連休中日の日曜日。

朝のうちは雨が降っていたけど、昼前には回復して行楽日和となりました。

こう天気が良いとご来店も少なくなっちゃうので、もう少し崩れるとなぁ。σ(`ε´) オレ仕事だし・・・(笑)


さてと今日はご依頼の中でもやはり一番多いジーンズの裾上げ。

もちろんユニンスペシャル社製のミシンによりチェーンステッチです。札幌市内でもチェーンステッチでの裾上げをするところは数件あるようですが、このユニオンスペシャル社のミシンを持って裾上げをしているのは当店だけのようですね。(未確認情報なんであったらゴメン)


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やはり裾上げにはこのタイプ(43200G)でなければなりませんね。これより以降のモデルやユニオンスペシャルにまねて作った国内ミシンメーカーのKANSAI SPECIALなどでは、ダメなんですよ。


↑の43200Gモデルの他、もう一台ユニオンスペシャルの珍しいのが1台あるのですが、↓はJUKIとのWネームのCS100SERIESのモデル。



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ユニオンスペシャルも日本では初期の頃は美馬ミシン(現在のペガサスミシン)が扱っていたり、近藤ミシン(現ヤマトミシン)であったりしてました。そしてつい最近まではJUKIのグループ会社となっていたんですが、今はJUKIも手放してしまい、現在はこのWネームのミシンもなくなりました。


この2台は名前こそユニオンスペシャルですけど、仕上りは全く違います。

旧型は針棒が斜めに降りるからなのか、きれいに真っ直ぐに縫おうとしてもねじれてしまいます。もちろん新しいタイプはきれいにスッキリと仕上げられます。


私ども本業がアパレルの縫製なもんで、こんなねじれた裾上げをしようものなら、検品ではじかれてB品扱いになってしまいかねません。


そんな感じで、この2台の古いタイプはマニア向けジーンズの裾上げ用で、もう一台はアパレルの量産用と使い分けです。




で、裾上げに対してはミシンも重要なのですが、それと使う糸ですね。


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この棚の糸は「裾上げ用」としていつも準備している糸達です。


糸種は綿(カタン)・コアヤーン(中心がポリエステルで回りが綿の2層)、そしてポリ100%のスパン糸。


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それにこの糸種にそれぞれ太さもあり、一般的なステッチに使われる20番糸。下糸に使う30番糸。それに8番や6番、0番と数字が小さくなるほど太い糸があります。


8番・6番といった太さは裾上げよりもウエストベルト周りやインシームのステッチ修理に使うことが多いです。


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左から20番・8番・6番・0番。これ全部カタン(綿100%)です。



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一番使われる金茶系のカタン糸だけでもこれだけあります。

出来るだけ、オリジナルに合わせた色で対応したいと思って揃えたらこんなに増えてしまいました。

(その他ネイビー系やホワイト系などもあわすと裾上げ用だけで20万以上になると思う。)


カタン糸もメーカーによって同じ色番でも褐色するタイプとしないタイプを揃えていたり、なかなか糸だけでも奥が深いんですよね。(もちろんこちらでは褐色するタイプです。)



で、仕上りはこんな感じになります。
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縫い上げたばかりですが、この段階で薄っすらとウネリが分かりますよね。

このステッチは、綿糸20番ステッチ幅は8mmで三つ折り、ミシンピッチは3cm間で9針の基本中の基本で仕上げてあります。

ステッチ幅は6mm~上は何ミリでも可能ですけど、最大でも15mmでしょうかね?これ以上の太さのご希望があれば太くしますけど、その時は別にチェーンでなくても良いような気もします。(笑)


糸も綿糸だと弱いからと思う方はコアヤーンでもポリエステルスパンでもご指示頂ければご希望に合わせます。

(でもやっぱりウネリが欲しいという方は綿がいいですけどね。理屈はイマイチわからないけど、やはり綿糸が一番ウネリます。)




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で、縫い終わりの始末。

チェーンステッチのミシンは普通のシングルステッチと違い、縫い止まりに返し縫い(3針位を行ったり来たりして解けないようにすること。)が出来ません。

そのままで糸を切ってもミシンの性質上、それほど解けることは少ないのですけど、稀に縫い終わりからピロピロ~って解けてしまうこともあります。

そのため、当店では縫い止まり部分を一度結んでから結び目が見えなくなるように針を使って見えなくなるように最終処理をするようにしてます。少しでも解ける可能性があるなら事前に対策するのは当然です。(キリッ



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↑これ、たまたま自分が今日穿いていたジーンズ。

今年の初めにワンウォッシュで裾上げをしたバズリクソンズのジーンズ。

春までは結構毎日穿いていたけど、今年の夏は異常に暑かったので7月ぐらいからは全く穿いておらず洗濯も3回ぐらいだったかな?それでこんな風にアタリがついてます。

このロープ状のウネリがやはりユニンスペシャルですね。


後、裾上げにおいて気をつけていることが裏の縫代の幅。

出来ればこのようにステッチ上の部分を細めで均一に揃えたい


分かるかなぁ?

