映画「美しき諍い女」物語編(16)
芸術家は,「アホか」と言われるほど,うろうろするものである!
椅子は?まあいいか。
ええっと…
あ。机の上が片付いてない… こりゃナカナカ始まりそうにないわ。
チョークはあっちで…
画家は「いつも何かを探しまわる」と自分で言い訳する。
邪魔だ。
よっこらしょっと。ペンを調べて...
悪いな,これと換えてくれ。
何なのよ,いったい。
いや,机がどうも良くないな。 ここに来て,押さえてくれ。
こんなことがダラダラ続いて「制作過程編(1)」にようやく至る。
実は探偵はさる高名なイラストレータであり,芥川賞作家でもあるA氏の仕事場を覗き見したことがある。彼はただただ部屋の中をうろうろするばかりであった...
注1:絵を描くことは画家とモデルの共同作業である。ほんの小さなことから協力して何かを成し遂げるのだ,という意識がわいせつしてくる,違った,湧いてくる。殆どの場合,画家がこれから描こうとしているイメージを言葉で語ることはない。
注2: 探偵は画家の使用する道具についてほとんど知らない。この画家は水溶性の顔料を使うようだ。そのほかには,スティック状(チョーク状)のもの,それと粘性のある,おそらく油性の顔料など。ボードに貼った下書き用の紙は模造紙に見える。どなたか詳しい方の解説を待ちたい。


























