母親は過度な潔癖症で、現在も電車のつり革を除菌シートで拭かないと
つかまれないほどだ。
子供の頃、キンキンと高い声でヒステリックに
汚い!汚い!!菌がうようよいる!!!
と、いつでもどこでも、しょっちゅう叫んでいた。
やれ埃が、髪の毛が、あー汚い汚い汚い!!とキンキン叫びながら
家じゅうを走り回りながら掃除していた。
きれい好きなのはいいのだが、ちょっと度が過ぎていると思う。
あまりに汚い!!汚い!!と身近で叫ばれたせいか、
「私は汚い」という思い込みが自分の中に形成されたらしく、
大人になってからある心理療法で間違った思い込みを探るメソッドを実行すると
しつこくしつこく出てきた。
子供は親が発する言葉を自分に向けられたものとしてインプットしてしまうのだ。
また、大人になった現在は平気だが、子供の頃は親の潔癖症による影響で
友達がジュースの回し飲みをしているのを見るだけでも吐きそうになった。
人に鉛筆を貸した後は、鉛筆をきれいにハンカチで拭いた。
他人と同じ水に浸かるプールが気持ち悪くて仕方なかった。
きれいにしていると気持ちがいい、といった理由でのきれい好きではなかった。
半ば脅迫観念のような感じであった。