ちょっとググって探してくる。



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そうそう。このステッチの下の折り返しの不均等。ここは出来るだけ揃えたいところ。

(元のデニムの生地や厚さになどによっては難しい場合もあり、特にある程度穿きこまれている腰のないモノは難しい。)






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ブーツカットが好きな人にはこんな風に後ろだけ少し長めに仕上げる(モーニングカット)も出来ますよ。





まぁ、誰も人の裾なんか気にして見てる物好きなんかいないけど、所詮ファッションは自己満足の世界。


たかが、裾上げ・・・。されど裾上げ。。



これで1本1,050円。

たかが裾上げに1,050円は高いと思うか、これだけ気を使って仕上げて安いと思うのかは貴方次第です。(笑)



したっけ、また。




世間では3連休の始まり。

こちら札幌は風はちょっと冷たいですが、秋晴れの天気の良い土曜日です。

この3連休もアルチズムジャパンはジャンジャンバリバリと営業中でございます。

肌寒くなってきた今日この頃、そろそろ秋物、冬物を直しておかなければならないものは無いでしょうか?

今一度クローゼットの中チェックしてみて下せぃ。ダンナ・・・。




さて、今日は朝からレザーベルトのサイズ出しを。

どうやらご依頼者はあのYAZAWAの熱狂的なファン。

この春、新しいアルバムを出した後、テレビや雑誌でこのベルトを付けて出ていたようで、どうしても同じベルトを探してみたところ、やっとのこと見つけたは良いが、サイズが合わなく短い・・・・。

迷った挙句、やっぱり購入してしまいました。



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う~~ん。ヤザワらしくワイルドなバックル。牛革と蛇(パイソン)のコンビのレザー。。

まぁ短くするのは簡単だけど、さて、どうやって長くする?

どこかに似たような革を足すしか方法がないけど、足すと強度的にも心配だし接ぎ合わせ部分がどうしても目立ってしまうので、思い切ってバックル側部分を新に作り直しました。



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オリジナルは厚めのバッファローだと思うんですが、全く同じ革は用意出来なかったので似たような牛革のレザーを用意し、厚さがちょっと足りないので2枚を張り合わせて仕上げました。

表面の風合いも若干は違うけど、まぁ許容範囲かなと思ってます。

リベットも似たようないぶし銀の同タイプがあったので、これも問題ないと思います。



これとはまた事情が違いますが、人気ブランドのかなり高額なベルトもアウトレットではかなり安く出回っているようで、このように長くしたい、反対に短くしたい。。などのご依頼も多いです。

短くするのであれば、バックル側から詰めて2,100円~、長くする時は5,250円~となりますので、これより安く手に入るのであれば、お得かも知れません。

ただし、レザーの種類やデザインによっては出来ない場合もあるので、もしお悩みの方がいらっしゃれば事前に一度ご相談下さい・・・。



では、また。

本日は腿部分のダメージリペア。



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元々、加工モノだったようで弱ってきて穴が広がってしまい持ち主は横糸を切り落としてしまっている状態でした。


このままではタタキ処理も出来ないので、まず擬似的な横糸を作ってあげます。

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今回横糸を作るのに「綿しろも(仕付け糸)」を使いました。この擬似横糸は場合によっては、古いデニム生地の縦糸を抜いたものとか色が合わないときは染めたりとかして流用します。


で、次にタタキ処理を行う糸選びに入ります。


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これ、自慢なんですけどウチ、糸の色数と種類だけは糸屋か?と思われるほどの在庫を抱えています。

先日、新聞の記事を見た奥様から「糸を売って欲しい」と言われたほどです。(笑)もちろんご希望があれば譲っても良いですけど、1本3000m、モノによっては5000mもありますけどね。


そんな中から今回は3色チョイスです。


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この糸選びで仕上りの7割は決まってしまうと言っても過言ではないです。(たまに縫ってから気に入らずに解いて選び直すこともあるぐらいです。)


で、次に針と糸調子。


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ミシンの横の針を置くところに常に9番から18番をいつでも使えるように用意してありますが、リペアに使う針はいつも9番の細めの針を使います。


20番以上の太いステッチの修理などは別に「厚物専用ミシン」があるので、このミシンでは18番までしか使いません。厚物ミシンは20番~25番までの針も太い物を使ってます。



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で、糸調子とミシンピッチ。


糸調子は針穴からポツポツと下糸(裏は上糸)が見えないのがベストな糸調子ですが、リペアのタタキの際はしなやかさを色具合を出すためにわざと糸調子を狂わせることもあります。


タタキの場合は3cm間16~18針と比較的細かいピッチで縫います。

一般的に縫製のミシンピッチは地縫いで3cm間14~16針でステッチが8~10針が多いかも知れません。(生地の厚さや糸の太さによって変わりますが・・・。)



で、ここからタタキを始めて行きますが、まずは地色に合わせた濃い色目の糸を裏に当てた布全体を抑えるように一定の間隔でたたいていきます。


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これが1回目。


次に1回目より少し範囲を狭めて2回目いきます。


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なぜに分割してたたくのかと思うかと知れませんが、一気に細かく縫っていくとその部分だけ硬くなってしまうので、周りから徐々に攻めていって今後、この部分に負荷が掛かった時に力が分散するようにしてます。

そうすることで、後からリペア周りから破れることが少なくなります。



で、次に色をトーンを少し落とした糸で3回目入れて行きます。



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3回目が終わったら更に薄い色で4回目。


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今回は「荒め」のリペアだったので、こんな感じで完成です。

目立たないリペアをする時はもう少し工程が増えます。


時間にして2時間弱。

コストは1ヶ所1,575円ですけど、今回は3ヶ所で4,200円。時給換算すると2,100円位にはなるけど、糸の在庫やミシンの償却を考えるともう少し欲しいのがホンネですかね。(笑)



こういった穴のとき、出来れば横糸は切れてても良いので切り取らないで頂いた方が助かります。。



では、また。