勝チームで4連覇を狙ったINACを破り、ベスト4に進出。
チームのカラーでもある「走り」は健在。守備のラインは高く、「飛び込まないけれど縦には入れさせない」という絶妙の間合いで、レッズLは慎重な攻撃を余儀なくされます。

そんな中で拮抗した展開が続くと、徐々にジェフペースに。特に、左サイドの深澤里沙選手とトップの筏井りさ選手の連携からの崩しが効果的に機能していました。
43分、ゴール前で川村真理選手→菅澤優衣香選手とつながり、菅澤選手がノーステップで振り抜いた左足のシュートはわずかにゴール枠の左へ。
ジェフは押し気味に進めながらもゴールを奪えず、前半はスコアレスで後半へ。

「ジェフは高いラインでコンパクトに守り、裏も簡単に狙わせてもらえませんでした。清家(貴子)の投入がポイントだと思っていた」(吉田監督)
というレッズLは後半、右サイドに吉良選手をスライドし、清家貴子選手を後藤選手との2トップに。


すると、後半19分。
CKに堂園彩乃選手が合わせ、ついに均衡を破ります‼︎⚽️1-0


1点を追うことになったジェフですが、後半も運動量が落ちることなく、人数をかけた攻撃で互角以上の戦いを見せます。
が、あと1歩のところでレッズLの身体を張った守備に跳ね返されます。
失点の直後には右の安斎選手がドリブルで突破し、クロスに菅澤選手が合わせますが、ゴールラインまであとわずか。


後半24分にはスーパーゴールが生まれました。
右サイドで相手のクリアボールを拾った清家貴子選手がドリブルで突進。
角度のない位置からゴール左隅に流し込み追加点‼︎⚽️2-0
清家選手はその4分後にも、GK池田選手のゴールキックから生まれたカウンターで、相手GKが飛び出してきたところを見逃さずに流し込み⚽️3-0

その後は前がかりになったジェフの裏のスペースを突き、清家選手が2度の決定的なシーンを作ります。
決まっていれば途中出場でのハットトリックという快挙。会場も沸きました。

吉田監督の読みの鋭さと共に、今季、スーパーサブとして途中出場し多くのゴールを決めている清家選手の頼もしさがより一層感じられた瞬間でしたしゃきーん



ジェフはアディショナルタイムにCKから、菅澤優衣香選手が打点の高いヘディング!最後は深澤選手が押し込んで1点を返しますが…反撃もここまで。

浦和Lは交代した選手たちがそれぞれに迫力を見せ、サブの選手も含めたチーム力の高さで決勝進出花


決勝に向けての吉田監督のコメントは少し意外な気もしました。

「ベレーザは我々よりも力はあると思っています。今季はリーグで一番強いチームだと思ってきました。決勝戦は苦しいゲームになると思いますが、粘って粘って、相手の良さを消しながら勝利を引き寄せたいです」

とコメント。
自分たちのサッカーへの揺るぎない自信を感じさせ、国際女子クラブ選手権でも、強豪相手にも自分たちのスタイルを貫いてきたようにも見えますが、どんな試合でも相手へのリスペクトを欠かさなかった結果が、今の粘り強いメンタリティーに繋がっているのでしょう。


一方、敗れたジェフの三上監督は、
「今季は攻撃面で面白さを見せられたと思います。一方で攻撃に比重がかかり過ぎたことで、今季の大量失点にも繋がってしまったので、来季は攻守のバランスを整えていきたい」

とコメント。
3-1と点差は開きましたが、今季は菅澤選手、深澤選手、筏井選手らベテランと安斎選手ら若手攻撃陣が融合し、迫力ある攻撃が印象的でしたcandy☆


勝利し、決勝に進んだベレーザとレッズLに共通して見えたのは、試合の流れによって今すべきことを的確に判断し、共有できる戦術眼とチームワーク。
そして、粘り強いメンタリティ。

今季のリーグ戦を象徴するような、若い選手達が中心となった2チームの決勝戦が非常に楽しみです!ラブ



皇后杯決勝戦サッカー 天皇杯

2015年1月1日 14:15~@味の素スタジアム
日テレ・ベレーザ日テレ vs 浦和レッズレディース浦和