立国(りっこく) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

ぷーちんorzびっくり!
 今日の言葉は、立国(りっこく)です。

 よく、日本は”貿易立国”だといわれてきましたし、日本国民は皆な、そのように教育もされてきたがために、日本は貿易立国といった思い込みが強いと思います。別の表現を使えば、輸出に依存して経済が成り立っているということ。このため、現在のような、想定外の円高に見舞われると、さあ大変と円高対策を政府も経済界も求めることになります。本当にそれが正しいのか、冷静に考えてみる必要がありはしないでしょうか。以前、日本経済新聞の「一目均衡」というコラム欄で、”日本は今も通商国家か?”というコラムが掲載されています。それによると、わが国の貿易依存度は、世界178カ国中、なんと175位。日本より下位には、米国、中央アフリカ共和国、ブラジルしかない。要するに、日本経済は、いまや貿易依存、輸出依存の国ではなく、内発的な内需中心の経済構造になっていることを表しているのではないでしょうか。わが国も、現状がどうなのかを改めて認識をしなおして、時代にあった産業構造にすべく、諸施策も検討・実施することが必要になっている。

 さて、立国(りっこく)の意味です。新たに国家を建設すること、国を繁栄させること等の意味となります。貿易立国とは、貿易によって国を繁栄させることになります・・が、前述のように、わが国の産業構造はもはや貿易立国とはいえないようです。

!気持ち
 昨今の円高は、日本経済の実力以上だということも耳にしますが、意外に、わが国の実力を表しているのかもしれません。話を元に戻しますと、貿易立国でなければなんなのか、勿論、「技術立国」です。他にも、強い経済の背景となる様々な無形の資産がありますが、技術力は抜きん出ているのではないでしょうか。世界のトヨタは、海外工場での生産のほか、確かに国内生産に拠る自動車の輸出で、わが国に多くの富や又雇用も生み出していますが、それは輸出依存ではなく、高度な技術によって生み出される高性能の製品であるからこそ海外からの需要も高いと理解すべきではないでしょうか。いずれにしても、わが国は既に貿易立国ではなく、技術立国に移行している前提で、わが国経済や世界経済との関わりも考えていかなければならないのではないでしょうか。