薄暗くなった夕暮れの駅前は
首をすぼめたたくさんの人たちで溢れていた
彼の目に映る、
一日に心を削った疲れを癒やすために
家路を急ぐ人たちの、その疲れ顔の裏に見える”安堵”がこそばゆく見える気がした
”みんな「自分」を頑張っている”
誰かと競い合ったり、自分と競い合ったり。
目には見えない称賛の先へと手を伸ばすみたいに。
触れ合いたい想いはお菓子をねだる子供のように純粋で、
しちゃいけない事を教えてもらった母親の前みたいに素直になれるんだ
さて「あなたの今日は、あなたに何を残してくれましたか?」
終わって行く今日の中で生まれ来る新しい明日は
また違う今日となって時間へと還っていく
そんな繰り返しを人は人生と呼んで
自分の存在の意味を捜していくんだ
あなたがここにいる理由も、きっとそんなひとつなんでしょう?
さあ、温かくおやすみなさい。
許される夜の狭間に寝息を立てて、、。
次の朝が来るまでの回帰線のゆりかごに
あなたが微笑む明日が、
きっと優しく始まって行くはずだから。