私が家人の病気の事情で、構築していたフルサイズのオーディオ環境を手放してから随分と経った。オーディオ入門用のセット環境だったけれど、それでも音量は大きく鳴るのでなかなか開放的には聴く機会がなかったので、それからはPCオーディオ環境を構築してヘッドホンで音楽を鑑賞していた。
それで充分満足はしていたのだけれど、先日テレビで、音楽の脳への効果を伝える番組を視聴したのがきっかけで、この記事のタイトルにあるスピーカーを購入するに至ったのである。番組では、例えば認知症予防などの効果を発揮するにはイヤホンなどでは不十分で、スピーカーで音楽を身体で感じた方がいいのだと言っていた。
私も単純だから、「なるほど〜」と勝手に納得して、スピーカーでもう一度音楽を聴いてみたいという気持ちに至った次第なのである。
でも、やはり、以前みたいにフルサイズのステレオを構築するわけにはいかない。それにまた機材を揃えるとなると、この物価高の中いったい幾らかかるかわからない。入門機といえど価格は高くなっていることだろう。
そこで、情報収集を始めたわけだけど、調べてみると、今は、PCゲームも流行っていることもあってかな、PC用スピーカーのラインナップが充実している印象。PCオーディオ環境の私としては、好都合である。
今人気のブランドはEDIFIERという中国のメーカーらしい。オーディオ製品の賞も受賞しているようで、レビューを見ても概ね評判はよかった。なんと一万円台の製品でもいい音がするというではないか。
以前、数千円のPC用のスピーカーを購入して轟沈した経験があるので、そう言う製品よりは音質はいいのだろうとは思ったけど、それでも”いい音”として感じられるか私は懐疑的だった。
私の住む街は田舎なので視聴できる環境もなく確かめようもなかったので、AIに疑問点を質問しまくった。AIは私のしつこい質問にも怒ることもなく?!、丁寧に説明してくれた。これがお店の店員さんだったらいささかウンザリされていたことだろう。私のような小心者にはAI様様である。
というわけで、いくつかの製品を検討した結果、最もコスパがよいと思われるEDIFIERのMR3の購入となったのだった。YouTubeにもレビュー動画がかなりアップされているけど、案件動画も多くて中々鵜呑みにもできないかなとも思ったので、決め手になったのはAIとのやりとりの意見だった。
私は所持しているZEN DACというアンプを最大限に活かしたかったので、ワイヤレスではなくケーブルで接続できるこのモデルが予算的にも私にとっての最適解だったのだ。上位機種でワイヤレスでも音質がいいモデルもあったけど、私は、ケーブルの方に少し予算を回して、いい音質で聴きたいとも思っていたので。
AIの意見によるとMR3はケーブルを変えると同メーカーのMR60より音質が上になる可能性があると。このことも私の背中を押したのだった。でも、モノが届いて実際に聴いてみないとほんとのところは分からない。正直、MR3が届くまで、失敗したかもという思いは拭えなかった。
そして数日後、製品が届いていざ、開封!
製品の質感に対しては期待はしていなかったけど、マット仕上げで、意外に安っぽさはなかった。寧ろ高価格帯の製品に見えなくもない。それで、この日のために準備していたモガミ製のケーブルを接続。
PCの前で腕組みをしていざ視聴!
「ほうほう、これは充分高音質ではないか。なるほどこういう鳴りっぷりか」と感心した私であった。PCスピーカーということもあって音が部屋全体に広がるというよりPC周辺で音に包まれる感覚。部屋中に響いているように聴こえるような錯覚もある。謳い文句であるモニタースピーカーとしてよりはリスニング向きかも。
果たして結果は、評判に偽りはなかった。
MR3の場合、高音質化を求めるならば、ケーブルもそうだけれど、スピーカーの設置状態も考慮する必要があるなと。私のデスク周りの環境だと本体直置きでリスニングポイントが下になってしまうので、別途スピーカースタンドを用意した。これがまた、買うとなると悩ましいくらいそんなに安くはない。幸い私の家には父が日曜大工をしていた頃の工具や木材の切れっぱしなどがあったので、これらを利用してスタンドをDIY。
たかがスタンド、されどスタンド。スピーカーを乗せるだけで音の響きが劇的によくなるのである。
低音の扱いにも工夫が必要なようだ。私の環境の場合低音が強過ぎであったので、所持していたインシュレーターをスピーカーの下に置いて調節した。それでもまだ、低音が出過ぎているようなので、バスレフにティシュでも詰めるかなと検討中。
MR3のいいところは、PC用の小型のスピーカーでありながら、自分なりの音の鳴りっぷりをあれこれ工夫できる楽しみがあることかな。別に何もしなくてもノーマル状態でも普通にいい音質だと個人的には思うけれど。
それにしても、低価格でこれだけの高品質なモノを作られると日本のオーディオメーカーも駆逐されていくわけですなぁ。
因みに本記事は案件ではありません。個人的な率直な感想であります。
