コンドル(14) | 映画探偵室

コンドル(14)

寄り添って,というか密着して寝ている二人。ターナーが目をさますと,女は眠ってはいなかった。
「何時だ。」
「6時よ」
「ニュースの時間だ」
ターナーは起き上がってTVをつける。観光業者のCMのような画面が出て中南米風バカンス気分の音楽が流れている。ニュースが始まるまで音楽とは裏腹な感じのする壁の写真を1つずつじっと見ていくターナー。
女はちょっとオヤと思う。私の写真になど興味があるのかしら?
冬の公園の空のベンチ,誰もいないホッケー場のゴール,林の中の人気のない小道,トラックと乗用車が並んで走っているだけの人間味のない図柄…ターナーが言う。
「淋しい写真だ」
女は肩をすくめて言う。
「そう?」
ターナーが言う。
おかしな女だ。どの写真も人けのない街や枯れ木だ。」
女が言う。
「冬よ」
ターナー(ロバート・レッドフォード)が写真をもう一度じっと見て言う。
「すこし違う。そうだな…11月だ。秋と冬の間」。そして女の顔を見る。
女は怪訝な顔をする。
「いい写真だ。」
その答えに驚いたように,女はちょっと微笑んだ。
「どうも。」

(これで二人の運命が決まったわけではないが,この映画で一番の場面だと探偵は思う。皆さんにも堪能していただきたいので,マタマタ休憩)