鼠の地獄猫の極楽 価値は相対的なもの 二宮尊徳 | S blog  -えすぶろ-

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-人は年をとるから走るのをやめるのではない、走るのをやめるから年をとるのだ- 『BORN TO RUN』より
走りながら考える ランニング・読書のブログ

争論の生ずる、

その居処を定めざるにあるなり。

熱地に居る者は清涼を喜ぶ。

これ清涼を好むにあらず。

熱地に居るが故なり。

寒地に居る者は温暖を喜ぶ。

これ温を好むにあらず。

寒地に居るが故なり。

いやしくもその居処を定むれば、

即ち何の争論か之あらん。


二宮尊徳



常に現実の問題を解決するために

考えて実行していた二宮尊徳ならではの

含蓄深い言葉です。

世の中の価値は常に相対的なものだ、

ということを表した尊徳の歌にこんなものもあります。

ちうちうと 嘆き苦しむ 声きけば 

鼠の地獄 猫の極楽



例えば「熱地対寒地」という対立は

会社だと営業部門と生産部門など

部門間で起こる対立などに当てはまります。

熱地に居る者は『清涼』を喜び、

『清涼』になることこそ、

誰にとっても絶対的にいいことと考えてしまいますが、

寒地に居る者にとっては『清涼』は不快であって

『温暖』こそが求めているもの。


自分が受ける感情や自分の価値観は

絶対的なものに思えてしまうもので、

そこから周囲を批判したり、

責めたり、争ったりしてしまいますが、

全ての価値は相対的なもの

『鼠の地獄・猫の極楽』

『熱地の清涼・寒地の温暖』

です。

自分のスタンス次第で

世の中が変わってしまう、ということでもあると思います。


以前にも何度も紹介していますが

『七つの習慣ティーンズ』に出てくる

『ヒースロー空港のクッキー泥棒』の話をついでに。


ある女性が旅の途中、

ロンドンのヒースロー空港で待ち時間ができました。

彼女はコーヒー一杯とクッキーを一袋買い、

混雑している待合室で席を見付け、

腰掛けて朝刊を読んでいました。

すると誰かが同じテーブルでかさかさ音を立てています。

新聞の陰から覗いて見ると・・・

なんと、

きちんとした身なりの若い男性が

彼女のクッキーを失敬しているではありませんか。

騒ぎを起こしたくなかったので、男性には何も言わず

彼女は身を乗り出してクッキーを一枚取りました。

一分程すると又かさかさと音がします。

男が一枚またクッキーを失敬しているのです。

彼女はひどく頭にきていましたが

文句を言う勇気はありませんでした。

そして、袋の中のクッキーが最後の一枚になった時、

なんと、その男は、

その最後のクッキーを半分に割って彼女に渡し、

もう半分は自分で食べて去っていきました。


暫くしてアナウンスがあり、

搭乗手続きが始まりましたが、

まだ彼女の怒りは収まりません。

そんな彼女が搭乗手続きのため

ハンドバックを開けると、

なんとバックの中には・・・






さっき食べ終えたはずの

自分が買ったクッキーの袋が・・・






そうです。

他人のクッキーを食べていたのは

男ではなく彼女の方だったのです。




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