とうとう危険な領域に(嘘。夭折の天才レイモン・ラディゲ | 映画探偵室

とうとう危険な領域に(嘘。夭折の天才レイモン・ラディゲ

 探偵がまだ初心(うぶ)の頃読んだフランス官能小説、というワケではないが、河出書房館版世界文学全集の『クレーヴの奥方』に編まれているのがレイモン・ラディゲ作の『ドルジェル伯の舞踏会』。探偵はラクロ作の『危険な関係』と一緒に編まれている中央公論社版で読みました。
Wikipedia: レイモン・ラディゲ
ー『ドルジェル伯の舞踏会』という傑作を残して1923年12月12日に死去したレイモン・ラディゲは、その臨終を文学の先輩であるジャン・コクトーやマックス・ジャコブに看取られた。コクトーは、その死の様子を『ドルジェル伯の舞踏会』の「序」に記している。
 ラディゲはその死の3日前の12月9日に、〈ねえ、たいへんなことになってしまったんだ。あと3日すると、ぼくは神の兵士に銃殺されるんだって〉、〈色が行ったり来たりしている。その色のなかに隠れている人たちがいる〉とコクトーに告げてから意識不明となった[8][13]。コクトーはラディゲの早すぎる死に深い衝撃を受け、その後およそ10年にわたって阿片に溺れ続けることになるが、ラディゲがほとんど破いて捨ててしまったために、たった一枚しか残っていなかった創作ノオトを発見して、「序」に付しているー
ドルジェル伯の舞踏会

mail.ru: Le Bal du comte d'Orgel

そしてこちらがそのラクロ作の『危険な関係』。当時きってのイケメンと言われたジェラール・フィリップとジャンヌ・モローの愛のバトル....

☆ 危険な関係(Amazon解説)
ー革命前夜のパリ。華麗なる上流社交界で繰り広げられる、愛と性のパワーゲーム。復讐・策略・誘惑……貴族社会の悪徳と頽廃を、息詰まる緊張感で描いた書簡体小説の金字塔。
「私が今後あなたの恋人になるか、さもなくば敵になるだろうと申し上げたのはおかしなことではありませんでしたし、ここでもう一度そう繰り返すのもおかしくはないでしょう(…)。さあ、今や選択するのはあなたです。どちらを選んでくださっても結構ですが、暖昧なままにしておくことはできませんよ。」──ヴァルモン子爵からメルトゥイユ侯爵夫人への手紙より
 誘惑、凌辱、そして恋……革命前夜のフランス上流社交界を舞台に繰り広げられる、誘惑者と恋する者の心理戦。「征服すること」を自らの使命とした男女二人の誘惑者のパワーゲーム。快楽か情熱か、攻略かそれとも破滅か?
巧妙な策略でありとあらゆる男性、女性を意のままに操り、社交界での名声を確固たるものとしているメルトゥイユ侯爵夫人は、自分を棄てた某伯爵への復讐のため、その元「愛人」との結婚が予定されている少女セシルをかつての「同志」ヴァルモン子爵に誘惑させようとする。一方、危険な放蕩者として恐れられているヴァルモンは、貞潔で信心深い貴婦人トゥールヴェル法院長夫人を征服しようと画策している。
「魅了し、攻略し、棄て去る」。この残忍でどこまでも冷酷な誘惑のゲームはいつしか命をかけた真の闘争へと転じ、虚栄と矜持、企みと計算によって複雑に絡み合った彼らの運命はやがて悲劇的結末へと向かっていく―

本編(ok.ru)Les Liasons Dangereuses, 1960

(この流れで行けば)ジェラール・フィリップ以外にラディゲの『肉体の悪魔」のジャックを演じるに相応しい俳優はいなかった...

☆ 肉体の悪魔
ー第一次大戦下のフランス。パリの学校に通う15歳の「僕」(ジャック)は、ある日、19歳の美しい人妻マルトと出会う。二人は年齢の差を超えて愛し合い、マルトの新居でともに過ごすようになる。やがてマルトの妊娠が判明したことから、二人の愛は破滅に向かって進んでいく……。
本編(Youtube)
(英語字幕が選択できます。再生速度を<設定>でx0.75にしてご鑑賞ください:館長)

なお、ok.ruでも可
Le diable au corps, 1947