コンドル(4)
世田谷一家殺人事件は読者の記憶に新しいと思う。まだ解決していない。警察発表は,無慈悲な刃物の使い方などから犯人がどうも日本人以外のプロ,ないしはマニアとの味方のようだ。結構な時間をかけて書類ならびにデータを調べていた形跡がある。誤解により生じたのかも知れないが,明らかに狙われた理由は,この父親とターナーとで同じであろう。もちろん探偵の想像にすぎない。しかし考えても欲しい。このコンドル自体,フィクションなのである。原作はジェームズ・グレイの「コンドルの6日間」である(映画ではこれが3日間に短縮されている)。フィクションだということは,実際は確実にそれ以上だということを意味している。アメリカならずとも,必要なことをやらずに済ます国家はない。
CIA,Central Intelligence Agency(中央情報局)の名前でInformationではなくIntelligenceが使われていることは誰でも知っている。国務省の管轄下にある,大統領さえ恐れる部署である。
彼らの行う情報工作とはいかなるものか。そもそも「工作」とは何か。そう,作ることである。この工作に当たる英語がOperate,つまり「操作」だ。
インタラクティブという意味が少し分かっていただけだろうか。これはUFO伝説でも名高い「オズウェル事件」のおそらく米国陸軍(ARMY)側の首謀者の1人が死の直前に発表した本の中に「問わず語り」で語られている。彼は死んでもなお情報担当将校(大佐といわれている)だったのだ。情報は収集するものであり,誤誘導情報を含めこちら側から発するものであり,そしてその反応(結果)を分析するものである。彼らの対象には彼ら自身さえ含まれている。
つい最近,エシュロンというスパイ衛星による情報収集が話題になった。現代の水準は地球上のどんな人物でも,その鼻毛や夜の営みまで調べようとすればできる所まで来ていると言われている。単に科学技術が進歩したためでなく,分析力が向上したからである。そして,分析の基本は,シャーロック・ホームズの手法にある。ドイルのシャーロック・ホームズは化学者という設定になっているのを忘れてはいけない。そして,英国がコンピュータの基礎概念を作ったチューリングの母国であることも。チューリングは第二次大戦中の英国情報セクションにおいて,暗号解読に従事していたのである。クロスワードパズルを使って人材発掘したことが知られている。見えて来たろう,喜多郎,いや鬼太郎か。ターナーは姿を変えたシャーロック・ホームズなのだ。ではモリアティ博士は誰か(続く)。