農家は肉体労働という認識が多いとおもいますが、私が見てきた農家さんは、みんな知的(知識)労働です。
ひとつの農作物(作品)を作り上げるまでに、様々な要因を分析し、準備し、都度起こる状況に対応し、自分の思い描いている農作物に仕上げる。
しかも、対応すべき相手が自然環境ということになる。
自然の恵み、脅威、土の力、農家の技術が合わさって、農作物は作られている。
創造もできないくらい、大きくて、繊細な仕事です。
農作物は土づくりが大事といいますが、作る農作物、その土地の気候によって良い土壌の条件は全部違ってきます。
環境変化を読み、計画を立て、準備し、実行し、状況に合わせて手を打ち、最終的な結果を出す、そしてそれを踏まえ、次の予測を立てる。
普通の企業と全く変わらないことを偉大なエネルギーを持つ自然と共生しながら実現していくのが農業ではないかと思います。
例えば、みかん農家では、樹に実がついたら、1つの実に必要な栄養分を与えるために、樹に実らせる数、葉っぱの枚数、実に傷がつかないよう枝の長さを調整します。
タイミングと打ち手をノウハウを持っていてその状況に応じて、適切な方法をとっています。
いくら、予測し、準備し、対応法があっても思い通りにはいかないというのが、農業にはつきものです。
だから、農家は自然を受け入れ、自然の恵みを最大限活かす方法を考え続けています。
そして、その追求は終わることはないのでしょう。