美容室リピート率を上げるには?「また来たい」が続くサロン経営の仕組み
「新規のお客様は来ているのに、なぜか固定客が増えない」
「スタッフによってリピート率の差が大きい」
「次回予約をすすめているけれど、数字が思うように伸びない」
「広告を止めたら売上まで落ちそうで怖い」
美容室を経営していると、こんな悩みが出てくることがあります。
美容室リピート率を上げるために、新しい集客方法を探したり、接客研修を増やしたりするサロンもあると思います。
でも僕は、長く美容室経営に関わる中で、
新規客を増やす前に、今来てくれているお客様との関係を見直すことも大切
だと考えるようになりました。
今回は「美容室リピート率を上げる」というテーマを、集客テクニックではなく美容室経営の仕組みから考えてみます。
新規集客を続けても経営が楽にならない理由

売上を伸ばしたい。
そう考えたとき、最初に思いつきやすいのが新規集客です。
予約サイトを強化する。
SNSを頑張る。
広告を出す。
クーポンをつくる。
もちろん新しいお客様との出会いは必要です。
ただ、新規のお客様がたくさん来ても、その後ほとんど戻ってこなければ、毎月また新しいお客様を集めなければなりません。
例えるなら、
水を入れ続けているのに、底から流れ出しているバケツ
のような状態です。
だから美容室リピート率を上げるには、
「どうやってもっと集客するか」
だけではなく、
「なぜ一度来てくれたお客様が、その後来なくなるのか」
を見る必要があります。
ここに、見落とされている機会損失があると思っています。
お客様が求めているのは「今日の髪型」だけではない

美容師は、目の前のお客様をきれいにすることに一生懸命です。
カットする。
カラーする。
トリートメントする。
きれいに仕上げる。
これは当然、大切な仕事です。
でもお客様の生活は、退店した瞬間から続いていきます。
翌朝、自分でスタイリングする。
数週間後には髪が伸びる。
カラーも少しずつ変化する。
季節が変われば、新しい悩みも出てくる。
そこで美容師が、
「次はこうしていきましょう」
「この部分は1か月くらいすると気になってくると思います」
「家ではここを意識してケアしてみてください」
と未来まで伝えられたらどうでしょう。
今日だけを担当する美容師から、
これからの髪まで一緒に考えてくれる美容師
へ変わります。
僕は、この違いが美容室リピート率を上げるうえで重要だと思っています。
「次回予約を取る」より大切なこと

美容室リピート率を上げる施策として、次回予約を強化している美容室も多いと思います。
ただ、
「次回予約を取ってください」
という指示だけでは、スタッフによって結果に差が出ます。
営業が得意なスタッフは言える。
若手は遠慮してしまう。
断られるのが苦手なスタッフは言わなくなる。
だったら、目的そのものを変えてみる。
予約を取ることではなく、
お客様に次回来店の意味を理解してもらうこと
を目的にするのです。
「次は6週間後に来てください」
ではなく、
「6週間くらいすると、この部分が扱いにくくなってくると思います。その頃に状態を見ながら次のスタイルを考えましょう」
と伝える。
この違いは大きいと思います。
美容室側の都合で予約してもらうのではなく、お客様の髪をきれいに保つための次回来店になるからです。
美容室リピート率を上げるヒントはカルテの中にもある

カルテというと、
カラー剤の配合。
カットの長さ。
使用した薬剤。
施術履歴。
こうした情報を残すものだと思われがちです。
もちろん必要です。
でも僕なら、もう一つ残します。
次に会ったときに聞きたいことです。
「毛先が広がりやすいと言っていた」
「前髪を伸ばすか迷っていた」
「朝はスタイリングに時間をかけられない」
「次は少し明るいカラーを考えている」
こうしたお客様の言葉を残しておく。
そして次回来店時に、
「前回気にされていたところ、その後どうでしたか?」
と聞く。
これは単なる接客テクニックではありません。
前回と今回の施術がつながります。
お客様からすると、
毎回ゼロから説明しなくても、自分の髪を理解してくれている美容室
になっていくのです。
リピート率の高いスタッフを「すごい人」で終わらせない

