今日は、空虚(くうきょ)という言葉です。
自分の居場所がある・・例えば、自宅。例えば、職場。あるいは、学校など、自分の居場所があるということは心を満たしてくれる空間があるということです。時間の経過とともに、自分の居場所は変わってきます。言い方を変えれば、今迄の居場所がなくなって、新しい居場所ができる。そんな事ですが、今迄の居場所がなくなることについては、心の中に、隙間風が吹くような空虚(くうきょ)感にとらわれることもあるでしょう。ただ、同時に、新しい居場所が必ずでき、新しい環境に順応していくことも確かです。
さて、空虚(くうきょ)ですが、空(くう)とは、何もない、空にするetc.の意味がありますが、仏教では、因縁の作った仮の相で、実体のないことを意味します。また、虚(きょ)とは、中身が無い、空っぽ、実が伴わない、邪心を持たない、用意を怠る事、油断etc.の意味となります。即ち、空虚(くうきょ)とは、一言でいえば、実態のないこと。
空虚感、あるいは似た言葉に虚無感というものもあります。優しく言えば、“虚しさ”となりますか。実は、この空虚、虚無、虚しさ、等々の言葉には、実体のないものに、人の心が揺さぶられる妄想のようなものではないかと感じているところです。人生いろいろですが、実態のないものに対して恐怖心や空虚感を感ずる事が無いよう、心強く持ちましょう。