熊野三山と言えば、「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」を言う
のですが、ここで「おかしい」と気が付く人は、神社通(別名、神社オタク)と
言えます。
そう、そうなんです。「山」が付くのは「山号」、すなわちお寺さんなんです。
前の二つは、延喜式神名帳に記載があるのですが、「熊野那智大社」だけは
記載がありません。なぜだ?と言うことは、想像するからにその当時は、神社
としての形は無く、那智の滝そのものをご神体として祀る、原始神社の形態
だったのであろうと思います。
後に仏教が入ってきてお寺ができ、神仏習合の山岳信仰の場として神社が
建てられたと考えて間違いなさそうです。ですから、現在の場所に再建される前
には、滝の前にお宮があった(現在は、飛瀧(ひろう)神社)らしいのです。
主祭神は熊野夫須美大神と言って、産土神と思うのですが、なんと伊耶那美命と
同じとな?本地が千手観音菩薩だから、女性神なんでしょうね。ようわからん!
那智の滝が133mあるので、石段も133段あるとか、、、そんなアフォな~(昔は
メートル法と違うやん)石段を進んで、左右に別れる道があり、左手には鳥居が。
右手に行けばお寺の山門があります。皆さんと一緒にお寺のほうに!鳥居には、
「那智山熊野権現」と書かれています。
よく聞かれるのが、「権現」と「明神」の違いや意味ですが、「権現」は神仏習合の
ときに神様は仏様の仮の姿であるという本地垂迹説のときに神様を言い表した
ことば。複数の神様を呼ぶときは、その数によって「三所権現」「六所権現」と
言われます。熊野では12の神様を一度に「熊野十二所権現」と言っています。
「明神」とは、同じようなものですが、特に霊験あらたかな神様の総称として
「稲荷大明神」とか言われ、現在では、阪神の代打の神様だった八木選手を
「八木大明神」と称したように、名前+明神として使われています。あははは・・・
※写真上は、石段の途中でツアーに同行の先達が待つ 2016/09/15
※写真中は、石段途中にある鳥居には那智山熊野権現の扁額が 2016/09/15
※写真下は、青岸渡寺境内から見る那智の滝 2016/09/15
※写真下の下は、那智大社の拝殿の扁額には「熊野大権現」が 2016/09/15