美容室リピート率を上げたいなら「また来てください」をやめる|再来が続く美容室の考え方
「新規のお客様は来ているのに、なぜか売上が積み上がらない」
「予約は入っているのに、毎月また新規集客をしないと不安」
「スタッフによって美容室リピート率に差がある」
こんな悩みが出てくることがあります。
僕は、こういうときに新規集客を増やす前に確認したいことがあります。
それは、
一度来てくださったお客様に、次もこの美容室へ来る理由をつくれているか?
ということです。
美容室リピート率というと、接客力や次回予約率の話になりがちです。
でも僕は、それだけではないと思っています。
お客様が「また来たい」と思うまでの流れそのものを、サロン全体でつくれているか。
ここを考えることが大切です。
お客様は「満足したから」だけで戻ってくるわけではない

施術が終わって、
「きれいになりました」
「ありがとうございました」
と笑顔で帰っていただく。
美容師として嬉しい瞬間ですよね。
でも、その日の満足と再来店は同じではありません。
美容室ではきれいだった髪も、時間が経てば変化します。
カラーが伸びる。
毛先がまとまりにくくなる。
スタイルが崩れてくる。
自宅での扱い方が分からなくなる。
そのとき、お客様の中に、
「そろそろあの美容室へ行こう」
という理由があるかどうか。
僕はここが、美容室リピート率を考える大きなポイントだと思っています。
美容室リピート率は「退店後」に差が出る

美容師は、どうしても来店中の時間に意識が向きます。
カウンセリングをする。
カットする。
カラーする。
仕上げる。
でも、お客様が美容室にいる時間より、自宅で過ごす時間の方がずっと長いですよね。
だから僕は、
美容室を出た後まで含めて美容師の仕事を考える。
という視点が必要だと思っています。
今日の髪をどう維持するのか。
自宅では何を気をつけるのか。
どんな変化が出てきたら美容室へ行くのか。
次回はどんな状態を目指すのか。
ここまで伝わっていれば、次回来店は単なる営業ではなくなります。
「次回予約どうしますか?」だけでは弱い

美容室リピート率を改善するために、次回予約を強化しているサロンもあると思います。
次回予約そのものは大切です。
ただ、
「次回予約はいかがですか?」
だけでは、お客様からすると予約する理由がありません。
例えば、
「この長さなら1か月半くらいすると毛先がまとまりにくくなってくると思います」
「次はこのくらいの時期に状態を見せてもらえると、今のスタイルを維持しやすいですよ」
と説明する。
すると、お客様は未来の自分の髪を想像できます。
つまり大切なのは、
予約をお願いすることではなく、次に来る理由を伝えること。
ここが変わるだけでも、次回予約の意味は大きく変わると思います。
美容室リピート率が高い人には「理由」がある

同じサロンでも、美容室リピート率が高い美容師と、そうでない美容師がいます。
ここで、
「接客が上手だから」
だけで終わらせるのは、もったいないと思っています。
どんな質問をしているのか。
お客様の何を覚えているのか。
施術中にどんな説明をしているのか。
仕上げで何を伝えているのか。
自宅でのケアをどう説明しているのか。
次回について、どんな話をしているのか。
細かく見ていくと、必ず何か違いがあります。
それを見つけることができれば、その美容師だけの強みで終わらせず、サロン全体へ広げることができます。
売れる美容師を真似するのではなく、売れる理由を見つける。
これが大切だと思っています。
「その人しかできない」は美容室経営のリスクになる

人気スタイリストがいることは、美容室にとって大きな強みです。
でも、
その人しかできない。
その人しか説明できない。
その人しか店販が売れない。
その人しか次回予約が取れない。
となってしまうと、会社としては不安定です。
僕が目指したいのは、
一人の成功を、みんなが学べる状態にすること。
例えば、リピートにつながったカウンセリングを共有する。
良かった提案をミーティングで話す。
カルテに残す情報を揃える。
お客様への説明の目的を共有する。
こうして少しずつ、個人の経験をチームの知識に変えていく。
これができると、美容室リピート率は個人の才能だけに左右されにくくなります。
店長は「一番売れる人」だけでいいのか

店長本人の売上が高い。
指名客も多い。
美容室リピート率も高い。
もちろん素晴らしいことです。
でも、店長としてもう一つ見たい数字があります。
それは、
店長の周りにいるスタッフが成長しているか。
ということです。
若手のお客様が戻ってくるようになった。
提案が苦手だったスタッフが説明できるようになった。
スタッフによる美容室リピート率の差が小さくなった。
こうした変化も、店長が生み出した成果だと思います。
自分が結果を出すだけではなく、周りが結果を出せる環境をつくる。
美容室が組織になるためには、この視点が必要です。
店販を「売上づくり」だけにすると苦しくなる

美容室リピート率と店販も、実はかなり近い関係にあるえています。
店販という言葉を使うと、
「商品を売らなければいけない」
と感じるスタッフもいます。
でも、お客様からすると大切なのは商品を買うことではありません。
美容室でつくった髪を、自宅でも扱いやすくすることです。
美容師が、
「今日の状態なら、自宅ではここを気をつけてください」
と伝える。
必要なら、そのためのホームケアを提案する。
そして次回来店したときに、髪の状態をもう一度確認する。
こう考えると、
ホームケアは美容室と次回来店の間をつなぐ接点
になります。
店販と美容室リピート率を別々に考えなくてもいいと思っています。
僕たちがBIJU Systemで考えていること

僕たちがViváte BIJU System「美寿」をつくった背景にも、この考えがあります。
僕たちが大切にしているのは、
髪の「美しさ」の「寿命」を伸ばすこと。
美容室に来た日だけきれいにするのではなく、その美しさを次回来店までどうつないでいくか。
さらに、その先も好きな髪型やカラーを楽しめる髪をどう考えていくか。
そのためにサロンケアとホームケアを分断しない。
僕はBIJU Systemを、単なるトリートメントメニューとして終わらせたくありません。
なぜ今日このケアをするのか。
自宅では何を意識するのか。
次回来店時にどんな髪を目指すのか。
こうした話を美容師とお客様ができるようになれば、商品や施術以上の価値が生まれると思っています。
新規集客という蛇口を開く前に確認したいこと

売上が下がると、新規集客を増やしたくなります。
SNSを頑張る。
広告を増やす。
クーポンをつくる。
検索対策をする。
もちろん必要です。
でも、新規のお客様を増やしても、一度で離れてしまえば、また新しいお客様を集めなければなりません。
例えるなら、
水を増やす前に、バケツに穴が空いていないか確認する。
美容室リピート率を見る意味は、ここにもあります。
何人集客したかだけではなく、
来てくださったお客様との関係が、どこで途切れているのか。
そこを見つけることが、経営改善につながると思っています。
美容室リピート率を上げることは「会社に経験を残すこと」

僕は、美容室リピート率を単なる数字だとは思っていません。
一人の美容師がうまくいった。
なぜうまくいったのかを考える。
言葉にする。
仲間に共有する。
別のスタッフが実践する。
結果を見る。
また改善する。
この繰り返しによって、美容室は強くなっていきます。
「あの美容師だから行きたい」
というお客様が増えることは素晴らしい。
でも同時に、
「この美容室だから、また来たい」
と思っていただけるお客様も増やしたい。
美容室リピート率を上げる本当の目的は、スタッフに「もっとリピートを取って」と言うことではありません。
一人ひとりの美容師が持っている良い仕事を、会社の中に残していくこと。
そして、チームとしてお客様の未来の髪に関われる美容室をつくること。
僕は、それがこれからの美容室経営に必要な「リピートの仕組み」だと考えています。