コンドル(8) | 映画探偵室

コンドル(8)

監督と観客,読者と探偵との間の駆け引きに加え,戦いが誰と誰(どのレベル)の間で進行しているのかが,新たな謎として浮かび上がる。そして,1975年と2007年という二つの時間の間に横たわる謎についても。おそらく,映画制作上のフィクションだとしても,あるいは単純な事実に基づいていたかも知れない(もはや存在していないのだ!)にしても,次の場面でも何度もツイン・タワービルが現れるのは単なる偶然ではないだろう。当時,ツイン・タワービルが初代の摩楼に続く第二の摩天楼と呼ばれてことを私は記憶していたのだ。摩天楼は英語ではSky Scraperという。事実中国系の女の説明にもskyという言葉は使われていた。文字通り天を引っ掻くもの,天に挑戦するものである。

(ここでお呼びじゃない探偵の蛇足:先に銃の口径のことと入弾痕(正確には入射痕という)の話をしたが,探偵はその時,すぐさま「ザプルーダー・フィルム」を思い浮かべたのである。あの時<ケネディ暗殺>の時のCIA長官は誰だったか?そして歴代長官の中にはどんな名前があるか)

ツインタワー・ビルを背景に処理班の報告が流れる:

「ニューヨーク支部へ」

「オー・ジー・ワンどうぞ」

スーパー:「そちらは?」

ニューヨークの景色が窓越しに見える,かなり上のレベルの個人執務室:「ヒギンズ副支部長だ。どうぞ」

処理班の車のそばから報告:「被害確認,報告どおり,死亡6名」

ヒギンズ副支部長の執務室:「仕事ぶり(クオリティ)は?」


処理班の報告者:「最高級です」

ヒギンズ:「6名?」

処理班の車のそば,まずスーパーが出る:「7名のはずだ」

報告者:「名前をあげます。ラップ,チョン,ラッセル,ジェニングス,マーチン,ミッチェル」

ヒギンズ:「7人目を捜せ」

そして彼はすぐに秘書官らしき男から資料をうけとり,デスクで検討を始める。

「コンドル,読書分析係,マンガを好む」

セントラルパークのターナー。揚げたてドーナッツをほお張りながら思考している。パトカーのサイレンが聞こえる。

何かに気がついて近くの別のアパートに向かう。ハイデッガー博士の研究室だ。うまく住人の1人をだまして中に入ると,案のじょうハイデッガー博士も殺されていた。時間をおかずに捜査班の男と思われる2人がアパートに駆けつけた。ターナーは間一髪,姿を見られずにその場を立ち去ることができた。騙された住民が叫んでいる:「おい誰だよ?どうしたんだ?」

ワシントン記念塔が見えるオフィスの窓:

スーパー:「7人目を発見」

その建物が川越しに見えるフリーウェイの景色

スーパー:「ハイデッガー自宅で死亡」

      「了解。処理班を送る」,声:「Yes, sir]

       「ラングリーの本部を」,声:「Yes, sir]

(探偵注:CIAの本部がラングレイにあることは有名である)

どこかの都市の郊外にあるらしい基地らしきものの景色。

スーパー:「ニューヨーク支部のヒギンズだ。17課を」

スーパー:「グロバーだ」

続いて地下施設内を歩く男が一室に入って報告する:

「君の部下が襲われた。17課だ」

書類を受け取りながら男が訊く:「どこかな?」

報告を受けた男:「ニューヨークだ。なぜかな」

そしてデスクに着きながら書類を見る。

報告を受けた男:「本の虫ばっかりだ」

報告者の後ろ姿にスーパー:「8人のうち7人が殺された」

報告を受けた男:「生き残ったのは」

報告者の後ろ姿にスーパー:「コンドル,知ってるか」

報告を受けた男は早速どこかへ電話する。

「知らんな。しゃべれるのか?」

報告した男:「外出していたから無傷だ」

報告を受けた男:「詳しい事情を?」

報告した男:「電話の後姿を消した」

報告を受けた男:「知らせてきたのは?ヒギンズか?」

報告した男:「飛行機の手配をした」

報告を受けた男:「ニューヨークへ飛びたい。すぐにヘリを用意しろ。こちらウィクスだ。」

公園のターナー。思案の後何かに気づいて歩き出す。向かったのは自宅のようだ。

自宅アパート前にいた管理人のおばさんから「お友達が2人来たので鍵を渡した」と言われて,すぐさま事情を察知し,立ち去るターナー。

そして又ツインタワー・ビル全景。

(まだまだ続く。早く女を出せ,という声も聞こえているが,焦ってはならない)。