青い空に流れていく雲を眺めていた
風が作り出すその世界は、人の人知を超える美しさで
この星が生きていることを実感できるんだ
今まで繰り返されて来た春夏秋冬に、
彼の小さな足跡が遠く残っている
名前も知らない小さな花が道端で揺れているのを見つけた彼は、
何だか一人じゃないんだと安心出来たんだ
言葉を発しない存在は、その鮮やかな彩りでメッセージを届けてくれる
見過ごしてしまいがちな物事に気づかせてくれるみたいに。
あの日、あなたが言った優しさの理由(わけ)が今ならわかる気がするんだ
そんな彼の思い出もまた忘却に愛され、時を彷徨う
やがて大きなクラクションにふと、
ぼやけた眼差しから連れ戻された彼は現実に深呼吸して鮮やかな色を取り戻していく
さあ、またここからゆっくりと"生きる"を始めて行きましょう。