2023年のクリスマスあたりから喉に違和感を感じていた夫。なかなか改善しない症状に風邪が長引いているんだね、なんて呑気にしているうちにどんどん症状は悪化していきました。

だんだんと飲み込みが困難になっていき、呼吸もしづらくこれはパニック発作か?と疑って2月、3月と医者に何度か診てもらうけど、喉の様子を見ることもなしに必要なら喘息薬のパファー出すよ、と返されます。


やっぱり症状は一向に改善せず悪化の一方。声質も変化してきます。また医者に行こうとする夫に、オンライン診療を提案してみました。(🇨🇦マニトバ州ではQDocというオンライン診療制度があります。)

オンラインで診療してくれたドクターは、夫の症状を細かく聞いてくれたうえで血液検査とCTスキャンのオーダーをしてくれました。


3月末に受けた血液検査で出た甲状腺の値は正常。

4月中旬に受けたCTスキャンの画像を見たオンライン診療をしてくれたドクターから夫に、すぐに州都ウィニペグの病院に行きなさい。ENTドクター(Ear Nose Throat =耳鼻咽喉科医)が待機しているからと電話があります。CT画像によると腫瘍がとても大きく気道を塞ぎかけていて窒息の危険があるとのこと。ENTはそこで病理検査の段取りを始めます。


5月8日、病理検査の日。

一泊二日のつもりで病理検査入院に向かった夫。

その日の午後1時半頃、手術室の医者から私に電話があります。腫瘍がCT画像の時よりも大きくなっていて、気管切開をしないと夫は窒息してしまう。夫氏は意識もあって現状を理解しているが、家族にも同意をしてもらいたいとのこと。勿論夫の生命維持を第一に、手術を進めて欲しいとお願いしました。

この日から夫は自然に話す機能と固形物を飲み込む機能を失います。現在は治療が落ち着いて機能が回復する事を願っているところです。


ここから夫の3週間の入院生活が始まります。

病理検査から2週間。大抵この頃までには確定診断がなされるそうですが、この日聞いた結果は悪性腫瘍ではあるが一般的なcarcinomaという種類の癌腫ではない事がわかった。更に調べを進めるとのこと。その間夫はPETスキャンを受け転移は見られないと聞く。

治療が長引きそうだという事で鼻からのチューブではなく胃ろうの手術をその後受け、MRIも入院中に撮ってもらいました。


長引く入院生活は心も体も休まらないと無理を言って病理検査から3週間後に退院させてもらいます。

ウィニペグは自宅から車で8時間、飛行機で2時間の場所にあります。私は夫の入院にほぼ付き添い、高校生の子どもたちはペットの犬たちと自宅に残してきていたのです。


退院から4日後、担当医師から電話があります。

夫の病気名がRhabdomyosarcoma 横紋筋肉腫である事。大変珍しいがんでこの部位の症例が世界でこれまで100例にも満たないこと、そのため予後については全く予測がつかないこと、一般的なガンであれば私たちが住むまちでも抗がん剤治療ができるが、夫のケースはウィニペグの専門家チーム監視のもとで全ての治療が行われる事、治療後、発話などの身体機能は失われるかも知れないが、最終目標はCureであること、など話がありました。ここから専門家チームが話し合いをして治療方針を決めていくとの事です。