この和多津美神社の特徴の一つに、5つの鳥居が海(浅茅湾=あそうわん)に向かって
一列に並んでいることです。なんで?と言われても、「さぁ~?」と答えるしか・・・
ただ、この方向なんですが、誰も疑問に持たないのですね。下のGoogle地図を見ると、
あれ?方向が北西方向に並んでいます。すなわち、本殿も同じように北西を向いています。
あまり北西の方向に向いた神社は日本で見ることができません。(普通は、「君子南面す」で、南
向いているのが普通です。)色々とネットで検索しましたが、わかりませんでした。不思議ですね。
もう一つ、この和多津美神社の裏にはご祭神の豊玉姫のお墓があるのです。エエエエェェェと
言いたくなります。神様のお墓なんて、、、まぁ~本殿の裏を通って行って見ましょう。
嵐の後なので、下に注意しながら進みますと左手に大きな岩が転がって?います。どうも
宗像大社の沖津宮にみられる岩上祭祀と同じような古代の祭祀跡のようで磐座が鎮座します。
その磐の前に丸い石が置かれ「豊玉姫之墳墓」と彫られています。この丸い石が無ければ、
岩上祭祀跡として価値はあるのですが、観光用でしょうか?
まったく持って、ガックリとしていまします。和多津美神社のある土地の地名が豊玉町、そして
神社自体は延喜式の式内社に比定されています。
さらにもう一つ、境内に入る左手の池のようなところ(満潮になると、海水が入る)に鳥居を
三柱合わせた(上から見ると正三角形になる)ものがあります。この鳥居の下に小さな岩が
重なったように祀られています。この岩が磯良恵比須という磐座のようです。
この三柱(みはしら)鳥居は、小生の知っている限りでは京都の右京区太秦に近くにある、
アマテル系の神社の一つである木嶋坐天照御魂神社(蚕ノ社)の境内にあります。この場合の
解説は簡単なものでは、京都の土地柄から水が良く湧いているので、両方から左右から
湧いた水が真ん中で一つになり、川となって手前に流れ出すためにY字型に鳥居が建って
いるのです。
しかし、この磯良恵比須の場合は説明ができません。不思議ですね。いつ頃からこの
三柱鳥居があったのでしょうか?
ささっと対馬を廻りましたが、朝鮮式の石垣に山城や住吉神社、海神神社など見どころが
まだまだありますので、次回はレンタカーでも借りて廻りたいと思います。
※アマテル系の神社について:「神社って面白いやん =2= ご神体とご祭神」
※写真上は、上空から見た和多津美神社(Googleより)
※写真中の上は、和多津美神社の鳥居 2016/05/03
※写真中の下は、岩上祭祀があったと思われる磐座と豊玉姫之墳墓 2016/05/03
※写真下は、磯良恵比須を祀った三柱鳥居 2016/05/03
※写真下の下は、京都・木嶋坐天照御魂神社の三柱鳥居 2016/01/07