オンラインサロン『ふみサロ』で、毎月1冊の本からインスパイアされてエッセイを書いています。


8月の課題図書は『絶滅危惧動作図鑑』(藪本晶子著)です。


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【エッセイはここから】

 

 うちの家業である「西陣織」は京都で1200年の歴史がある織物です。

多色の経(たて)糸と緯(よこ)糸の複雑な組み合わせから成る、豊かな色彩と華やかな紋様が特徴です。

 

 

 

 1872年(明治5年)京都府が西陣の織工3名をリヨン(フランス)に派遣し、当時最先端織物技術であった「ジャカード織機」というものを持ち帰ったことにより、西陣の産業革命が進んだと言われています。

 

 

 

 これまで家業に全く関わってこなかった私ですが、一昨年、3代目である兄の誘いで、うちの店の手伝いをすることになりました。

手始めに取り掛かったのは、ナンバリングされた沢山のフロッピーディスク(FD)を番号順に整頓することでした。

 

FD、懐かしい...)

 

既に絶滅したか、と思われていたこの記憶媒体が(2011年に生産終了)、西陣においては今だ“バリバリの現役”として活躍していたのです!

 

 

 

 私が子供の頃は、「紋紙(もんがみ)」と呼ばれる厚紙がありました。

この紋紙には、一定の規則に従って穴が開けられており、その紋紙をジャカードに読ませ、経糸を選択的に上げ下げすることによって、意図した柄が織られていました。

どうやら、この紋紙に取って代わったのがFDのようでした。

 

 

 

 現在、西陣を支えている職人さんの半数が70代以上と言われています。 

 

 ・ 高齢の職人さんにとっては、新しい電子機   器の操作を覚えるのが大変

 

 ・ 手仕事が主である為、必ずしも最新の高度なシステムにする必要がない


 ・ 費用をかけて新しい機械を導入しても、この先も続けていく後継者がいない

 

などの要因から、現在でもFDが活躍しているようです。

 

 

 

 これまで何十年も全く関わってこなかった私が語るのは、おこがましいと思いつつ、

ここまで続いてきた貴重な伝統技術を、そして「西陣織」という伝統産業を何とかして守っていきたいと思わずにはいられません。

次世代につなげるために、私には何が出来るのか、これからも模索の日々が続きますー。


【ここまで】