コンドル(3)
キーの1つはターナーにある。ターナーをレッドフォードが演じているから,などどいうツマらない推理ではない。その位置づけ(人間のタイプも含め)と彼の出したレポートである。彼以外にオフィスにいた全員が殺されたわけだが(これから殺されるわけだが),ターゲットがターナーであることは明白だ。他の人間はターナーの意見を聞いた可能性があるので殺されたのである。
局所的に雨が降る時間をきちんと予告できる科学者と同じ情報収集力,分析力を持つ「敵」側の勢力とのぶつかりあいなのだ。表に偽のプレートを掲げ,受付係の女が監視カメラ越しに来訪者をチェックし,場合によってはコルトまで使用することを想定している職業に,ターナーがなぜ就いているのか。募集でやって来たわけが無い。才能を見込まれたのである。
その情報だが,よく考えればおかしい。なぜ海外文献を調べて上司に報告する際に自分の側の情報(ペルシャ湾情報)が必要なのか?それがなぜいとも簡単に否定されたのか。「天」の字はどこにどう使われているのか。読者は「西棟」にもしかして心当たりはないだろうか。読み屋の仕事について,誤解しているのではないだろうか?
サスペンスを進める前に,次回は当時と現在の情報収集方法の同異について怖い話をしたいと思う。こんな風にして日本でも一家全員が一夜にして殺された事件があったが,あの父親の職業は何だったろうか?探偵としては読者の推理が当たらないことを切に願う(続く)