夫の車がそろそろ車検のため、事前見積もりに行った。

今回のことでよく理解したのは、夫は外的要因がないと大きな買い物の決断ができないということ。本人も認めていた。


都合18年乗った愛車は前回の車検でもまあまあの規模の修理が入り、そして今回の見積もりで相当な修理が必要と言われ、いよいよ乗り換えの時が来たと言った。

それでもまだ悔しいようで未練が残る様子。


私としては男の買い物なので本人が好きなものを買うのが1番だと思いほうっておいた。


翌日、あれこれと自分で調べてメーカーを3つに絞り、10車種に魅力を感じてリストを作っていた。


この調子で土曜日は朝から販売店を巡る旅をすると言う。

こりゃのんびりできて良いやと思っていたら「君にも来て欲しい。僕は優柔不断だから不安だ」と言われ、また「車や家とか大きな買い物は奥さん同伴だとこの客本気だなと思われて営業マンのスイッチが入る」と夫が言う。


妻同伴じゃなくても営業マンはスイッチ入ってると思うが、まあそれも一理あるのだろうか、販売店に向かう途中の喫茶店でモーニングを食べようと言われて「そういうことなら、まあ」と行くことにした。


平日はパンを我慢しているので土日のパンはご馳走である。販売店の開店時間に合わせてモーニングを食べるのでまあまあ早起きだが仕方ない。


夫の本命は昔から憧れていた某メーカーの上位モデル。しかし最初の販売店でリストに上げていた車を見て矢を射抜かれた様子。

何を聞いてもスラスラと答えてくれる頼もしい営業マンにあれこれ聞いてみるも決められない。


2軒目。

ここは夫が何度か1人で車を見に行ったことがあり、馴染みの営業マンがいる。その方に接客してもらい大本命を見せてもらった。

夫の表情が変わる。見るからに嬉しそう。

散々質問して手付の話をしたところ「乗ってみますか」と試乗させてもらえることになった。

普段はやってないが、特別にとのことで営業マン曰く「乗ったら決めちゃいますよ。そういう車です」と自信満々。


私も後部座席に乗せてもらい、近所を走る。

するとどうだろう、後部座席はゆったりしており、アルカンターラのスベスベシートが心地よくこともあろうか爆睡してしまった。


販売店に戻り営業マンに「乗り心地はいかがでしたか」と聞かれ後「寝てましたね」とも言われ、それがワシの回答じゃいと抜群の乗り心地を証明した。


夫からも試乗車で寝る人なんて聞いたことがない。君が初めてだよ。と大笑いされた。


ぐぬぬと恥ずかしい気持ちでいっぱいになったが、夫が義母を後ろに乗せることも考慮してゆったりしてるのは良さそうだとますます気に行った様子。


3軒目の販売店にも念のため見に行き、迷いながらもやはり先ほどの大本命にしようと決断した頃には日が暮れていた。


モーニングを食べて寝ていただけなのに「君のおかげで気にいる車が買えた」と感謝されて喜んで良いのか何なのか。


契約と納車はよき日を選んでする予定。





大きなサンルーフが決め手。




にゃおす🐱

ケビ子