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なでしこリーグ第12節
INAC神戸レオネッサレオネッさ vs 岡山湯郷Belle岡山
なでしこリーグ史上初の沖縄開催試合は盛り上がり、心に残る1日になりましたハイビスカス



会場の南城市陸上競技場は、この日のために作られた観客席で、INACのキャンプの時とは違った雰囲気に。
沖縄での試合やキャンプというと、INACの選手はみんな喜ぶそうです。
INACにとって、キャンプやプレシーズンマッチを行っている沖縄は特別な地であり、もう一つのホームなんですね。


その沖縄から、なでしこリーグに挑戦するチームが生まれました!!
2015年になでしこリーグに3部リーグが誕生するため、6チームの新規参入枠の募集があるそうで、そこに挑戦するチームですしゃきーん

会場には多くの子供達が集まり、ジャージ姿の中学生や高校生の姿も。
INACが沖縄で合宿をするようになった2年前から、確実にサッカーに興味を持つ女の子達の数が増えているのを実感できました。


それにしても…。
ただでさえ昼の暑さは厳しいですが、沖縄の暑さと日差しは別格ですね!!うはー!

キックオフは16:00でしたが、ピッチの気温は35度、湿度は60%近く、選手にとっては過酷なコンディションでした。
ただ、大雨でも、真夏でも、この2チームの対戦を振り返れば、緊張感のあるゲームばかりでした。

今日も90分間めまぐるしく攻守が入れ替わる白熱したゲームにサッカーボール

2位の湯郷と4位のINACの勝ち点差は6で、1位から6位まで、1試合で順位が入れ替わる混戦となっているだけに、どちらにとっても勝ち点3が大きな意味を持つ重要な試合。


前半5分、増矢選手がファーストシュートを放つと、試合は一気に動きはじめます。

15分には、湯郷が直接FKの場面。
宮間選手が蹴ったボールは赤と白のユニフォームがひしめき合う中を縫うようにバウンドしてネットを揺らします。
早くも湯郷が先制!!
サッカーボール0-1


しかし、INACも右サイドバックに入った三宅選手が果敢なオーバーラップから何度もチャンスを作り出します。
33分のクロスは、飛び込んだ田中陽子選手が右足に当てる完璧な形でしたが、角度が合わず僅かにゴール左…

41分には、再び三宅選手のクロスに高瀬愛実選手がダイビングヘッドでアクロバティックかつ美しい流れのゴールを決めますが、これはオフサイドの判定…。


シュート本数はINACが上回っていましたが、湯郷はカウンターに迫力があり、シュートは正確にゴールの枠を捉えます。現在行われているワールドカップでも、こういう手に汗握る試合が多いですよね!!


湯郷が1点リードで迎えた後半はINACペースに。

そして、後半9分、左サイドの田中陽子選手が縦へのドリブルでマークを振り切り、クロス!!
速いボールに合わせたのは高瀬愛実選手でした。
ボールの質も良かったのですが、受ける時に完全フリーになっていた高瀬選手の動き出しとマークを振り切る動きは特に素晴らしかったです。
これで高瀬選手は得点ランクトップの11ゴール目。
サッカーボール1-1



この後も一進一退の流れが続きますが、試合を決めたのは、この人でした。


後半24分。
CKで宮間選手のボールに合わせたのは松岡実希選手!
こちらも、今季10得点目でエースの存在感を見せつけます。
サッカーボール1-2

前半からハイペースでしのぎを削ってきた2チームだけに、さすがに後半は運動量が落ちましたが、それでも守備に徹することなく攻め合うサッカーは、2000人を超えるサポーターを大いに沸かせていました。


試合はこのまま終了し、湯郷が勝利!
湯郷は中盤の守備と決定力が今季のなでしこリーグで際立っていますね。

一方、サイド攻撃を中心に多くのチャンスを作ったINACは最終的に打ったシュート本数は湯郷の8本に対して21本とチャンスの数は圧倒的に多く、内容的には悲観すべきものではなかったように思います。



試合後、澤選手と宮間選手から、新しく参入する沖縄のチームに激励のメッセージ天使の羽(左)


「一つでも多く女子のチームがなでしこリーグに参戦するのは良いことだと思いますし、女子サッカーの底辺を広げるためにも、今後の女子サッカーの発展にも沖縄にチームが増えることはいいことだと思います。試合に勝つというのは難しいことですけれど、負けることや失敗を恐れずに、積極的にチャレンジしてほしいです」(澤穂希選手)


「Jリーグのように、日本全国になでしこリーグのチームができて、『私の街のチーム』というようなチームがたくさんできたらいいなと思いますし、早くなでしこリーグに上がってきてもらって、一緒にサッカーがしたいです。(会場に子供達が多かったことについて)やっぱり子供達に取ってサッカーは楽しいものであってほしいと思いますし、ただ、大人になるにつれてもっともっと厳しくなるというところも肌で感じてほしいと思っています」」(宮間あや選手)


2人のようになりたいと目を輝かせていた観客席の少女達の中から、沖縄初のなでしこジャパン選手が生まれる日もそう遠くないかもしれませんねハート