夜郎(やろう) | 二文字熟語

二文字熟語

漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

夜オオカミ
 今日は、夜郎(やろう)という言葉です。

 “やろう”で辞書を引くと、「野郎」という言葉が出てきますね。この言葉は、男をののしって言う語で、よく“馬鹿野郎”などと使っています。これに対して、今日、取り上げる「夜郎」ですが、実はこの言葉は、昔の中国の漢(かん)の時代、その国土の広さを知らず、尊大に振る舞ったある異民族の事を指していたそうです。この“夜郎”という言葉から、『夜郎自大(やろうじだい)』という言葉が生まれています。その意味は、後ほど。

 さて、夜郎(やろう)ですが、夜(や)は、よる、暗いうちetc.の意味です。郎(ろう)は、年若い男子の美称、奉公人etc.の意味があります。すなわち、夜郎(やろう)の意味は、暗がりの中でたたずむ男...か。深い意味は無さそうですね。

夕陽に向かって走れトボトボ
 ところで、『夜郎自大』の意味です。先ず、“自大”の意味ですが、簡単に言えば、偉ぶることですね。従って、夜郎自大とは、能力も力もないのに偉ぶる嫌な人物を指す言葉です。公僕で有るべき政治家や官僚が、国民に対して尊大な態度をとる場合などに、批判的に使われるようです。人はとかく自分の姿は見えないもの。謙虚に生きましょう。