映画「美しき諍い女」物語編(16) | 映画探偵室

映画「美しき諍い女」物語編(16)

芸術家は,「アホか」と言われるほど,うろうろするものである!

物事はなかなか始まらない。
さてっと うろうろから始める












机の上がどうも なかなか始まらない









椅子は?まあいいか。

ええっと

あ。机の上が片付いてない   こりゃナカナカ始まりそうにないわ。
用意2 チョークは
いつも何かを探す 用意3

















チョークはあっちで

画家は「いつも何かを探しまわる」と自分で言い訳する。

邪魔だ あった










邪魔だ。

おや,筆が出てきた。これだ。       墨はあるかな?
筆はあった 墨は

水を汲みに あ,水だ

水は?    汲んでおかなくちゃ。
この,待たせやがって この~,待たせやがって。

よっこらしょっと。ペンを調べて...

なんかしっくり来ないな。椅子がダメなんだ...
よっこらしょペンを調べて


しっくり来ない 椅子がだめだ

椅子を取り換えて

悪いな,これと換えてくれ。

何なのよ,いったい。

あれ,あの絵邪魔だな。
なんなのよいったい あの絵は邪魔


あ,これも邪魔 これも邪魔


好きなところに座って 机がどうも





いや,机がどうも良くないな。  ここに来て,押さえてくれ。

(注)
ここを押さえて これでよし




今度こそ やれやれ






椅子を換えるよ やっぱり椅子は交換しよう(いい加減にしろよ,探偵)今度こそ










こんなことがダラダラ続いて「制作過程編(1)」にようやく至る。

実は探偵はさる高名なイラストレータであり,芥川賞作家でもあるA氏の仕事場を覗き見したことがある。彼はただただ部屋の中をうろうろするばかりであった...

注1:絵を描くことは画家とモデルの共同作業である。ほんの小さなことから協力して何かを成し遂げるのだ,という意識がわいせつしてくる,違った,湧いてくる。殆どの場合,画家がこれから描こうとしているイメージを言葉で語ることはない。

注2: 探偵は画家の使用する道具についてほとんど知らない。この画家は水溶性の顔料を使うようだ。そのほかには,スティック状(チョーク状)のもの,それと粘性のある,おそらく油性の顔料など。ボードに貼った下書き用の紙は模造紙に見える。どなたか詳しい方の解説を待ちたい。