中国の南沙諸島への戦略 | 三木けえオフィシャルブログ「実行力。維新」Powered by Ameba

中国の南沙諸島への戦略

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中国の南シナ海でのサンゴ環礁の埋め立てとその周辺の位置関係についてもう少し詳しく述べますと、海南島は日本統治時代からの拠点で、ここの亜龍湾に一大海軍基地を建設しています。

ウッディー島の埋め立て地には2千4百メートルの滑走路の建設が既に終了しており、市庁舎や軍事施設なども完成しています。
中国はリゾート地を造っているのだと言っていますが、軍事基地の機能を有していることは明らかです。

その他に、ジョンソンサウス環礁が埋め立ての中心と思われていましたが、その後の衛星写真などでファイアリークロス環礁が中心であると判明しました。ここは全長3キロメートル級のサンゴ礁ですが、埋め立てにより3千メートルの滑走路と水深15メートル程度の港を建設しています。

そして、スカボロー島ですが、二年前にフィリピンの隙を狙って中国が実効支配してしまいました。
ここは非常に大きな環礁で、一辺が大体23キロメートル、15キロメートル、16キロメートルの三角形をしています。中国は10年という時間をかけてでもここの埋め立てを完成し、ここに軍事基地を築く準備をしていると思われます。

現在は南沙諸島の海域の13の島は、ベトナム、フィリピン、台湾、マレーシアが押さえていますが、中国がこれらの埋め立てを完成させ、ファイアリー島、スカボロー島、そしてウッディー島と大規模かつ本格的な滑走路と港湾を有する軍事基地が完成することとなれば、途端に南シナ海のパワーゲームは一気に変わる可能性が大きいことになります。

埋め立てが終わるのは5年先なのか10年先なのか、少なくとも中国はこれを完成させようと日々行動を起こしているのは事実です。

そしてこれが完成するまでは、南沙諸島以外での摩擦や衝突は避けたいのが本音だと思います。

こういった状況を把握するということが、まず大切なことではないでしょうか。

続く→
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