視野(しや) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

クローバー日本(本州中心
 今日は、視野(しや)という言葉です。

 昨今、しみじみ思うのは、政治家に求められる視野(しや)の広さ、それに加えて教養の深さでしょうか。国に品格が求められるように、国の舵取りを任せられる政治家には、目先のことに捉われない広い視野、そしてその裏づけとなる幅広い知識と教養が必要になります。ここ数日の間に、憲法問題に関する自民党・高市氏の失言、かと思えば、突然の橋本市長の従軍慰安婦発言あるいは沖縄米軍への風俗活用発言、いったいこのような人達のどこに、国のリーダーとしての品格があるのか、これっぽっちの品格もない。誠に下品だ、としか言いようがない。合わせて言えば、歴史認識という言葉が、批判する中国・韓国から飛んでくる一方、日本からも、歴史認識という言葉が発せられる。どれだけ深く、正確に知った上での論戦か、誠に疑問。感情先行、知識希薄。これでは、話し合いにならない。少し前の、河野さんや、村山元総理の時代の方が、今の時代より遥かに現実を見据えていた気がします。

 さて、視野(しや)という言葉です。視(し)とは、気をつけて良く見る、・・と考える等の意味があります。野(や)には、のはら、人の手が加わらない、洗練されていない等の意味があります。視野(しや)とは、そのものの実態を気をつけて理解する・・といった意味になりそうです。

地球むすび丸
 政治家にとって、こうした視野(しや)の狭さは致命的です。もう一つ付け加えると、時代認識の欠如。それから、民意を正しく理解できているかどうか。今の自民党政権は、確かに民主党政権にくらべると、安部総理の強いリーダーシップの下で、日本の経済社会に活力を取り戻す具体的な施策を続けざまに打っているのは大きく評価できると思います。・・が、戦後レジームからの脱却【注】という割には、国立の戦没者追悼施設の建設を否定し戦争の余韻を引っ張る靖国参拝に強い拘りを示し、その都度、それを中国・韓国の反日活動に利用されるというすきだらけの行動をとっている。誠に矛盾している。相手が漬け込む隙の無いように、もっと知恵を絞れるはずなのに、カビの生えた時代錯誤の空気が払拭できない自民党政権。いずれまた、破綻がくることのないよう、安部さん、お願いします。

【注】安部総理がいうところの、戦後レジームからの脱却の意味は、”日本は、外国に馬鹿にされない、国際的に尊厳のある『真の独立主権国家』へ変貌を遂げるべき転換点に来ている。その第一歩として、自虐史に終止符を打ち、正しい歴史観を持つ事が重要。”ただこの自虐史に終止符を打つという事は、過去の歴史的事実を否定することではなく、歴史的事実は事実として認めた上で、戦没者の慰霊も、戦争の犠牲になった多くの国民全体を慰霊する国立の追悼施設で行うとか、世界各国が、なるほど日本!と賞賛される姿に変貌することだと、私は理解しています。その意味で、安部総理の果たす役割は、今までの自民党の延長線上で考えるのではなく、世界の中の新しい日本という観点で、日本の舵取りを行って欲しいということです。