第一志望の公立高校の受験に失敗した俺は、


滑り止めで受験した清嵐高校に進学することになった。


柔道や体操でかずかずの金メダリストを輩出し、


学業でも東大、京大、関関同立といった難関大学へ合格者を出している、


まさに進学校と呼ばれる学校であった。


が、


現実はそうではなく、


そんな脚光を浴びれるのはほんの一握りの生徒だけであった。


男子校という核兵器に、


頭の刈り上げ規定という生物兵器を兼ね備えた、


まさに死亡フラグが立ちまくりの敗戦国家、


プリズンブレイクだった。


関西での他校からの評判の悪さは言うまでもない。


彼女がいたら、


高級車を持っているぐらいのステイタスだ。


俺はモテるために思考錯誤し、


中学時代に所属していた水泳部の事を思い出した。


そうモテる前に女の子と出会わなければならない。


しかし男子校では出会いなど無い。


では他校の女子と知り合うしかない。


男女が分け隔てなく競技に参加するもの・・・


そう、水泳こそが完璧な部活なのだ。


俺は水泳部への入部を入学式の最中ひらめいた。


しかし、清嵐には水泳部がなかった。


「どうしてもやりたいんやったら、近畿大会で記録を保持してる人間を5人集めてこい。」


そう担任から言われ、


「やったろうやないか!!」


と燃えていたところに、


他クラスで入学式に知り合った田山が声をかけてきた。


田山「なぁ、日本拳法部に見学しにいけへん?見に行くだけやからさ。」


俺「なんやそれ?憲法でも勉強すんのか?まあ、見に行くだけやったらええよ。」


日本拳法とはポイント制の総合格闘技。


柔道と空手を足したようなものである。


簡単にいえば剣道の様な頑丈な防具を着けて本気で殴り合うという、


聞くからに野蛮な格闘技である。


中学の時は番長だったという話を延々とし続ける田山に付き添い、


練習場に着くと、


目を疑うような光景だった。


なぜそこまで怒っているのかという程の勢いで相手を躊躇なく殴り倒し、


下はコンクリートにも関わらず全力で相手を投げ飛ばす、


見たことのない光景だった。


茫然と立っていると、1人の先輩が近づいて来た。


先輩「新入生?とりあえずジャージか何か持ってる?」


俺「はい、あの・・・見学で来・・・」


先輩「ええから着替えろ。」


あまりにもとっさの出来事で何も言い返せず、


とりあえず着替えようとしたときに隣りを見ると、


田山がすでに着替えていた。


(はやっ!?ってか頭おかしいやろ、こいつ。)


そう思いながら着替え終えた瞬間、


二人の先輩が凄まじい勢いで俺たちに迫ってきた。


つづく