先日、NHKニュースで若年性認知症の男性のドキュメンタリーを観る機会があった。

 

 病気を告知された時の思い、世間の理解が不十分な現状、絶望の淵からの歩みなどが取材されていた。

 

 ニュース内のドキュメンタリーで短くまとめてあったけれど強く心に響く内容だった。その方は、職場や世間の理解を得られず苦労されたことや心労で鬱状態に陥ったことなど大変な経験をされていた。

 

 その方の救いとなったのは、支援団体の人からの助言で、詩(うた)を書いて絵を添える絵手紙の創作活動を始められ、不安を抱きつつも病気と共に生きていくという気持ちになられたことだとか。これまでの作品の個展も開かれるそうだ。

 

 その方の詩(うた)は素朴でありのままの言葉で力強い。これからもずっとそういう言葉を紡いでいって欲しいなと私は思ったのだった。きっと多くの人の心に想いが伝わっていくことだろう。

 

 もう一つ、私が強く印象に残っているNHKのドキュメンタリーがある。放送は数年前で内容は若年性認知症を患っておられる男性が福祉の先進国の北欧などを訪ねる内容だった。いろんな人に出会い、同じ病気の人たちとの交流を通してどういう心境に至ったのかが取材されていた。その男性は前日の出来事を翌日には記憶を失くされるため、毎回経験したことをノートに書き記されていた。この旅にによって自分が得たものは何だったのかなど男性自らが語られ、苦悩をしつつもなんとか懸命に考え、生きていこうとされている姿に大変共感を抱いたのを覚えている。

 

 その後、男性がお元気にしておられるかな、今でも度々気にかかる時がある。

 

 認知症の方に限らず、障害を持つ方や経済的に困窮している方などが生きにくい社会は、結果的に国民全体が生きにくい社会であるという記事を以前読んだことがある。

 

 みなさんはどう思われるだろうか。