愛娘ほのぴが
か細い声で
「ゲンキが…死んじゃった」
ゲンキとは
ほのが友達からもらって来たクワガタのオス。
毎日ムシカゴに話し掛けたり
挨拶をかかさなかったほの。
昨日まで動いてたのに
見てみたら
木のカケラの下でひっくり返って動かない。
死んじゃったかぁ…
私がそう言うと
目にいっぱい涙をためて
ぐーーーっと我慢しているほの。
そのうち涙がこぼれて
うわぁーーーーっっ
と
大声で泣き出した。
壁に突っ伏して
ずっと泣いていた。
一昨年も
その前の年も
クワガタやカブトムシを飼っていて
それが死んだ時
感情を表すこともなく
普通に埋めていたのに
あんなに泣いたのは
今年が初めてだった。
初めて命の終を実感したんだと思う。
ほのを抱きしめながら
私もつい涙が出たけど
仕方のないことだけど
命が終わるってこういうことなんだよ。って
命は大切で代わりがないものなんだよ。と
それに涙が流せるほのは成長したってことなんだよって
だから命を大事にするんだよって
私なりに伝えました。
10分後には元気にタコ焼き食ってましたけど
我が子の成長を
またまた実感した夏です。