昨夜は当然、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会の傍聴に行ってきました。議論の多い「リタリン」と「コンサータ」に関するテーマなので、マスコミを始め、多くの人々が傍聴に来ていました。結果は報道をご覧下さい。
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/10/18/d20071017000183.html
「リタリン」処方を制限へ(NHKニュース2007年10月17日)
「リタリン」は、うつ病と睡眠障害の治療に使われていますが、化学構造が覚せい剤と似ているため、患者が依存症になったり若者を中心に乱用が広がったりすることが問題になっています。このため、製薬会社の「ノバルティスファーマ」は、薬の効能・効果からうつ病を外すことを決め、厚生労働省に申請しました。審議の結果、うつ病については新たな治療薬も開発されているとして効能・効果から外し、うつ病の患者には処方できなくすることにしました。さらに、睡眠障害についても、安易な処方を防ぐため、診断や治療に詳しい医師や医療機関、薬局だけが扱えるようにして、流通を制限することにしました。製薬会社は、第三者委員会を設けて処方できる医師などを認定し、それ以外には来年1月以降、リタリンを販売しないことにします。このほか、物事に集中できないADHD=注意欠陥多動性障害の治療薬として申請された「コンサータ」という薬についても、成分がリタリンと同じことから、処方できる医師などを制限することになりました。処方の制限は、医療用の麻薬や一部の抗がん剤で行われていますが、向精神薬では初めてです。厚生労働省審査管理課の中垣俊郎課長は「流通管理を麻薬並みに厳しくして、ほんとうに必要な患者以外は手に入らないよう対策を徹底していきたい」と話しています。
http://www.asahi.com/life/update/1017/TKY200710170324.html
リタリン、うつ病の効能削除 厚労省
2007年10月17日20時32分(朝日新聞)

 厚生労働省は17日、薬物依存が問題になっている向精神薬「リタリン」について、うつ病に対する効能を削除することを決めた。効能を睡眠障害の「ナルコレプシー」に限定。来年1月にも、処方できる医師や薬局を登録制にするなど厳しい流通規制を始め、医師の安易な処方に歯止めをかける。 

 製造販売元のノバルティスファーマが同日、うつ病の効能削除を申請し、同省の薬事・食品衛生審議会の部会で承認された。ただ、「末期がん患者のうつ症状改善にはリタリンが必要」とする意見を受け、医師の管理下で行う治験に限って末期がん患者に処方できる方法を残した。 

 同社は専門医や医療機関のリストを作成。薬局は処方する時にリストの確認を求める。 

 また部会は、リタリンと同じ成分を含む「コンサータ」を、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療薬として発売を認めた。リタリンと同様の厳しい流通規制をする。 
リタリン:うつ病削除を厚労省部会が了承
 乱用が広がっている向精神薬「リタリン」について、厚生労働省は17日、薬事・食品衛生審議会の部会を開き、製造販売元の「ノバルティスファーマ」(東京都港区)が申請した適応症からうつ病を削除することを了承した。近く審議会薬事分科会に報告され、了承されれば今月中にも正式承認される。承認後はナルコレプシー(睡眠障害)にしか使えなくなる。処方できる医師も登録制にするなど厳しい流通管理策が併せて導入されることになり、乱用への有効な歯止めとなりそうだ。

 部会では、小児期における「注意欠陥多動性障害(ADHD)」の国内初の治療薬として「ヤンセンファーマ」(千代田区)から承認申請が出されていた「コンサータ」についても論議。リタリンと同じ塩酸メチルフェニデートが成分に含まれ依存性が強いとして、同様の流通管理策を条件とすることで了承された。リタリンと同様に薬事分科会に報告し、承認される見通しだ。

 両社が部会に報告した流通管理策によると、両社はそれぞれ専門医や弁護士ら外部の有識者による第三者委員会を設置。ナルコレプシーとADHDの診断能力のある医師や医療機関だけが処方できるようにし、医師名などをリスト化して管理。調剤薬局も同様の名簿を作り流通段階でもチェックを徹底する。ノバルティスファーマには来年1月1日までに流通管理策を実施するよう要請。ヤンセンファーマに対しても、コンサータが発売されるまでに整備するよう求めた。厚労省は「麻薬並みの厳しい流通管理になる」と話している。

 一方、この日の部会で、日本精神神経学会などから、リタリンについて末期がんの患者の抑うつ症状の改善薬として新たな適応を求める要望も出された。しかし、「現段階では科学的な根拠に基づく治験(臨床試験)報告が乏しい」などの意見があり、認められなかった。このため今後、関係学会で治験を進めることが確認された。【精神医療取材班】

毎日新聞 2007年10月17日 22時53分
 リタリンを安易に処方し、薬物依存者を作り出してきた精神科医の罪は重い。そもそも、うつ病の効能を取り下げるきっかけとなったのも、安易に処方する医師がいるからである。本来患者を治すべき精神科医が、患者を薬物依存にさせるなど、普通の人が聞くとにわかに信じ難い話です。

 散々安易にリタリンを処方しておきながら、報道で問題になるや、すぐに処方を切った精神科医もいます。一体患者のことを何だと思っているのでしょうか。依存の危険性も、急に薬を止めることによる離脱症状の危険も知っているはずです。患者が危険な目に遭うことよりも、自分の評判や経営が大事なのでしょう。

 さらに言うと、依存の危険性はリタリンだけに留まりません。簡単に出される睡眠薬や抗不安剤も、強力な依存性があります。SSRIには依存性がないと言われていますが、止めようとすると強烈な離脱症状に襲われて止められないというカラクリがあります。このようにして、薬に依存してしまったり、止めたくても止められない状態に追い込まれている患者は数え切れないほどいます。

 精神科クリニックが乱立し、患者を薬漬けにするしかできない危険な精神科医が多くはびこる中、子どもへの投薬を推進するような薬が承認されてしまうことは大変危険でした。コンサータに関しては、何とかその縛りを入れることができました。内容はまだまだ甘いですが、麻薬並みの縛りを入れられたことは大変意義のあることです。もしもこの薬が、誰でも処方できるようになっていたら大変でした。お隣韓国では、子どもを精神科クリニックに連れて行くことが、いわばファッションのようになっているようです。美容整形もはやっているようですが、同じような感覚で、子どもに集中力をつけさせたり、勉強でいい成績をとらせたりするために精神科クリニックに行き、メチルフェニデートを服用させるようです。

 他国と比べると、日本はまだかろうじて正気を保っているようです。コンサータは多くの国で承認されていますが、これほどの縛りを入れられた国はないのではないでしょうか(まだ調べていませんが)。米国や韓国のように、周囲の勝手な都合で子どもを危険な薬にさらすようなことだけは避けないといけません。

※10月17日の午後9時半過ぎNHKで放送されたニュース特集(上記リンク先で、動画ニュースで見られます)を録画した方いらっしゃいますか?ビデオ録画に失敗して凹んでます。どなたか譲っていただけませんか。