うちの男(夫)の好物の一つにカレーがある。

「今日カレーだよ」言おうものなら「カレーだカレーだ」と子供のように喜ぶ。

必ずおかわりして、食後に苦しくなってひっくり返るまでがセット。


結婚してからカレーの肉は牛肉になった。

実家のカレーは豚肉一択。父が牛肉を一切食べないし母は鶏肉の匂いが好きくない(好きくないと言うのは母方の方言か?)とのことで豚肉カレーがデフォルトである。


新婚当時にカレーを作るにあたり、貴様の実家のカレーはどんなのだったかと夫にヒアリングした。

「肉は牛肉で、ごろっとしていた。野菜はじゃがいもにんじん玉ねぎのシンプルなやつ」


へー!ごろっとした牛肉か!さすがブルジョワ育ちは違うねーと思いつつ好物のカレーだからお望み通りにしようとごろっとした牛肉にシンプルな根菜のカレーが我が家の定番となった。


カレーを作るのはたいがい週末で、多めに作って義母宅にお福分けをする。一人暮らしだとカレーを作るのは面倒だろうから。


結婚して数年経った先月、義母の一言で真実が発覚した。

「ケビ子さんのカレーは家庭用という感じじゃないわね。このお肉!」

夫が義母の感想を教えてくれた(私は義母宅に行っていない)。

夫は義母がお肉が豪勢で喜んでいたと理解したようだが、これはもしやごろっとした牛肉説を覆すサムシングかもしれないぞ?とピンときて夫に注文した。


「ふーみん(義母)に実家のカレーのお肉は何だったか聞いてきて」


もしかしたら牛肉の小間切れ説もあるかもしれないと思ったからだ。

後日再び義母宅に行った夫は言われた通り確認してきた。そして「おかしいなぁ、おかしいなぁ」と記憶を辿っていた。


夫の実家のカレーも豚肉であった。

小間切れがごろっとかはわからないが義母のふーみんの証言が取れたのだ。

牛肉だと思い込んでいた夫は少しショックを受けていた。


そんなわけで、久しぶりに豚肉のカレーを作って義母のふーみんに献上した。

ちなみに豚肉は1キロ入っている。




豚肉のカレーはなんだか懐かしい味だった。

父ちゃんあの世で元気かな?と思い出す豚肉カレー。


たまに牛肉、たまに豚肉のカレーにしよう。

美味しければ何でもいいよね。



にゃおす🐈

ケビ子