楢神社や夜登岐神社の本殿が、春日大社の本殿の払い下げと以前に書き
ましたが、これを「春日移し」と言うそうです。勉強不足でした。
皆さんもご存知のように春日大社は今年(平成28年)、第六十次式年造替が
行われ、昨年からいろいろと行事が執り行われています。伊勢神宮の場合は、
ご遷宮で本殿の位置を変えて新しい本殿を建てるのに対して、造替は同じ
場所での造り替えとなります。
そこで、以前の本殿は、多くの神社に払い下げられたのですが、明治時代に
入って春日大社の本殿が国宝となると、払い下げができなくなりました。
摂末社は大丈夫と言う事で、今回も摂社である御蓋山(みかさやま)頂上に
鎮座する本宮神社が払い下げられました。この本宮神社は、禁則地なので
存在すら知りませんでした。
摂末社でも、「春日移し」と言えるのかは不明です。新聞やテレビでも報道された
ので、ご存知の方も多いと思います。
で、今回は弥勒磨崖仏(まがいぶつ)がご本尊と後醍醐天皇の元弘の戦乱で
有名な京都府の笠置寺の境内社である春日明神社に移されました。お寺に
移されるって、まだ奈良では神仏習合が日常化している感じです。
笠置寺は、あちこちに巨石があり、弥生時代から磐座信仰があったようですが、
神社祭祀などに発展せず、仏教伝来後にこの巨石に磨崖仏が彫られ、その
廻りに寺院が建てられてから、巨石信仰が行われるようになったそうです。
※写真上は、笠置寺のご本尊である弥勒磨崖仏 2016/07/29
※写真中は、本宮神社から移された春日明神社の社殿 2016/07/29
※写真中の下は、春日明神社と右は笠置寺の鎮守社の椿本護王宮 2016/07/29
※写真下は、笠置寺の磨崖仏 2016/07/29
※写真下の下は、笠置山の巨石群 2016/07/29