目線(めせん) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

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 今日は、目線(めせん)という言葉です。

 人それぞれ、今おかれている立場というものがあります。これがクセモノで、他人と接するときの言動が、どうしても自分の目線(めせん)になりがちです。相手の立場、相手の考え方、相手の感じ方等、相手がどのような感覚で物事を捉えているかを、ついつい忘れがちになります。例えば、皆様が、ある会合で話をすると仮定しましょう。その際に、自分が伝えたい思いが先走ってしまうと、相手が聞きたい内容と大きな乖離ができてしまうことがあります。相手が聞きたいことを話さなければ、相手は自分の話に耳を傾けてくれない。こんな当たり前の事を、私たちは忘れがちになります。

 さて、目線(めせん)ですが、目(め)には、眼球、見える事、ある物事に出会う事、体験、局面などいろいろな意味があります。また、線(せん)には、面の上に引かれるすじ、道筋、精神的な力の強弱etc.を意味することがあります。即ち、目線(めせん)とは、自分の眼前に引かれている道筋・・その意味は、道理と置き換えても良いかも知れません。目線(めせん)という言葉を辞書でみると、視線あるいは見る方向....という解説があります。

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 私たちが日本社会の中で生きていくためには、思いやりの心が必要です。これは、日本の長い伝統や文化の中で培われた日本人の美徳でもあります。自分自身の価値観はあるにしても、他人に接する場合には、自分ではない相手の目線で物事を捉えてみる。そうすることによって、自分の言動が、他に受け入れられるようにもなり、自分自身の成長にもつながる。こうした考え方は、日本人に共通するものではないか、と考えるのは間違いでしょうか?世界を見渡すと、様々な宗教、価値観、道徳観があり、必ずしも一致しないことも多い訳ですが、“他人目線で物事を考える”という習慣は、少なくとも日本社会の精神的な成熟度、道徳心の高さの現れだと、自信をもって良いと思います。