司馬遼太郎「新選組血風録」感想 | S blog  -えすぶろ-

S blog  -えすぶろ-

-人は年をとるから走るのをやめるのではない、走るのをやめるから年をとるのだ- 『BORN TO RUN』より
走りながら考える ランニング・読書のブログ

 

 

「新選組血風録」面白かった!

新選組の各隊士にまつわるバラエティーに富んだ40頁程度の短篇小説15作品が収録されています。

この「新選組血風録」は、土方歳三物語の「燃えよ剣」と「竜馬がゆく」と、ほぼ同時期に書かれていたようですね。短篇で読みやすいので、司馬遼太郎はまずこの本から、という感じです。

これを読めば確実に司馬遼太郎にも新選組にもハマってしまいます。

 

「燃えよ剣」もそうでしたが、特に、沖田総司のキャラ設定が本当に素晴らしい。司馬さん、その後の別の作家、監督のあらゆる作品に出てくる沖田総司像を完全に作り上げてしまっていたんですね。

 

司馬遼太郎「燃えよ剣」感想 原田眞人監督岡田准一主演映画5/22公開! 

映画「燃えよ剣」公開を待ちわびつつ読書

 

 

 

●「新選組血風録」内容

①油小路の決闘
伊東甲子太郎派分離・粛清までの物語。主人公・伊東派の篠原泰之進
②芹沢鴨の暗殺
新選組筆頭局長芹沢鴨暗殺までの物語。主人公・土方歳三
③長州の間者
浪人深町新作が長州の間者として新選組に入隊して粛清されるまでの物語。
④池田屋異聞
まさかの忠臣蔵に繋がる物語。主人公・監察山崎烝
⑤鴨川銭取橋
新選組を裏切った軍学師範武田観柳斎血の粛清までの物語。
⑥虎徹
近藤勇と愛刀虎徹(ニセ物)の物語。
⑦前髪の惣三郎
美少年隊士加納惣三郎を巡る男色ネタの物語。
⑧胡沙笛を吹く武士

豪胆勇猛な隊士だった鹿内薫が妻子可愛さから命を惜しむようになり「士道不覚悟」で粛清されるまでの物語。
⑨三条磧乱刃
新入隊士国枝大二郎から見た「弱いのに」六番組組長を務める井上源三郎の物語。
⑩海仙寺党異聞
人の良い隊士、長坂小十郎が同郷隊士の仇討ちをする羽目に陥っていく物語。
⑪沖田総司の恋
沖田総司と町医者の娘との悲しい恋物語。近藤勇の沖田を大事にする思いが仇に。。。
⑫槍は宝蔵院流
家柄・槍術からいきなり幹部に取り立てられた谷三十郎、弟を近藤勇の養子にも入れ一時権勢を振るうが、その後粛清されてしまうまでの物語。主人公・斎藤一。
⑬弥兵衛奮迅
薩摩藩からの間者、富山弥兵衛の物語。
⑭四斤山砲
永倉新八の縁者を名乗り砲術頭となった大林兵庫と、それまで砲術頭だった阿部十郎、鳥羽伏見の戦いで大砲対決に至る物語。
⑮菊一文字
沖田総司が刀屋から借り受けた鎌倉時代の名刀「菊一文字」にまつわる物語。