48年間も不当に身柄を拘束されていた袴田さんがようやく釈放されました。信じ難い、許されない冤罪事件です。

日本は冤罪事件であふれています。冤罪によって不当に身柄を拘束されているのは拘置所にいる人だけではありません。

それよりもはるかに多い割合で不当に身柄を拘束されているのは、言うまでもないでしょう。精神病院に閉じ込められている人です。

袴田事件ですら、裁判が開かれ、弁護士が付いて本人にも弁明の機会が与えられていました。しかし、一切弁明の余地なく、精神科医に一方的な判定のみで身柄を拘束されているのが強制入院被害者です。

どんな凶悪な犯罪者に対しても国選弁護士をつける権利が与えられ、公開の法廷で弁明したり争ったりするチャンスが与えられていますが、精神障害と判定された人には一切そのような権利はありません。どれだけ正常な人であっても、精神科医に判定されたらそこで全て終了です

精神病院には、50年以上閉じ込められている人がいます。私が最初に視察にいった精神病医では、職員が「当院には、戦後すぐから50年以上入院している患者さんがいるんですよ。ハハッ!」とまるで他人事のように紹介していたのが衝撃的でした。その人が本当に病気だったのかすら確かめる術はありません。

精神科病院に強制的に入院させられている人には、袴田さんの
ように再審によって名誉を回復するチャンスもありません。精神医療審査会は機能しません。扱いは死刑囚以下です。強制的な投薬や隔離・拘束は拷問に等しいのです。

確かに、検察もねつ造をします。しかし、司法のねつ造冤罪事件と強制入院のねつ造冤罪事件とでは、被害の数も割合も、おそらく5桁以上は違うでしょう。同列で扱える問題ではありません。

検察は立証する責任があり、弁護士はそれに反論することができます。しかし、医療保護入院の場合、その患者を入院させたい親族の話が本当かどうか立証する必要はありません。精神科医は、患者の訴えを「病識がない」としてはじめから採用するつもりはありません。何の立証責任もない検察の主張が一方的に採用され、被告には一切弁明の機会がないまま終了する裁判のようなものです。冤罪が起きるのは当たり前です。

多くの人が以前は検察がねつ造することなど想像もできなかったように、精神科医がどれだけ根拠のない強制入院をさせるのか想像できないままでいます。

是非知って下さい。精神医療界では、何万もの袴田事件が起きているということを。


拉致監禁事件で有名な成仁病院
http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/54508299.html)は、SEIJINという文字にちなんだ理念を掲げています。SEIJINのJは、Justice(正義)という意味らしいです。
http://www.seijin.org/page/2

「ヒポクラテスの誓い」に象徴される高い理念と使命が、私たちの実践する医療です→何ら精神疾患を有しない人に対して妄想で病名をつけ、説明も話し合いもなくいきなり注射を打って意識を失わせ、そのまま電気ショックをかけるという治療がその高い理念と使命に則った実践のようです。

そして、恐ろしいことにこの病院は4月から措置指定病院となります。つまり、措置入院を受け入れることのできる質の高い病院として認定されたということです。来月から、成仁病院は正義の執行者として次々と電気ショックをかけていきます。


冤罪で死刑執行してしまったかもしれない事件があります。とんでもない事件ですが、これも精神病院では日常茶飯事です。