秋色(しゅうしょく) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

う~う~う~はっぱ
 今日の言葉は、秋色(しゅうしょく)です。

 昨晩、関東地方を直撃した台風15号。あちこちに爪あとを残し、今朝は北海道で吹き荒れているようです。今年、日本列島を直撃した台風は2つ。沖縄を直撃した台風を合わせると、結構な数になると思います。台風シーズンもこれで終われば有難い。本格的な秋を迎えると、山々が色づき、色鮮やかな赤や黄色で埋め尽くされる。まさに、秋の色に染まることになります。

 さて、秋の色。秋色(しゅうしょく)という言葉です。秋らしい気配や感じ。また、秋の景色のことを意味します。”秋色が深まる”等と使われます。秋(しゅう)とは、四季の一つである秋を表すほか、事に当たっての大事なときを意味する場合もあります(例:危急存亡の秋(とき))。色(しょく)は、いろ、人の顔の表情、男女間の愛欲の情、ものの形、かたちあるもの等のほか、この世の中の感覚的に意識される一切のもの・・を意味することがあります。仏教の言葉で、”色即是空”などがその用法の一つで、”色即是空”の意味は、この世の万物は形をもつが、その形は仮のものであって、本質は空(くう)であり、普遍のものではないということとなります。

きらりはっぱ
 秋色(しゅうしょく)という言葉には、秋という季節の風景をイメージさせるほか、愁色(しゅうしょく)という言葉と音が重なります。愁色(しゅうしょく)とは、憂いに沈んでいる様子を意味します。秋色と愁色。二つの言葉の重なりから、シャンソンの”枯葉”のメロディーが聞えてきます。