さて、厳原港を後にして、ツアーバスは対馬の中央を縦断する国道382号線を北上し、
韓国展望台へと向かいます。山また山なのでアップダウンがそこそこあります。途中、
島の西側にある対馬一宮の海神神社を見ながら道の駅で休憩。
さらに北に進み国道から離れ、少し行くと韓国展望台があります。がっ、当日は暴風雨
警報が出る悪天候でなにも見えず!すぐ手前にある、海栗島(うにしま)の航空自衛隊
レーダー基地しか見えません。天候が良ければ夜、釜山の夜景が手に取るように
見えるそうです。
展望台には、日本語の他に韓国語での説明が書かれていますが、自衛隊の基地を
日本人以外の観光客に見降ろすように見せるのは、なにか違和感があります。中国人
観光客なども来ていると言うことですから、おかしな話ですね。
展望台を離れて、今度は一気に南下します。嵐が酷くて、バスの窓からはなにも見え
ません。天候が良いと海岸線は、リアス式なのでとても綺麗とのことですが、最悪!
島の中央部東側にある和多津美(わたづみ)神社までくると、やっと嵐も収まり、なんとか
バスを降りて参拝することができました。普通、「わたつみ」と言うと「海神」とか「綿津見」と
書くのですが、なぜ「和多津美」と表記するのか、わかりません。
ご祭神は、邇邇藝命と木花之佐久夜比売の間にできた、三兄弟の一番弟、すなわち
山幸彦である彦火々出見尊(=火遠理命(ほおりのみこと))と豊玉姫の夫婦神になります。
この夫婦にできた子供が、鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)で、玉依姫と結婚し
神武天皇(神日本磐余彦尊)を産むことになります。
豊玉姫と玉依姫は、豊玉彦命の娘で姉妹なんですが、この豊玉彦命がややこしい。
豊玉彦命をWikipediaで調べても、綿津見神として出てくる。綿津見神・・・じゃぁ~どこに
出てくるかと言えば、伊弉諾尊が黄泉の国から逃げ帰って、禊ぎをした時に住吉三神と
一緒に生まれた神で、底から順に底津(そこつ)綿津見神、中津(なかつ)綿津見神、
上津(うわつ)綿津見神の三神になり、称して綿津見神と言うことで???ですね。(笑)
綿津見神は海の神様として、海神とも書かれていますが、その後に生まれる素戔嗚尊が
伊弉諾尊から、「汝命者 所知海原矣 事依也」と海を治めなさいと言われているので、
同一神と議論を呼んでいますが、あくまでも物語なので、議論するもんではないと、、、(笑)
※写真上は、韓国展望台から見える自衛隊基地 2016/05/03
※写真中は、自衛隊のレーダー 2016/05/03
※写真中の上は、この季節に見れる「なんじゃもんじゃ」の花 2016/05/03
※写真下は、和多津美神社の本殿(伊勢神宮と同じく掘立柱があり神明造) 2016/05/03