ここからが組織づくりです。
美容室には、お客様から支持されるスタッフがいます。
指名が多い。
紹介が多い。
次回予約も入る。
店販も自然に出る。
そんなスタッフを見ると、
「あの人は接客が上手だから」
で終わらせてしまいがちです。
でも経営者としては、その先を見たい。
なぜお客様が戻ってくるのか。
カウンセリングで何を聞いているのか。
どのタイミングで未来の話をしているのか。
仕上げで何を伝えているのか。
カルテには何を残しているのか。
ホームケアをどう提案しているのか。
一つずつ分解していく。
すると、
本人は当たり前だと思っていた小さな行動の中に、結果を生み出しているものが見つかることがあります。
それを本人だけの経験にしない。
言葉にする。
共有する。
若手が実践する。
結果を見る。
改善する。
売れる美容師の「感覚」を、会社の「仕組み」に変える。
これができれば、美容室リピート率を上げる取り組みが個人戦ではなくなります。
店販を「売ること」から考えるとスタッフは苦しくなる

店販も同じだと思っています。
「もっと商品を売ろう」
と言われると、販売が苦手な美容師は抵抗を感じます。
でも考えてみれば、お客様が美容室にいるのは月に数時間程度です。
それ以外の時間は自宅で髪を扱っています。
だから美容師が考えるべきなのは、
商品を何本売るかだけではなく、
次回来店までお客様がどう髪と付き合うのか
ではないでしょうか。
乾かし方。
シャンプー。
トリートメント。
アウトバスケア。
日々のお手入れ。
必要なことをプロとして伝える。
その選択肢の一つとして商品がある。
この順番なら、店販は押し売りではありません。
美容室を出た後まで、お客様のきれいを支えるための提案になります。
そして次回来店したときに、
「前回お伝えしたケア、その後どうでしたか?」
と確認する。
こうして、
サロンケア。
ホームケア。
次回来店。
が一本につながっていきます。
美容室リピート率はスタッフを責めるための数字ではない

リピート率をスタッフ別に出すと、
高い。
低い。
という比較ができます。
でも僕は、そこで終わらせたくありません。
例えば新規客の2回目来店が少ないなら、
初回のカウンセリングに課題があるのかもしれない。
お客様の期待とのズレがあるかもしれない。
次の提案ができていないのかもしれない。
逆に何回か来てくれているお客様が離れているなら、提案がマンネリ化している可能性もあります。
大切なのは、
数字を見て人を評価するだけではなく、数字から改善する場所を見つけること。
美容室リピート率を上げるために必要なのは、
「もっと頑張って」
ではありません。
「どこを変えればお客様にもっと喜んでもらえるのか」
を一緒に考えることです。
それなら数字は、スタッフを追い込むものではなく、成長するための材料になります。
BIJU Systemで目指していることも「つなげる」こと

僕たちがViváte BIJU System「美寿」を開発している理由にも、この考えがあります。
僕は長く美容業界で仕事をしてきました。
美容師は本当に価値のある仕事だと思っています。
髪をきれいにする。
お客様に喜んでもらう。
自信を持ってもらう。
それなのに、美容師が生み出している価値が、十分に経営や待遇へつながっていないと感じることがあります。
だから僕たちが考えているのは、商品を一つ増やすことだけではありません。
サロンでの施術。
カウンセリング。
ホームケア。
スタッフ教育。
そして次回来店。
これらを一つの流れとして考えたい。
髪から美しさの本質美をつくる。
髪の美しさの寿命を伸ばす。
それがViváte BIJU System「美寿」で大切にしている考え方です。
美容室リピート率を上げる経営とは

美容室リピート率を上げるために、
新しい集客方法を探す。
次回予約を強化する。
LINEを送る。
キャンペーンをする。
もちろん、それらが必要な場面もあります。
でも、その前に経営者として確認したいことがあります。
今来てくれているお客様に「次もここへ来たい」と思ってもらえる理由を、組織としてつくれているか。
トップスタイリストだからできる。
ベテランだからできる。
センスがあるからできる。
それだけで終わらせない。
うまくいっている行動を見つけて、言語化して、スタッフみんなで共有する。
そして新人が入ってきても、その考え方を学べる状態をつくる。
そうすれば、お客様から見た美容室の価値も安定していきます。
美容室リピート率を上げる本当の目的は、数字を数%改善することだけではありません。
「この美容室なら、これからも自分の髪を任せたい」
そう思ってくれるお客様を、一人ずつ増やしていくこと。
その積み重ねがスタッフの価値を上げ、美容室の経営を強くし、美容師という仕事をもっと誇れるものにしていく。
僕は、そんな美容室経営をつくっていきたいと思っています。