コンドル(18)
音楽がエンディングに差し掛かり,最後の写真からカメラがゆっくりパンすると,台所で何かターナーがメモを取りながら推理を進めている早朝のシーンになる。コンロの上に「夜明けのコーヒー」が準備されているところが憎いったらありゃしない。時折ベッドルームのキャシーを見やるがまだ眠っている。
メモに書かれているのは:
A.L.H.S. HIT
① Something in BLDG.?
② No! -> HEIDEGGER HIT at home
③ INFORMATION?
WHO?
WHY?
そしてホテル裏での事件の見取り図だ。弾丸がどこから発射されたか検討されている。
サムの呼ぶ声が回想場面として挿入される。
「ジョー」
分からない。もう一度メモを見るターナー。
「情報部内?誰が,なぜ?」
「路地で課長が? ハイデッガーは自宅で。」
「なぜ課長が?ヒギンズは言った」
電話ボックスでの回想場面
ヒギンズの声:「本部から来た君の課長が迎えに行く」 そしてターナー:「彼には会ったことがない」
課長はワシントンの人間だ。朝のオフィスの回想が出る。博士が言っていた。
「君のセオリーを裏付ける動きはないと上層部は言っている」(この「動き」がintelligenceという言葉であることは注目に値する:探偵)
「名前は何だ?」
ターナーはあの時博士からメモを渡されたことを思い出す。無造作に後ろのポケットに突っ込んだままだった。取り出してみると,「コンドルのレポートが作戦と一致するので,NY支部はCIA本部にコピーを送付した。CC:ウイクス。(「CC:」はご存知のように転送先を表す:探偵注)
ターナー:「ウイクスか」
物音に気づいてキャシーが起きてきた。赤い薄手のセーター姿である。少し疲れが見える。目線が合ったターナーの方はヒゲがうっすらと浮いて見える。お互い,昨夜のバトルを振り返ってかバツが悪い。
カウンターを越えてコーヒーのポットの方に回りこんだキャシーは言う。
「随分早起きね」
ターナーも返す。
「君もだ。」
「あなたの方が早いわ」
「考え事をしていた。計画を立てた。ちょっと大変なんだが。君の助けが必要だ」
キャシーはいかにも不満そうに見せた言い方をする。
「人使いが荒いわね」。もちろん,気を許した者への皮肉である。
「何もないときならあなたは優しい人でしょうね。昨日寝言を言ったわ」
ターナー:「なんて言った?」
キャシー:「ジャニスって誰?あたしのように拾った女?」
ターナー:「彼女は友達だった…彼女は死んだ。」
余計なことを聞いてしまって悪いことをしたと思ったキャシーは言う。
「シャワーを浴びてきていい?」
ターナーはこれを先ほどの頼みへの回答だと解釈した。
「助けはもういらない。」
しかしキャシーは少しおどけて言う。
「手伝うわ。もうスパイの女だもの」。
「そうか」。ターナーはちょっとムッとしている。ふさけていられる場合ではないのだ。すぐやりすぎたと察知したキャシーは誤った。「悪かったわ。ごめんなさい。冗談のつもりで。手伝いたいの。」
二人の気持ちは1つになった。そしてキャシーはシャワーを浴びに行った(ここから急展開するので,いったん停止。続く)。